MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

portato ポルタート

2007年07月05日 | 音楽用語
昨日に引き続き、バイオリンのお話です。

半年前、バイオリンを初めて手に取った時
楽器が良いためか、弾いてすぐにまともな音が出せて、
「なんだ、意外と簡単。」
と思ったものですが
ゆっくり音を出す分には まともな音でも
早いフレーズを演奏するようになってくると
弓が跳ねたり、震えたり、
時々超音波かと思うような音も出ます。

その時 担当して下さった先生からいただいた、
安定した いい音を出すためのアドバイス。
「床に置いた、ぬれ雑巾の端をつまんで引っ張るように」
・・・雑巾ですか。

ものすごい例えですが、
弾いてみるとよくわかります。
弓の重さを素直に弦に乗せて、引っ張るだけなんですね。

ちなみに
バイオリンを習っていると
『スラー』が、弦楽器のための記号なのだな、
ということを痛感させられます。

ピアノの楽譜の中で、
スラーとスタッカートの両方が付いている事があります。
スラーの中はつなげる、スタッカートは切る、では矛盾する指示。
生徒からもよく、「切るの?つなげるの?どっち?」
と聞かれます。

ポルタートと言われるこの指示は、
弦楽器の場合
『弓を一方向に動かし続けながら、』
『やや切り離して演奏する』。
一弓で弾くため、フレーズのまとまり感はあるけれど
聴こえてくる音は離れている、という事になります。

先ほどの雑巾奏法で言えば

ずずーっと引きずり続けるところを
ずっずっずっずっ と時々止まりながら引っ張る感じ
という事でしょうか。

よろしければ
ピアノでポルタートを弾く際にでも、
ちょっとイメージしてみてください。