海人の深深たる海底に向いてー深海の不思議ー

地球上の7割を占める海。海の大半は深海。深海生物、潜水調査船など素晴らしい深海の秘蔵画像を紹介。奇抜・奇妙な姿に驚愕!!

リュウグウノツカイ

2012年09月22日 | 日記
リュウグウノツカイ
 深海には不思議な生き物が多くひそんでいる。 時折海岸に打ち上げられて奇妙な顔や体型が変わっていて話題になる。 これは日頃食卓などで接している魚と形が想像を超えているからだ。 何でこんな大きな口をしているのか?何を食べたらこのような大きさになるのだろうか? どんな生活をしているのだろうか?と深海魚に興味がわいてくる。

 今回は深海の不思議な深海魚を代表するリュウグウノツカイを紹介しよう。
 リュウグウノツカイ(2属4種)は英語名でOarfishと呼ばれている。オールのように長い魚と体型を表した英語名だ。和名のリュウグウノツカイは海底にある竜宮城をイメージして名づけられたもので日本人にはその姿からもなじみやすい名前だ。 
リュウグウノツカイは太平洋、大西洋、インド洋、北海など世界の海に分布し、水深200mから 1000mの深海の中層で群れずに単独行動している。 リュウグウノツカイは目立つような歯のない小さな口で動物プランクトンなど小さな生き物を食べている。 深海の食物連鎖のなかではリュウグウノツカイは深海の肉食サメなどの獲物にもなっている。

普段は深海の中層に棲んでいるが、これまで夜間に漁火のライトに近寄ってきたところや海面を泳ぐ姿が目撃されている、しかしこれは怪我や身体が弱っていたもので健全なリュウグウノツカイが海面付近で目撃されたことはない。
 産卵の様子はまだ情報が少ないが、深海の中層で7月から12月(メキシコ湾)に行われ、卵(直径5ミリ程度)は浮性卵で3週間でふ化すると言われている。ふ化した稚魚や幼魚は動・植物プランクトンなど餌の多い海面で過ごす、この時期は体長も短く、背ビレ、腹ビレは長く、伸縮する口をもっていてリュウグウノツカイの成魚とは似ていないので鑑定するのは難しい。そして成長すると深海へ降りていく。

  リュウグウノツカイの特徴は何といっても長いリボンのような体型だ、身体の表面はウロコがなく、銀色で頭には長いヒレがカンムリのように伸びている。また、胸ヒレも細長く伸びた状態だ。背ビレは細長い体型にそって尾まで続いている。 
リュウグウノツカイは日本では地震を予知する魚として知られている、大地震の前に海岸に打ち上がることが多いからだ。リュウグウノツカイに詳しい千葉中央博物館の宮正樹博士によると、近年日本海側では19匹も打ち上げられ、目撃例などを入れると40匹近くにもなり何か日本海に異変があったのだろうか?と疑問を投げかけている。 リュウグウノツカイはこれまで生きた状態で観察されたことは少ないが日本で幾つかの目撃例がある。それによると長い身体を垂直に立てている様子、身体を平行にして伸ばし、背ビレだけをリズミカルにうねらせて泳ぐ様子が観察されている。海外では2001年にバハマで米海軍のダイバーによって体長5mのものが撮影され、メキシコ湾で2008年7月に水深470mの石油掘削装置(BOP)付近でROV(海中ロボット)によって自然に泳ぐ姿が観察されている。

 リュウグウノツカイは世界で最も体長の長い魚(硬骨魚)と言われている。 日本の水族館などで展示されているリュウグウノツカイの長さは4~5mもあり、昨年の4月29日に沖縄久米島で5mのリュウグウノツカイが夜の集魚ランプに寄せられたところを銛で射とめられている。 リュウグウノツカイのこれまでの最長記録はギネスブックによれば11mと登録されているが専門家であるルイジアナ州立大学のベンフィルド教授によると何と17mにもなると言う。正に世界最長の魚だ。


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