俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ぷに子

2013-07-25 09:57:55 | Weblog
 最近、若い女性の間でちょっと太めの「ぷに子」がブームになっているらしい。CanCamの特集記事が火付け役になったようだが、これは良いことだと思う。日本の若い女性は痩せ過ぎている。最貧国並みの栄養しか摂取していない。これまでマスコミは痩せることを煽り過ぎていた。病的な細さを美しいと評価するなど女性の人権を侵害していると思えることを平気でやっていた。痩せることを煽って痩せるための記事で儲けるというマッチポンプ役を務めていた。
 美しさは主観的なものだが社会通念によって変動する。それだけに不健康な体型を美しいと評価すべきではない。健康であることが美の前提であるべきだろう。女性のほうが男性よりも協調的だ。言い換えれば感化され易いということだ。マスコミが煽れば女性は過剰反応してしまい勝ちだ。
 西洋人と比べて日本人は小柄だ。実際に直接会えばそうではないにも関わらず、写真や映像などの二次元媒体で映像化するとどうしてもずんぐりむっくりのちんちくりんであるかのように見えてしまう。そのために芸能人は痩せることが求められた。そんな「画像用の美女」がいつの間にか視聴者・読者の美のモデルになってしまった。
 西洋人のように背が高く足が長ければ「美しく」なfれる。小柄な日本人は「可愛く」しかなれない。可愛さで満足すべきなのに西洋の基準で美しくなろうとした。しかし背の低さは克服できない。そこで選ばれたのが「痩せる」という戦略だ。足の長さや身長は変えられないが体重なら自力でコントロールできるからだ。
 手段はしばしば目的化する。美しくなるために痩せようとした筈なのに痩せること自体が目的になってしまって、今では多くの女性が醜く痩せている。
 一旦、痩せていることが美しさの基準になると悪循環が起こる。芸能人はますます痩せてミイラのようになり、視聴者・読者はそれを真似てガリガリに痩せ細る。まるでデフレスパイラルのような悪循環だ。「ぷに子」のブームがこの悪循環を断ち切ってくれることに期待したい。

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