MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

大切にしたいこと

2010年06月30日 | 音楽教室

ピアノのコンクールは毎年あります。
うちのクラスで参加する生徒さんもいらっしゃいますが

私が考える「参加することのメリット」は
舞台で(人前で)演奏できる機会の一つ
よいピアノが弾ける(フルコンのグランドピアノ)
一つの曲を追究することで音楽的に成長できる
他の人の、良い演奏をたくさん聴ける

つまり「自分が成長できるよい機会」です ので

『賞を取りたい』というだけの目的でしたら
参加はやめた方が良いですよ。
と、生徒さん、親御さんともども最初にお伝えしております。

            
特にお母さま、
お子さんがピアノを習い始めた時には、
ピアノを通して音楽を楽しめるようになったら
という気持ちで、ゆったり見守っていらしたのに

参加したコンクールで、たまたま何かの賞をいただいた途端
初心をすっかり忘れて異様に燃えてしまう
という事がありますので
この辺りはいつも慎重になります。

            
賞を取りたいと思ってレッスンを受けられると
それはもう きっちりと
アドバイスされた通りに練習してきてくれますから
レッスンそのものは とてもやりやすくなります。
でも、何も考えず『言われた通りに弾くだけ』におちいりやすい。

それは嫌だなあと思うのです。

もちろんアドバイスはするのですけれど
本人が、自分の音をよく聴いて考え
納得できないなら自分の好きに弾くのもいいかな
というのが、私の基本的な考え方でして

それが、審査員の人には受け入れられないかもしれないな
と、思っても
それが『その生徒さんの音楽』ですから、よしとしています。

『自分の音楽をつくりあげる力』を磨くお手伝いをすること
が、レッスンの目的。

あくまで【お手伝い】なのです。

お別れに思うこと

2010年06月28日 | 音楽教室

毎年、何かしらの事情で
教室を止めていく生徒さんがいらっしゃいます。

どうしようもない理由というものはありまして
転居(とても通えないくらい遠方へお引越し)
仕事・学校の都合(レッスン時間にどうしても間に合わない)
経済上の理由(不況をひしひしと感じる時)
このあたりは、もう止めようがありません。

受験に専念したいから】という理由も時々あります。
やめない子はむしろレッスンを気分転換に
休まず楽しく来てくれますが
お母さまが成績を心配されて(ピアノは弾くけど勉強しないから)
『合格するまでお休み』というケース、
お気持ちはわかるので、あまりお引き留めできません。

そして、本当は出したくないパターンが
[練習しない、やる気が出ない、で嫌になったから止める。]
このケースです。
         
昨年、他のクラスから引き継いだ生徒さんなのですが
どう励ましても、褒めても反応がなく
アドバイスしてもそれを活かしてくる様子がなく
おそらくピアノを弾くのは教室でだけ。

どうしたらやる気が出るかなーと
この半年あれこれ工夫してきたのですが
とうとう止めることになってしまいました。

前の担当だった先生に、
「申し訳ありません、私の力不足で
○○さん止めることになってしまいました
とお伝えし、謝りましたところ
「私が担当していた頃からそんな感じだったし仕方ないわ」

            
でもなあ。楽しめるようにしたかったなあ。
もっとこうできたかな、ああすれば良かったかも。
レッスンしているうちは精一杯やっているつもりだけれど
後になると、まだ何かできたと思うのです。

10年以上この仕事をしていても
ああ、まだまだだなあ、と思う時。

今年の収穫第一号

2010年06月25日 | Weblog
ピアノのある部屋の窓の外に
緑のカーテン』としてゴーヤを植えています。

他の部屋の前にも、同じタイミングで植えているのですが

何故か『ピアノの部屋のゴーヤ』の成長が
際立って速いです
伸びるスピードは他の部屋の約2倍
花の数は4倍

窓は閉めて練習しているので
窓越しのピアノの音で成長が早まったとは言い切れませんが

日光は外側からさしているのに
ツルが部屋の方へ 部屋の方へ 伸びてくるのは
ちょっとコワイものがありました。

植物って、本来
お日様へ向かって成長するものではないのですか。

            
ともあれ、よく茂った葉っぱが日光を遮ってくれるので

練習は大変快適です。

エアコン苦手な私としては大助かり(節電にもなるし)

2週間ほど前についた実が
いよいよ食べ頃サイズです。

音楽の道へ

2010年06月21日 | 音楽教室

受験生の間も休まずレッスンに来ていた生徒さん
高校生活にも慣れてきたころ

「私、音大に行きたいです。」

今からそれを言いますか
(できれば中学生の時点で言ってほしかった…

            
本人の希望としては
音楽教室の講師になりたい、という事なので
とにもかくにもグレードは取得しないといけません。

したがって考えられる進路は

音大受験コース
(音大を受験し、入学後グレードを取っていく。
 まずは音大の先生に『間に合うかどうか』判定していただき
 何とかなりそうなら、受験に向けてレッスン開始)

専門学校コース
(ヤマハ音楽院で専門的に勉強し、グレードを取得していく)

グレードだけ取得コース
(普通の大学に進学し、並行してグレードを取得していく)

さて、どうするか。

            
音楽教室の講師』を目指すなら、正直な話
【音楽大学】よりも【音楽院】で勉強した方が
実践的な力がつくだろうなあ
と思うのですが

力はあっても、仕事があるかはまた別の話でして
もし、それで講師になれなかったら
一般的に見た学歴は『高卒』ということになってしまうのですよね。

となると、他の仕事に就職する時 不利になってしまいます。

そういう意味では
音大か、普通の大学に進学してグレードを取る形が理想…。

とりあえずの目標は
高校生のうちに演奏と指導のグレード取得』かなあ。

耳に馴染みがあるうちに

2010年06月19日 | 音楽教室

先日行ってきたお師匠さまのレッスンで
『次に弾く曲候補』として
フランスもの(サティ・ドビュッシー・メシアン)か、
ロシアもの(プロコフィエフ・スクリャビン)を
勧められたわけですが

ロシアものについては、自分でも避けていた感があるので
現在、優先的に『候補』を選択中です。


            
ラフマニノフはいくつか弾いていますけれど
プロコフィエフは在学中にちょこっと触ったくらいですね。
何で弾かなかったのかなあ。


考えてみれば、発表会でもあまり聴く機会が無いですし

曲の物色も兼ねて
ピアノソナタ第6番を聴いてみたのです。

 鋭いリズムが格好いいし、楽しそう。
どうして避けていたのかなあと考えて、ふと気付きました。

これ、弾けるまでが騒音
たぶん弾けてからも騒音 (ご近所の皆様にとっては)

ああ。
これ 自分で弾く分には楽しいけれど、周囲が大変だ。

とりあえず、ソフトバンクの記憶が新しいうちに
『ロミオとジュリエット』くらいから入る方がよいかしら。

ここ大事

2010年06月17日 | 音楽教室

今週は、
次の日曜【学習者グレード(Bコース)】を受ける生徒さんへ
試験前最後のアドバイスをしています。

つまずきそうなポイントは、だいたい皆共通するもので
ほぼ毎回、同じような事を伝えていますね。
      ↓
【初見演奏】
調と拍子の確認をしっかりと
(調号・拍子のミスが多いのです)
細かく1音1音見るより、曲の流れに目を向けて。
音楽的にとらえる方が、きちんとつかめます。

【即興演奏(7・6級)】
課題のメロディを弾く前に、何調かを確認すること。
調号(何調かを判断する♭や♯の表示)だけ見て
「○長調だ!」と決めてかかり
いざ伴奏を付けて弾き始めたら短調でパニックに
は、よくあります。
長調だけではなく短調の可能性を忘れずに。
(同じ調号でも、長調・短調2通りの可能性あり)

短調の五度と属7の和音は、半音上げる音があります。
同主調の五度・属7和音は同じと覚えておきましょう。
(↑同じ音から始まる音階の調:ハ長調とハ短調の属7は同じ)

            

ここまでは、年中共通のアドバイス
ここからは、今の時期ならではのアドバイス

【エアコンの風をなめてはいけない】
自由曲を暗譜していな場合、見て弾いてもいいけれど
譜めくりしてくれる人はいないので、
必要ならコピーを用意すること。

そして
コピー用紙は、エアコンの風に飛ばされやすいので
厚紙等で補強を

皆さん笑いますが
本当に飛ぶのですよ。

本のページも ぺら~っとめくれちゃったりしますし。

サティの印象

2010年06月15日 | Weblog
先日、師匠に「弾いてみたら」と言われたサティ。


私にとってサティと意識して最初に聴いた曲は
3つのジムノペディでした。

静かに 静かに、揺れる響き
その上に『雨のしずく』のように
一定のリズムで振ってくる旋律


なんてシンプルで、それでいて きれいな曲なのだろう。
            
父に頼んで(当時は子どもでした)CDを買ってもらい
アルバムのジャケットを見ると
青空に山高帽のおじさんがいっぱいの絵。
???
妙な絵だけど、でも何となく、曲の印象とは合っているような。
不思議と整って綺麗な絵。

これは後にマグリットの絵とわかりましたが
(ちなみに私はサティもマグリットも大好きです)

            
さて、そこでですね
そのCDに収録曲されていた、他の曲のタイトル(↓)
【犬のためのぶよぶよした真の前奏曲】【ひからびた胎児】 
【あらゆる意味で、でっちあげられた数章】

を見て、びっくり仰天したわけです。

後々、調べてみたら
『犬のためのぶよぶよした前奏曲』
(この「ぶよぶよ」は訳によって「だらだら」「しまりのない」
 と いろいろバリエーションがありました)以外に
【嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ】 など
他にもまだまだ変なタイトルはあったわけですが

・・・サティって、変な人?

このサティ氏、私の記憶違いでなければ
軍隊から逃げ出すために
風邪をひいて、それをこじらせようと雨に濡れて過ごした
などというエピソードもお持ちで

この話だけなら
風邪をひいて軍隊から逃れようなんて、
考え方が子どもっぽくて、可愛らしいわー
くらいで済みますのに

自分の作品に対してあんまりなタイトル付けたがために

やはり『変人』としか思えません。
(でも大好き。

次の曲は

2010年06月13日 | Weblog

ほぼ1月半ぶり
自分のレッスンに行ってまいりました。

前回に引き続き
シューベルトのソナタを見ていただいたわけですが
こちらはもう十分だろうということで
何か毛色の違う曲を弾いてみなさいよ』と 恩師。

毛色の違う といいますと…?

メシアンなんかどう?サティは?
 ドビュッシーは意外とそんなにたくさん弾いていないし
 ロシアものも、数弾いていないでしょう。
 プロコフィエフ・スクリャビン、やってみなさいよー
 食わず嫌いはダメよ


ええと、まあ その
はい食わず嫌いでした(笑)。
さしあたり、ロシアものに着手してみようと思います。

            
とりあえず、候補に挙げられた曲の中で
自宅にあった楽譜は、フランスものであるサティ
ジュ・ト・ヴ」が弾きたくて買ったものの
他の曲は、弾いても恩師は見てくれないであろうと
勝手に思い込み、手付かずだったのです。

というわけで「ひからびた胎児」弾いてみました。

・・・・・

弾いていて、笑いがこみあげてくるのは何故でしょう。

だめだー
2曲目(無柄眼類の胎児)はともかく
1曲目(なまこの胎児)3曲目(柄眼類の胎児)
どうしても可笑しい。

こちらはやはり、もう少し寝かせておこうと思います。

無くてもなんとか

2010年06月11日 | 音楽教室

かつて、ピアノを習いに来て
楽器を持っていなかった生徒さんがいらっしゃいました。

最初は座布団の上で指を動かして練習していたそうですが
後にキーボードか何かを購入され
なんとかレッスンのおさらいができるように。


と、『楽器無し』の例はこの生徒さん1人だけだったのですが


最近
自宅にはエレクトーンしかないけれどピアノを習いたい。
楽器というものが一つもないけれどピアノを習いたい。


という要望が立て続けに来まして

ダメですよ。
というわけにもいかず

指導案作りに明け暮れておりました。

            
エレクトーン所有の生徒さんは
ピアノとの違いを意識して気をつけられる
勘のよさを持っていたので、何とかなりそうです。

エレクトーンの練習では難しいけれど
せめて教室では本当のピアノを生かした表現を伝えたい。
ある程度力が付いてきたら
せっかくエレクトーンをお持ちなのですから
練習用のデータを作って
アンサンブルしながら練習を楽しめるようにできるかも。

            
楽器無しの生徒さんは
まだ3才になるかならないかというところなので
まず、音楽に合わせて手遊びしたり歌ったり
楽しく音楽を経験していく、という形で進めていくことに。

五線譜もリズムも、初めはあまり意識しないで
遊んでいるうちに覚えられた!という形に持っていきたいのです。

            
始まるまでは「どうしよう」でしたが、始まると楽しい。
そのうちまた「どうしよう」と困ることは出てくるのでしょうけれど
乗り越えて「そんなこともあったね」と笑える日を願って。

さて
来週のレッスンの指導案、作らないと・・・。

大掃除ならぬ小掃除

2010年06月08日 | Weblog

時々、発作的にやってくる
 「整理整頓熱」
忙しいのにー、それどころじゃないのにー
と思いつつ
ここを片付けたい!と思うと止まりません。

まあ、一番の理由は
楽譜を買っちゃったからなのですが
(整理しないと入れるところがないです)

そしてなおかつ まだ欲しい楽譜があるからなのですが
(何か捨てないと―以下同文)

            
一番整理しやすく、一番面倒くさいのが
書類・楽譜コピーの山。

持ち歩き用にコピーしたけれど 今はもう不要な楽譜とか
必要だけれど、ダブってコピーしているので捨てていいものとか
内容的にもう期限を過ぎているので不要な書類とか

他の紙類と合わせて内容を確認する必要があると
結構手間がかかります。

それでも、少しでも片付くとすっきり。
とりあえず、今日はここまで。
(楽譜が入ったから)


リサイクルゴミスペースに
いきなり増加する3大紙類(ピアノの講師の場合)
音楽専門書のスクラップ記事・古い楽譜コピー・書類・・・。