トーキング・マイノリティ

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あぁ、国際離婚 その一

2014-10-28 21:40:11 | 世相(日本)

 地方在住で社交的とは程遠い性格のためか、私の周囲や知人には外国人と結婚した人はいない。いかに夫婦で努力しても、生まれ育った環境や習慣の違いは何ともし難く、半数近くが別れると言われている。日本人同士でも離婚は珍しくなくなったご時世だし、一昔前に比べ離婚に対する後ろめたい印象が薄れたのは確かだろう。
 しかし、日本人と外国人のカップルの離婚率では、日本人夫が4割強に対し、日本人妻のケースでは8割にもなるという情報がネット上に流布している。その統計は果たして信用できるものだろうか?

 実は2014-07-06付けの記事で、私も「外国人との結婚ってどうなのか?」という記事を引用し、ここから2007年のデータで日本人男性と外国人女性のカップルの離婚率38.5%に対し、日本人女性と外国人男性のカップルのそれは82.3%という数値を転載していた。しかし、この数値のソースはなく、件の記事の管理人も後にこの情報を訂正しており、「外国人・日本人カップルの離婚 ソース」という新たな記事で、次のように書いている。

日本人男性と外国人女性のカップル…離婚率38.5%、日本人女性と外国人男性のカップル…離婚率82.3%という数字のソースなのですが、日本語教育能力検定という外国人に日本語を教える能力試験の教科書の中に書かれている…と思い込んでいたのですが、見直してみてもどこのページのどこに書かれているのかわかりませんでした。
 そこで婚姻数と離婚数の男女の関係を見比べてみたのですが、どうやらこの情報は間違いである可能性が高いことがわかりました不確かな可能性の大きい情報を載せてしまい申し訳ありませんでした。お詫びと致しまして、ここにその他の信頼できるデータを載せ、また外国人との婚姻における離婚率については、信頼できるデータを元に自分で計算してみました。あらためてお詫び致します。申し訳ありませんでした。

 このサイト管理人はフランス・ストラスブール在住日本人で、他の記事に軽く目を通しても良心的な印象を受けた。そのため私も信用してしまい、迂闊にも日本人女性と外国人男性のカップルの離婚率82.3%という数値をブログで引用してしまったのだ。私がこの情報を信用したのも、マスコミへの不信があったからである。
 国際結婚の半数近くが別れることは聞いていたが、ひょっとすると実際はさらに多いのではないか?という疑いが湧いたことが最大の原因だった。国際結婚を煽るメディアだが、そのトラブルや離婚についてはあまり報じられず、外国人妻の問題は取り上げても、外国人と結婚した日本人妻のトラブルはまず報道しないと感じるのは私だけではないだろう。マスコミは国際結婚の不都合な事実を隠蔽しているのではないか…と未だに私は思っている。

 まさかストラスブール在住日本人の記事が発端ではないだろうが、ネットでは日本人妻の離婚率8割という情報が出回っている。YAHOO知恵袋でもこのデータをそのまま引用したものがあったし、アメリカ生活17年目を自称する女性ブロガーが、「国際結婚・離婚の理想と現実 まとめ」という記事で、アメリカ人夫と日本人妻の5年以内離婚率がアメリカ本土で80%、ハワイでは90%と述べている。
 また「国際結婚の離婚率」という記事には次の一文がある。「統計によると、外国人と日本人男性のカップルの間の離婚する割合は4割以下と低いものの、日本人女性と外国人男性のカップルの離婚する割合は8割と飛び抜けて高くなっています…」

 この他にもネットでは、日本人女性と外国人男性のカップルの離婚率は8割と書かれている掲示板や記事がある。だが、先に挙げた自称アメリカ生活17年目の女性ブロガーや「国際結婚の離婚率」のサイトは共に根拠となる数値データが載っていない。そうなると、どちらも不正確な情報を載せたと疑われても当然なのだ。デマが飛び交うのがネット世界だが、どうやら日本人妻の離婚率8割という情報が独り歩きしているらしい。
その二に続く

◆関連記事:「国際結婚について

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