旅限無(りょげむ)

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奉祝!小泉さんはコウノトリの羽音に驚いた? 其の弐

2006-02-08 10:26:45 | 歴史
■事の重大性を余り考えない人らしい、と分かった時には手遅れで、官僚や審議会に丸投げしたら、後は国民をバカにしたようなパフォーマンスの煙幕を自在に操って押し切ると、「信念」が有るように見えるから不思議です。それが小泉首相の手法なのですが、もっと不思議なのは、そんな「信念」を指示する選挙民が沢山いるという事実です。露骨に言ってしまえば「皇太子ご夫妻に男の子が生まれっこないんだから、仕方が無いじゃないか」というだけの理由で皇室典範をいじくろうというわけです。最悪の場合は、「継体天皇」の例も有るのですから、系図を遡って男系継承者を草の根分けても探し出すという究極の苦肉の策だって可能なのですから、世間一般の跡取り問題と同列に皇室問題を扱おうとするのが間違っているのではないでしょうか?

7日、判明した秋篠宮妃紀子さま(39)の第3子ご懐妊。先月の「歌会始の儀」で、秋篠宮ご夫妻は「笑み」というお題で、コウノトリの放鳥式に出席した際の気持ちを、そろって詠まれた。…先月12日、秋篠宮ご夫妻は、新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」で、そろって「コウノトリ」についての歌を詠まれた。

 「人々が笑みを湛へて見送りしこふのとり今空に羽ばたく」(秋篠宮さま)

 「飛びたちて大空にまふこふのとり仰ぎてをれば笑み栄えくる」(紀子さま)
 
■マスコミ各社も急な発表で、何を報道したら良いやら困ったようです。どうでも良い「知人」達のコメントを奪い合っているようですが、一夜明ければ、話題は「小泉包囲網」になるに決まっています。何でも拙速で無責任だった小泉政権を、今更ながら思い出すような事になるでしょう。


そろって「コウノトリ」について詠まれたことは、「ご夫妻が第3子を期待していることのメッセージ」(皇室関係者)などと受け止められた。……以前は「第3子もぜひ」と話題に上ったが、最近は親しい人たちの間でも、その話に触れなかったという。「男子誕生の期待は高まるだろうが、男女に関係なく、元気なお子さんを楽しみにしております」とうれしそうだった。
読売新聞 - 2月8日

■小泉さんとしては、役人が「早く決めてくれ」と言うから、「ああ、そうなの」と応じただけで、もしも、改正法案が無駄になって責任問題になったら、定番の「悪いのは自分ではなくて○○の方だ!」と言うのでしょうが、その手法は賞味期限が切れている事が明らかになるでしょうなあ。ホリエモン、ヒューザー、防衛施設庁、アメリカン・ビーフ、そして『皇室典範』ですから、マスコミが発表している「支持率55%」が信じられない数値です。まさか、これも不当表示や偽装計算なのではないでしょうな?!

■『週刊文春』2006.2.9号に気になる記事が有ったので、今回の御懐妊報道にちょっとした懸念が有ります。問題の記事は、「激震走る 平成皇室のいま」というワイド特集に入っている「存在感増す秋篠宮…」というもので、雅子皇太子妃を中心にした暗雲に関する心配な内容です。


黒田清子さんの大親友である鹿野谷幸栄さんと、皇后の妹、安西恵美子さんの長男・孝史さんが結婚するという話が、宮内庁関係者を驚かせている。

という書き出しで、黒田さんと紀宮さまの御結婚に続いて、秋篠宮ご夫妻が月下氷人の役目を果たしていた事を報じています。皇室内の縁談が1つまとまったというだけなら、お目出度いだけですが、事はそれだけでは収まらないようです。


「天皇皇后、秋篠宮ご夫妻、黒田夫妻の関係がますます強まるのは結構なのですが、三家族がガッチリ固まってしまって、皇太子ご夫妻が入り込む余地がなくなってしまうのではないかと心配なのです」(皇室関係者)
「…最近、皇太子ご夫妻を呼ばない天皇御一家の集まりが何度か続いて、周囲では心配する声が上がっています…」(同前)

■黒田夫妻の婚約も発表直前まで知らされていなかったという皇太子ご夫妻が、もともと兄弟同士の夫婦が性格が合わずにぎくしゃくしていた傷口がどんどん広がっている、という危惧を伝える記事でした。宮内庁の中から、雅子さまの「使命」を露骨に押し付ける動きが有って、皇太子の「人格否定」発言を誘発したようですし、その時に秋篠宮が皇太子の発言を批判するという緊迫した場面へと続きました。これで多くの人が言葉には出さずとも、内心では熱望している「男の子」が秋篠宮で誕生したら、皇太子ご夫妻の影は極限まで薄くなりそうです。大昔の「壬申の乱」に故事付けるような兄弟喧嘩報道が懸念されますなあ。そんな危機的な国内状況になっても小泉さんは「他人事。別の話。総合的に判断して適切に決断。みんな仲良く」などと言うのでしょうか?その頃には『皇室典範』改定法案などはすっかり忘れ去られているのでしょうなあ。

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