トーキング・マイノリティ

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アンネの日記と日本人 その二

2014-12-06 21:10:13 | 世相(日本)

その一の続き
 ハアレツのコラム掲載から間もなくアンネの日記破損事件が起きている。事件は早々と各国メディアに報道され、実にタイミングが良すぎる。2ちゃんねるでは、これを不可解に感じた人の書込みがあったので紹介したい。

836:名無しさん@13周年:2014/02/24(月) 20:38:09.28 ID:ozDf/FVx0
1月22日、イスラエルの新聞ハアレツ紙がニュースサイトで「なぜ日本人はこれほどまでにアンネ・フランクに魅了されるのか?」と題した記事が掲載される。
(概略)大部分のヨーロッパ人にとっては、アンネ・フランクは、ホロコースト、および人種差別政策の恐ろしさのシンボルとして受け止められている。しかし日本では、事情が異なる。日本での彼女は、戦争被害者のシンボルだ。そして日本人は、自分たちも戦争の被害者だと見なして、アンネに共感している。
Why are the Japanese so fascinated with Anne Frank? Jan. 22, 2014
http://www.haaretz.com/jewish-world/jewish-world-news/1.569938

↓この記事が掲載された翌日から被害が出始める。

1月23日に初めて区内の図書館で見つかり、その後2月4日までに、12館中9館で次々に被害が報告された。
http://www.j-cast.com/2014/02/20197314.html

日本(原爆及び大空襲)とユダヤ(ホロコースト)が同じ大虐殺を経験した戦争被害者として結びついては困る連中の仕業の可能性が高いんじゃないか?

 私にはハアレツの原文で、次の一文が興味深いと思った。
In Korea, Japanese troops organized the rape of thousands of enslaved Korean women who were known as “comfort women.”

“comfort women”(従軍慰安婦)とは日本軍に強姦され、性奴隷にされた朝鮮女数千人ということだ。哀しいことだが戦時には兵士による強姦が娯楽となり、女が性の玩具として扱われるケースは現代も同じだし、日本軍も無関係だったはずはない。ただし、“comfort women”が数千人とは、韓国の公称20万人説よりかなり低い数値でもある。

 ネットでは中韓の反日には米国、殊にユダヤ系が背後で煽動しており、彼等は連帯しているといった意見を見かける。これを陰謀論と否定する向きも多いが、火のないところに煙は立たないのも確か。ハアレツのコラムだけで、ユダヤ人のスタンスは明らかだ。
 作成は2002.3だが、「日本に圧力をかけるシオニスト組織「SWC」~「サイモン・ヴィーゼンタール・センター(SWC)」の実態 ~」というサイトの第四章は、ズバリ「SWC」と「創価学会」の連携。「SWC」はさらに「統一協会」とも友好関係を結んでいるという。検索すれば、「極東のユダヤの手先は、朝鮮人宗教」のようなサイトは、多数ヒットする。

 アンネの日記破損事件を英・BBCは、日本が米国に次いで『アンネの日記』が売れた国であることを伝えたうえで、「アンネの日記が日本の図書館で破損させられる」の見出しで報じたという。日本の専門家による「1950年代と60年代の日本の若者は自身とアンネを重ね合わせた」というコメントも紹介していた。米国に次いで日本が『アンネの日記』が売れた国とは今回初めて知ったが、購読層はどんな日本人だろう?
 ちなみに「この50年間に世界で最も読まれた本ベスト10」というサイトによれば、アンネ日記は10位の2700万部。一方聖書は39億部とダントツ。コーランが入っていないの?と突っ込みたくなるが、調査対象や識字率もあるのだろう。

 そして“日本の専門家”とはいったい誰なのか?1950年代と60年代の日本の若者が自身とアンネを重ね合わせたとは思えない。インテリ左翼や余程の本好きの一部若者であり、当時の大学進学率は今より低かった。日本の若者全般はそれほどアンネの日記を読まなかったはず。60年代前半生まれの私の世代でも、広く読まれている書ではなかっただろう。
その三に続く

◆関連記事:「イスラエルを擁護する人々

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2 コメント

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教会学校での推薦図書? (巨大虎猫)
2014-12-06 22:17:55
「アンネの日記」は、私の知る限り、キリスト教の教会学校の推薦図書となっている場合が多かったです。私も読むのを強要されました。全部は読みませんでしたが、胡散臭さを感じたのを覚えています。(大学生になって、この本が偽書であるとする説や出版にあたって大幅な改ざんがなされたという話を知りました。)「所持品の検査も厳しいはずの強制収容所からどうやって持ち帰ったのか不思議だ。」と言って、周囲の大人たちを怒らせたのを覚えています。
要するに、教会は「神様を信じないと、こんなひどいことが出来る。」と教えたいのですが、わたに言わせれば、「(キリスト教の)神様を信じるから、こんなひどいことが出来る。」のです。ヒトラーはローマ法皇ピウス11世とピウス12世絶賛したカトリック教徒で、カトリック教会の教えを忠実に実行したに過ぎないのです。
それから、「アンネの日記」は中学の国語の教科書に出ていました。これも発行部数に入れたら、相当な数になりますね。
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Re:教会学校での推薦図書? (mugi)
2014-12-07 21:56:09
>巨大虎猫さん、

 その三にも書きましたが、私もかつて読んだ時には不自然さを感じ、途中で読むのを止めました。貴方と違い私はねつ造や改ざんの疑いがあったことを、遅まきながらネットで知りました。やはり貴方も胡散臭さを感じていたのですね。

>>それから、「アンネの日記」は中学の国語の教科書に出ていました。

 少なくとも私の中学時代の国語の教科書には載っていませんでした。時代や地域、学校によって違ってくるのやら。そして「アンネの日記」を推薦図書にするのは教会学校だけではありません。人権関連NPOも強力に推しているようです。

 ユダヤ人迫害とは「神様を信じるから、こんなひどいことが出来る」に尽きますよね。ジェノサイドや異民族との婚姻禁止など、既に旧約聖書に見られ、ユダヤ人迫害を非難されたナチス高官は聖書を根拠にして反論したとか。
 そして「神様を信じるから、こんなひどいことが出来る」のはイスラエルも全く同じです。だからこそ「約束の地」に住むアラブ人を駆逐、虐殺して建国が出来た。あの国はアパルトヘイト国家でヘイトクライムはザラですが、「反ユダヤ主義」呼ばわりを恐れ何処も批判しない。
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