天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

6/15 春秋座「琉球舞踊と組踊」

2014年06月15日 | 舞台(歌舞伎以外)
今日(6/15)京都芸術劇場 春秋座で「琉球舞踊と組踊」を観に行ってきました。
先週の坂東玉三郎さんの公演後、すっかり気に入ってしまった組踊。
本当は別のお芝居に行く予定でしたが、急遽変更しました(^_^;)

第一部 琉球舞踊(14:05~15:00)

始め10分程度、簡単な解説がありました。いきなり沖縄の言葉で挨拶され、ちんぷんかんぷんでした。でもこんなに長く聞けたのは始めてかも。

緞帳が上がると舞台には沖縄風の絵が描かれた背景に、上手に三線3名、太鼓、お琴、胡弓、笛とひな壇2段に別れてスタンバイ。

・若衆踊「若衆特牛節」
元服前の少年の舞。女性の振袖のような長い袖。二人での舞でした。
しっとりとした感じの曲。こういうのが好きかも。

・女踊「かせかけ」
身分のある女性が機織の道具を持って、恋人のために布を織る。恋心を描いたという舞。
糸巻きがカラフルで斬新。お着物も綺麗でした。

・雑踊「加那よー天川」
解説によると、明治以降にできた芝居小屋で作られた踊りが雑踊というらしい(多分)。先ほどの2つは古典舞踊というらしいです。
衣装も琉球絣で庶民の服装。帯は前で結ぶんですね。おはしょりが無かったです。足袋は白。
男性と女性が仲睦まじく踊ります。
曲調も手拍子したくなるような明るくてテンポもあり。
男性が最後座りながら移動して引っ込んでいく振りはすごかったです。

・雑踊「鳩間節」
大正時代にできた踊りらしいです。
これまたとてもテンポが早く、早いのに三線弾きながら謡ってらしてすごい。
男性が一人で踊ります。片足でひとまわりする振りが印象的でした。
口笛も入ってこちらも踊りだしたくなるような曲でした。口笛は笛の方が担当されるんですね。

・雑踊「花風」
遊女が恋人の旅立ちを遠くから番傘を差してそっと見送る。
帯をつけずに内側の帯?に挟み込んだ着付けが遊女の服装らしいです。
衣装は宮中女性のような華やかな色あいではなく、よくわからないのですが絣?茶色っぽい感じのお着物でした。曲は一つ目、二つ目の古典舞踊のようなしっとりした曲調。
すごく色っぽいというか、よい雰囲気の踊りでした。

休憩15分

組踊「執心鐘入」(15:15~16:05)

美男で評判の中城若松(なかぐすくわかまつ)は首里へ奉公へ行く途中、日が暮れてしまい、宿を乞うが、親が留守なのでお泊めできないと女が断るが若松の名を聞くと、家へ入れる。惚れてしまった女は若松を誘惑するが、潔癖な若松は逃げ出し首里の寺へ救いを求める。座主は匿い、そして逃がす。
追いかけてきた女は鬼女と化し襲い掛かる。僧たちはお経を唱えて女にとりついた魔障を取り除く。

解説によると、中城若松の女に心を奪われない心、つまり宮廷に対する忠信と、お寺の強さ?を中国の冊封使に伝えたかったとのこと。

お能と歌舞伎舞踊の「道成寺」を観たことがありますので、すんなり楽しめました。
台詞はさっぱりわかりませんが、字幕があるので大丈夫。
お能や歌舞伎よりもわかりやすいかも。

若衆である若松も女の人の台詞の調子でした。
お坊さんたちが男の人の調子。

組踊がお能や歌舞伎を取り入れて作られたというのがよくわかる作品でした。
鐘に入った若松を見張るお坊さんは歌舞伎の所化の件ににてコミカル。
怒り狂った女が笠に顔を隠し、出てくると歌舞伎のような隈取に。
そして鐘の中に入って、そのまま吊上げられ、逆さのまま今度は般若のお面をかぶり、T字の棒(なんというかわからない!)もってうぎゃ~と。お能よりアクロバティック。すごすぎ。中はどうなってんでしょうか。

蛇になっていないそうですが、このときの女の衣装は白地に銀の鱗模様です。打ちかけ?が青い紅型というのが琉球っぽいですが、見た目お能です。
僧たちがお経を唱える中、音楽も太鼓の方がお能の鼓のような叩き方で「よおぉ~」と繰り返し、笛は「ぴぃーーーーーっ」ではなく、琉球音楽風。これまた面白い。弦楽器はお休みです。
お経に耐えきれなくなった女は逃げていく。
そしてお坊さんも上手へはけていく。

終わり方もお能っぽいです。

本当に組踊面白いです。曲が好きなんでしょうね。
沖縄が好きで歌舞伎とお能が好きな私にはもってこいの芸能だったのかも知れません。
次の機会を楽しみに待っていようと思います。

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