中田真秀(なかたまほ)のブログ

研究について、日常について、その他。

PubchemQC: 1500分子突破+Javaでブラウザから結果がみられるようになった

2013-12-29 15:15:14 | 日記
PubchemQCプロジェクト

* 1500分子突破。平均したら1日200分子程度か。現在9台のマシンで計算中。
* 計算結果の分子構造などは、Javaがあればみられるようにした。Jmol経由。これはHTML5にして、iPhone/iPad/Androidなどからもみられるようにする予定。JSmolにすればいいだけなんだが、三時間費やしたができなかった。
* 一部間違えて計算結果消した。200-300分子くらい吹っ飛んだ。これはディレクトリを共有していることによる間違い。今後もおこる可能性があるので、共有しない方向でやる。
* 40コアのマシン/4コアのマシンでスクリプトの間違い。
* 40コアのマシンではうまく行かないことがあるが、原因は不明。
* RICC向けスクリプトはまだ作成してないが、これができたらさらに加速するかも。
* Backendをfirefly8にしたいが、なぜか並列計算がうまく行かない。

アナウンス:The PubChemQC projectを開始しました。

2013-12-21 15:01:02 | 日記
アナウンス:The PubChemQC projectを開始しました。

PubChemというのは世界最大の分子のデータベースで、無料で公開されています。これを使った創薬スクリーニング、
バイオアッセイなどはよく行われています。当然、分子構造がついてくる訳ですが、これらは実際の構造と比較するとかなりずれていることが多々あり、精度としては不十分です。

これを改善し量子化学の第一原理計算の方法を使い、実験値に近い構造や分子の特性を出してデータベース化するというプロジェクトを
始めました。単なる構造だけではなく、分子そのものの情報が得られるため、様々な物理、化学特性も素直にだせ、化学一般の用途に使えます。
例えばHOMO, LUMOもわかるため、化学反応の予測などにも使えると思われます。

ただ、PubChemには現在7000万くらいの分子が登録されている一方、こちらは100分子/日程度の計算スループットしか出ません。
計算リソースの寄付は大歓迎です。

計算手法
* 分子のCanonical SMILES表記の三次元化、水素付加、初期分子構造作成
* PM3経験的手法での構造最適化、Hartree-Fock法/STO-6Gでの構造最適化
* B3LYP/6-31G(d)での構造最適化
* GAMESSによる計算:無料で入手可能(ただしオープンソースではない)。
* 一日一回アップロード

連絡先
maho.nakata@gmail.com
中田真秀



市場は公平かの定義:アービトラージ取引ができるか否か?

2013-12-03 09:34:37 | 日記
Forex Expressのおぜきさんのコラム
を読むに、また性懲りもなく効率的市場仮説のことを考えていた

1. 個人が為替レートに関与できるか、ということであるが、「あんまなさそう」というのが答えだとおもう。
この定義はひとつ、インターバンクに個人の店頭取引の資金がどれだけ流入してるかということになると思う。この測定というのは
非常に難しい(インターバンク直結を謳うNDD形式の取引も増えているし、証券会社がまとめてカバーしているみたいなこともしているし)
が、取引高をみていると10%もいかなさそう。ということで、あんまなさそう、というのが答えになる。

2. 市場は公平かどうかの定義は、アービトラージ取引ができるか否か、ということなのかなと思ってみると、
なんとなくわかるけれど、やはり統計力学よろしく微視的に見ると破れは見られるということだろう。
たとえば現在のPepperstoneとThinkForexのUSDTRYをもちいた両建てをするとswap (roll over)がとれる、というのがある。
まぁこれもじきなくなるのでは、と思う。

で、価格操作というふうになると、結局はなるべく統一で、スプレッドを広くする、コミッションを導入、くらいか。あまりにも価格が違うとこれまた業者間アービトラージ取引が可能となってしまうためである。

ま、結局はどうやってシステムを維持するかということになってしまって、スプレッドが小さいだけではよくわからないということになるんだろうね。FX会社はマーケット・リスクを極限まで減らすだろうし、またそうしないと会社も維持できない。その意味で、FXが広がるにつれインターバンク直結ということで、リスクテイクを抑えるというのはありなんだろう。