■六カ国協議は、一つか二つの英単語を入れるか削るかの鬩(せめ)ぎ合いの最終局面のようです。米国代表は、「最初からまとまるとは考えていなかったよ」と言いたげで余裕の雰囲気ですが、議長国となった中国は「このままでは終われない」と米朝間の調整に必死のようですなあ。これほど中国を慌てさせて走り回らせる北朝鮮の外交部は、敵ながら天晴れ!と思えて来ます。この数日、日本の報道でさえ「日本代表」の話が一切出て来ていませんぞ!本当に北京の会場にいるのでしょうな?これまでも、「大変だあ!中国が怒ったぞ!」と世界の終わりのような形相で永田町を走り回ったり、(自称)大新聞の一面にヨタ話を書き散らしていて、逆に「中国が喜んでくれた!俺の手柄だから覚えておいてね。」などと喜色満面で御満悦になってしまう政治家やら外交官が雁首揃えているのですから、何ともはや……国際会議の現場ではいるのかいないのか分からないとは……
■小さなニュースでしたが、今回の六カ国協議は、最後は一つの英単語か、単語の接頭辞か接尾辞の論争になると見越していた中国は、主賓の米国代表部をも唸らせる英語の達人チームを編成して大量に投入しているという報道が有りました。外交は「言葉の戦争」だと知っている国は手ごわく、そして尊敬されます。随分と古い話なのですが、80年代にレーガン大統領が来日した時、中曾根総理とスピーチの交換をする桧(ひのき)舞台が東京に用意されて、ヤス中曾根さんは陶酔気味に日米運命共同体を祝福して大歓迎のスピーチを、文の切れ目ごとにロン・レーガンさんに目配せしながら読み上げたのでした。そして、いよいよ主賓のレーガンさんが、ハリウッドのB級映画で鍛えたスピーチを御披露になりまして、見事な原稿を魅力的な声で読み上げたのでした。ところが、外務省の(おそらく)英語専門の通訳官?が、張り切り過ぎて、途中から段落の区切りを見失ってしまいまして、一段落余分に「通訳」してしまったので、生中継の会場がざわめき始めたのでした。敏感なレーガンさんは、すぐに異変を察知して、通訳官をちらちら見ながら、テンポを乱さずにそのまま日本語の後を追いながら所定の演説を終わった事だ有りました。
■もしも、サービスのアドリブが入ったらどうするつもりだったのやら、事前に印刷したものを読み上げるだけなら、中学生のアルバイトだって出来る仕事でしょうに、そんなバカバカしい事も偉そうな役人がやるのですなあ。外務省のチャイナ・スクールは余りの評判の悪さに解体されたそうですが、英語の達人?が集まっているはずの英国スクールやら米国スクールはどうしているのでしょう?今回の六カ国協議には、一体、何人の「達人」が参加したのやら、初めから通訳の仕事は全部、北京政府に丸投げなのでしょうか?
6カ国協議:北朝鮮説得続く 「最終局面」米が認識
北朝鮮の核問題を目指す6カ国協議で、米首席代表のヒル国務次官補は6日朝、報道陣に対し「進展があれば協議は継続されるが、進展がなければ、協議をどのように締めくくるのかを検討しなければならない」と語り、今回協議が最終局面にあるとの認識を示した。共同文書採択に至らない場合に備え、一時休会や議長声明を出す形で、協議をいったん打ち切る可能性を示唆したといえる。
協議12日目の6日は、米朝両国首席による直接協議のほか、議長国・中国が米朝それぞれの首席と協議を続けている。日本首席代表の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は同日午前、「最終段階で忍耐と知恵、勇気が試される時だと思う」と語り、この週末が交渉のヤマ場との認識を示した。
ただ、韓国首席代表の宋旻淳(ソンミンスン)・外交通商次官補は「休会について話す段階ではない。速い速度で進展していないが、最後まで努力すべきだ」と慎重な姿勢を示した。
毎日新聞 2005年8月6日
■何をしているかと思えば、「評論家」みたいな事を言いながら見物してるだけじゃないですか!それなら、初めから「北朝鮮の態度は失敬だ!日本は欠席する。」と啖呵を切っておれば良かったのではないでしょうか?誰も呼んでいないし、期待もしないし、役割分担も無いのは最初から分かっていたようなものですから、これも国連改革と同じようなヨタ情報にすがり付いて、日朝平壌宣言にも書いていない「拉致」の一言を本気で捻じ込むつもりで乗り込んだのでしょうか?もう、さっさと帰って来た方が良いですなあ。最後の修羅場にはいない方が、ちょっとは印象を残せるかも知れないのですから、「大いなる期待をしていた我々が間違っていた」と言えば、責任を丸投げ出来ますぞ!いつぞやの中国副首相を真似て、
急遽、公務が入ったので帰国します。
と言えば、中国にも良いメッセージになりますし、まさか、「ウソを言うんじゃない!」とは言えないでしょう?早く帰って来て下さい。但し、「後で請求書なんか送るなよ」の帰国の挨拶を忘れずに。これで、日本にも面子が有るという新事実を参加国に教えることが出来るでしょう。
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■小さなニュースでしたが、今回の六カ国協議は、最後は一つの英単語か、単語の接頭辞か接尾辞の論争になると見越していた中国は、主賓の米国代表部をも唸らせる英語の達人チームを編成して大量に投入しているという報道が有りました。外交は「言葉の戦争」だと知っている国は手ごわく、そして尊敬されます。随分と古い話なのですが、80年代にレーガン大統領が来日した時、中曾根総理とスピーチの交換をする桧(ひのき)舞台が東京に用意されて、ヤス中曾根さんは陶酔気味に日米運命共同体を祝福して大歓迎のスピーチを、文の切れ目ごとにロン・レーガンさんに目配せしながら読み上げたのでした。そして、いよいよ主賓のレーガンさんが、ハリウッドのB級映画で鍛えたスピーチを御披露になりまして、見事な原稿を魅力的な声で読み上げたのでした。ところが、外務省の(おそらく)英語専門の通訳官?が、張り切り過ぎて、途中から段落の区切りを見失ってしまいまして、一段落余分に「通訳」してしまったので、生中継の会場がざわめき始めたのでした。敏感なレーガンさんは、すぐに異変を察知して、通訳官をちらちら見ながら、テンポを乱さずにそのまま日本語の後を追いながら所定の演説を終わった事だ有りました。
■もしも、サービスのアドリブが入ったらどうするつもりだったのやら、事前に印刷したものを読み上げるだけなら、中学生のアルバイトだって出来る仕事でしょうに、そんなバカバカしい事も偉そうな役人がやるのですなあ。外務省のチャイナ・スクールは余りの評判の悪さに解体されたそうですが、英語の達人?が集まっているはずの英国スクールやら米国スクールはどうしているのでしょう?今回の六カ国協議には、一体、何人の「達人」が参加したのやら、初めから通訳の仕事は全部、北京政府に丸投げなのでしょうか?
6カ国協議:北朝鮮説得続く 「最終局面」米が認識
北朝鮮の核問題を目指す6カ国協議で、米首席代表のヒル国務次官補は6日朝、報道陣に対し「進展があれば協議は継続されるが、進展がなければ、協議をどのように締めくくるのかを検討しなければならない」と語り、今回協議が最終局面にあるとの認識を示した。共同文書採択に至らない場合に備え、一時休会や議長声明を出す形で、協議をいったん打ち切る可能性を示唆したといえる。
協議12日目の6日は、米朝両国首席による直接協議のほか、議長国・中国が米朝それぞれの首席と協議を続けている。日本首席代表の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は同日午前、「最終段階で忍耐と知恵、勇気が試される時だと思う」と語り、この週末が交渉のヤマ場との認識を示した。
ただ、韓国首席代表の宋旻淳(ソンミンスン)・外交通商次官補は「休会について話す段階ではない。速い速度で進展していないが、最後まで努力すべきだ」と慎重な姿勢を示した。
毎日新聞 2005年8月6日
■何をしているかと思えば、「評論家」みたいな事を言いながら見物してるだけじゃないですか!それなら、初めから「北朝鮮の態度は失敬だ!日本は欠席する。」と啖呵を切っておれば良かったのではないでしょうか?誰も呼んでいないし、期待もしないし、役割分担も無いのは最初から分かっていたようなものですから、これも国連改革と同じようなヨタ情報にすがり付いて、日朝平壌宣言にも書いていない「拉致」の一言を本気で捻じ込むつもりで乗り込んだのでしょうか?もう、さっさと帰って来た方が良いですなあ。最後の修羅場にはいない方が、ちょっとは印象を残せるかも知れないのですから、「大いなる期待をしていた我々が間違っていた」と言えば、責任を丸投げ出来ますぞ!いつぞやの中国副首相を真似て、
急遽、公務が入ったので帰国します。
と言えば、中国にも良いメッセージになりますし、まさか、「ウソを言うんじゃない!」とは言えないでしょう?早く帰って来て下さい。但し、「後で請求書なんか送るなよ」の帰国の挨拶を忘れずに。これで、日本にも面子が有るという新事実を参加国に教えることが出来るでしょう。
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