遊歩で健康 歩けあるけ

風の吹くまま西ひがし、ただひたすら歩くことによって頭の中が空っぽの
心境にいたれば最高です。これまさに「歩禅」。

第15座 金勝山(近江アルプス)

2016-04-07 09:35:33 | 日記

7年前に「琵琶湖を囲むハイキングコース」というテーマで、コツコツと踏破したが、

テレビ番組「一筆書き百名山」に刺激されてそれ風に整理した。

時系列(催行日順)も連続性(一筆)もネグッて、時計回りに並べたうえに恰好つけ

て「座」までつけて。 まあお許しを。

だが、第1座(坂本)とこの最終座(金勝山)の催行日はまごうことなくスタート地と

ゴール地であった。 

2010年4月 催行 

金勝山という山はなく、阿星山・竜王山・鶏冠山など湖南地区の連山の総称であり、

信州八ヶ岳と同じ立ち位置である。またかって裸山(はげ山)で白っぽく遠望された

ことから「近江アルプス」の名称もつけられている。

JR草津駅から路線バスで15分ほど、終点「上桐生」で降車し歩10分で登山口に。

立派な木の看板が迎えてくれる。(バス本数少なし)

最高峰竜王山(604m)への登山はいくつもあるが、磨崖仏・金勝寺コースを選ぶ。

登山口(WC)~(3.7K 120分)~狛坂磨崖仏~(急登30分)~国見岩(稜線)

~(磨崖仏から1.6K 35分)~竜王山頂上~(0.5K 15分)~馬頭観音堂(WC)

~(1.5K 40分)~金勝寺~(2.5K 60分)~道の駅・こんぜの里(WC)

                     しめて 10キロ  5時間  標高差300m

こんぜの里(県民の森)からはシャトルバスでJR栗東駅へ。ただしバスは季間限定

で土日のみ運行、したがってこの催行も日曜日を選んだ。

さて第14章で提起した草津天井川(氾濫の歴史)のいきさつはこの登山ではっきりと

特定される。

↑オランダ堰堤                   ↑さかさ観音

磨崖仏に行く途中にある遺跡。 写真左は土砂流を防ぐためオランダの技師を招へい

して作らせた堰堤(明治時代)。 写真右は土砂流で崩れ落ち、逆さになったた磨崖仏。

いずれも金勝山崩れ易く、土砂が草津川をいかに氾濫させたかの証左である。

 

↑狛坂磨崖仏                       ↑重(かさなり)岩

写真左は土砂流でずれ落ちた磨崖仏。 右は岩の上に誰かが岩を重ねたのではなく

土の中に埋まっていたこの岩が雨によって土が流されて露出したものだ。このような

奇岩がそこかしこに見える。 写真の重なり岩の高さが3メートルとすれば、流された

土砂の量は膨大なもの、これが草津川に流れ込んだことを意味しているわけだ。 

草津川の天井川化 ガッテン!

このコースで一番きついのが磨崖仏から稜線に登りつくまでの30分。急傾斜の上に

風化したザラメ状の岩土のため足場が悪い。 木や草を手掛かりに這い登る。

余談だが、日曜日のため団体登山に遭遇、磨崖仏で案内人の説明を聞いている間

に急いで追い抜いて急坂に取りついて事なきを得た。 団体の後に付いたら大変な

時間のロスが発生しただろう。

↑国見岩(泣き岩)               ↑尾根筋からの天狗岩(遠くに近江富士が)

稜線に出ると天国である。 都を追われた貴族がこの岩の上に座って、京都に残した

家族を想ってすすり泣いたといわれる国見岩(写真左)。 難易度が高い天狗岩コース

(写真右)も一度は挑戦したい魅力的なルートだ。

竜王山頂上からは琵琶湖がくっきり眺望できる。大津市内の高層ホテルも目視した。 

その向こうに見える比叡山と比良山系、山麓にある坂本の街がこの企画のスタートだ

と一人ご満悦。ちょうど昼飯時かなりの登山者が談笑していたが、私のほくそ笑みは

わからなかっただろう。 一年余をかけてあの湖畔を囲むめぼしいハイクコースを攻略

してきたんだよ、みなさん。

馬頭観音堂経由で金勝寺に下りる。 観音堂には駐車場もあり観光客が来ているが

観音様は眼下に見える栗東競走馬トレーニングセンターの守り仏であり、なんとなく

賭け事の運を授けてくれそうなとこからか。

当時は肝心の観音さんが盗まれていて、不在の堂となっていた。

うっそうとした木立の中にたたずむ金勝寺。ここにも団体登山者が何組か来ている。

案内人の説明を盗み聞きして、この山が裸になったいきさつを知る。

檜の名産地であるこの山は奈良や京都に近かったため、寺社仏閣の建造のために

乱伐されたために裸山になったのだ。   交通の要所である草津が洪水でたびたび

交通遮断されるため江戸時代から植林もされていたので、緑化が進み天狗岩尾根に

その面影を残すのみとなっている。

お寺さんから道の駅まではだらだらの下り坂、石段2000の「なんださか狛坂」道を

さけて無事到着。 売店でビールを飲んでシャトルバスへ。

 

「金勝山」と書いて「こんぜやま」と読む。 しかし「金勝寺」は「こんしょうじ」である。

山の麓は「こんぜの里」である。 ややこしいね。

 

余談   2年後、馬頭観音堂から見た「栗東トレーニングセンター」を見学した。

大きなトラックで競走馬が調教されている。(写真右) それを騎士が双眼鏡で観察

している。(写真左)    その現場に入れるのだ。

↑調教を終えて厩舎に帰る一団        ↑馬蹄を作る現場

大声を出さない、馬にカメラを向けない、飲食しない など調教を邪魔しないように

見学して回る(案内人つき)

卒業したお馬ちゃんも余生を送っている。  激しい訓練としのぎを削る競争で

見事な身体を作り上げている。   おまけにほんのちょっと試乗させてもらえる。

センターから金勝山が仰ぎ見える。

 

第1座坂本から第15座金勝山まで、一筆書きで踏破したらさぞ快感だろうな。

もうそれは夢のまた夢、でもこうして整理していると、なんだか勇気が湧いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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