歴史に名を残す女は一般に悪女とされている。男の歴史家が著名な女を悪女に祭り上げる傾向は否めないが、中国史の場合、楊貴妃を除いて悪女ぞろいなのは、どういうわけだろうか?
劉邦の妻、呂后など残虐さでは例を見ない。夫の死後、いかに正室を蔑ろにし、自分の産んだ子を後継者に押していた事情があるにせよ、側室の戚夫人に対する復讐は凄まじいものだった。側室の手足を切り落とし、目をえぐり耳を焼き、声を潰す薬を飲ませた後、便所に放り込んで「人豚」と呼んだ。当時の中国では便所に豚を飼っていて、人間の排泄物を食べさせていたが、豚以下の扱いだ。この「人豚」は呂后以降も中国宮廷で行われる伝統をつくったのだ。
中国で唯一の女性皇帝・則天武后も呂后同様ライバルを総括したが、更に惨いことをやってのけた。権力の座に着くため、我が子を殺して罪を皇后に擦り付ける。我が子さえ殺害した時点でもはや鬼畜と化している。彼女は寵愛を争った皇后や妃を王宮に幽閉した後、ついに手足を切断し酒樽に放り込んで「人間酒」としてしまったそうだ。
20世紀初めまで君臨していた女独裁者・西太后もやはり中国宮廷伝統の殺害方を踏襲している。映画『西太后』をご覧になった方もおられるだろうが、やはり皇帝に寵愛されていた妃の手足を断ち水瓶にいれて満足げに鑑賞するシーンがあった。
中国は20世紀にも江青という悪女を生んでいる。ノンフィクション『ワイルド・スワン』に文革時、江青はある地方都市の餓死者が20万との報告を受けても、たった20万程度など革命には取るに足りない、と報告者を叱り飛ばしたエピソードが出ていた。
中国歴代の悪女に比べれば、西欧諸国の同類など顔色を失う。イスラム圏でも悪女とされてるのは実に他愛無い。13世紀のエジプトでアラブ・イスラム史上初めて女性スルタンになったシャジャル・アッドゥッル(真珠の樹の意)がいる。やはりイスラム世界で女がスルタンとなるのは不都合で80日で王位を降り、軍部の中から御しやすい男を選び、新スルタンとして即位させた。ここからマムルーク朝(1250-1517)が始まる。彼には妻がいたが、離婚を強制して自分が妻に収まる。
“真珠の樹”と謳われても寄る年波には勝てず、シャジャルの夫は若い女を第二夫人に迎えようとしたのを知り、激怒した彼女は夫を風呂場で殺害する。嫉妬 に狂った彼女は木のサンダルで何度も夫を叩いたそうだ。当然この蛮行は彼女の権力失墜となり、やがて捕縛された彼女は、夫の前妻らの木のサンダルで叩くリ ンチで死亡する。死亡後の彼女の遺体は裸のまま塔から投げ捨てられ、野犬の食い尽くすまま放置されたというが、中国女なら、こんなヘマをしなかったろう。
オスマン・トルコ史上最大の悪女とされるのは、ハセキ・フーレムという名より“ロッサーナ(ロシア生まれの意)”のあだ名で知られるスレイマン一世(在 位1520-66)の皇后。元はハレムの腰元で、美貌と機知でついに皇后に納まったロッサーナだが、彼女の産んだ暗愚な息子を跡継ぎにするため、競争相手 の皇子や廷臣たちを謀略で次々に追放、失脚、暗殺させる。大帝と言われたスレイマンでも、女を見る目は凡庸だったようだ。が、このような女は中国宮廷にザ ラにいた。
世界史的に見ると、中国の悪女が飛び抜けているのは何故だろう?やはり民族性が背景にあるとしか思えない。
劉邦の妻、呂后など残虐さでは例を見ない。夫の死後、いかに正室を蔑ろにし、自分の産んだ子を後継者に押していた事情があるにせよ、側室の戚夫人に対する復讐は凄まじいものだった。側室の手足を切り落とし、目をえぐり耳を焼き、声を潰す薬を飲ませた後、便所に放り込んで「人豚」と呼んだ。当時の中国では便所に豚を飼っていて、人間の排泄物を食べさせていたが、豚以下の扱いだ。この「人豚」は呂后以降も中国宮廷で行われる伝統をつくったのだ。
中国で唯一の女性皇帝・則天武后も呂后同様ライバルを総括したが、更に惨いことをやってのけた。権力の座に着くため、我が子を殺して罪を皇后に擦り付ける。我が子さえ殺害した時点でもはや鬼畜と化している。彼女は寵愛を争った皇后や妃を王宮に幽閉した後、ついに手足を切断し酒樽に放り込んで「人間酒」としてしまったそうだ。
20世紀初めまで君臨していた女独裁者・西太后もやはり中国宮廷伝統の殺害方を踏襲している。映画『西太后』をご覧になった方もおられるだろうが、やはり皇帝に寵愛されていた妃の手足を断ち水瓶にいれて満足げに鑑賞するシーンがあった。
中国は20世紀にも江青という悪女を生んでいる。ノンフィクション『ワイルド・スワン』に文革時、江青はある地方都市の餓死者が20万との報告を受けても、たった20万程度など革命には取るに足りない、と報告者を叱り飛ばしたエピソードが出ていた。
中国歴代の悪女に比べれば、西欧諸国の同類など顔色を失う。イスラム圏でも悪女とされてるのは実に他愛無い。13世紀のエジプトでアラブ・イスラム史上初めて女性スルタンになったシャジャル・アッドゥッル(真珠の樹の意)がいる。やはりイスラム世界で女がスルタンとなるのは不都合で80日で王位を降り、軍部の中から御しやすい男を選び、新スルタンとして即位させた。ここからマムルーク朝(1250-1517)が始まる。彼には妻がいたが、離婚を強制して自分が妻に収まる。
“真珠の樹”と謳われても寄る年波には勝てず、シャジャルの夫は若い女を第二夫人に迎えようとしたのを知り、激怒した彼女は夫を風呂場で殺害する。嫉妬 に狂った彼女は木のサンダルで何度も夫を叩いたそうだ。当然この蛮行は彼女の権力失墜となり、やがて捕縛された彼女は、夫の前妻らの木のサンダルで叩くリ ンチで死亡する。死亡後の彼女の遺体は裸のまま塔から投げ捨てられ、野犬の食い尽くすまま放置されたというが、中国女なら、こんなヘマをしなかったろう。
オスマン・トルコ史上最大の悪女とされるのは、ハセキ・フーレムという名より“ロッサーナ(ロシア生まれの意)”のあだ名で知られるスレイマン一世(在 位1520-66)の皇后。元はハレムの腰元で、美貌と機知でついに皇后に納まったロッサーナだが、彼女の産んだ暗愚な息子を跡継ぎにするため、競争相手 の皇子や廷臣たちを謀略で次々に追放、失脚、暗殺させる。大帝と言われたスレイマンでも、女を見る目は凡庸だったようだ。が、このような女は中国宮廷にザ ラにいた。
世界史的に見ると、中国の悪女が飛び抜けているのは何故だろう?やはり民族性が背景にあるとしか思えない。
>中国の悪女が飛び抜けているのは何故だろう?やはり民族性が背景にあるとしか思えない。
私も同意します。
儒教的な考えでは、2000年以上前の始皇帝の悪行を許せない程、許せないことや、死者の肉体を食べる、また、墓をあばいても、死者に鞭打つなど、日本人的な考えだと、常軌を逸しているように感じます。
(中国人は、自分の悪事は棚上げや論点をズラすのに、他人の悪事は許すことができないからこそ、日本には何時までも謝罪と賠償を求めるし、民主主義が根付かないものの要因の一つだと思います。)
しかし、最近、私は中国の古来からの悪事に関して、多少疑念が沸いてきています。旧日本軍のしたとされる悪行の多くが、中共のプロパガンダ、歴史の歪曲・捏造ですが、これは中共からはじまったのではなく、脈々と中国人の中に受け継いできた血や歴史そのもののように思われます。
ご存知のように、中国の歴史は、易姓革命の名の下で力で旧王朝を倒してきた血塗られた歴史ですが、新しい権力者は自己の正当性の為、旧王朝を徹底的に非難しなければなりません(倒した旧王朝の君主は、仁君でも平凡でもだめで、徹底的に悪行を繰り返した暗君であって、それを倒すことは正義である、という正当性が必要であると思います)。
また、中共に限らず、中国にはもともと、針小棒大、数字や事態を大げさにいったり、歴史を事実の積み重ねではなく、物語的に見る民族性があり、事実かそうでないかは問題にしないようなところがあるように思われます。
ですから、中国の古来からの悪事に関しては、悪事を行ったことは事実かもしれませんが、その内容が、どこまで真実であるかは、正直、分からないところもあるような気がします。
(まぁ、今となっては、事実の確認のしようがありませんが、、、。)
閑話休題
スポーツにはルールがあって、ルールに沿って行いますが、そのルールを司る審判は、常に、ルールに沿って行うと考えるのは、やはり、日本人的な考え方でしょうか?
サッカーにしても、野球にしても、ホームとアウェイの試合がありますが、ホームとアウェイでの審判の判定が大幅に変わるのはおかしいと考えるのも、やはり、日本人的な考え方でしょうか?(贔屓目や審判のミスが全くないとは思いませんが)
審判には、当然、クセはあるのでしょうけど、世界最大規模のスポーツでありながら、公然とホームとアウェイでの審判の贔屓が言われるスポーツに、釈然としないのは私だけでしょうか?
(一番、審判が公平に近いのは、やはりゲームでしょうね(笑)。でも、某人気の野球ゲームでは、某チームのストライクゾーンが1ドット広い、というのもありましたね。)
たまには、こんなのはダメでしょうか?
もし、mugiさんだったら、どちらが最悪だと思いますか?
A. 昔、付き合っていた彼女(同じ会社に勤務)が同僚と結婚して、退職する。
B. 昔、付き合っていた彼女(同じ会社に勤務)が部署を移動して、(同じ部屋で)毎日、顔合わせることになる。
私の場合は、○ですけどね。
基礎を築いた時代といっていいと思います。
息子達を死に追いやりながら尼将軍として鎌倉幕府の基礎を固めた北条政子と同じ
と思います。
肉親を殺したり政敵を残酷に殺したりした(男の)皇帝や独裁者は古今東西に枚挙
に暇がありませんから、彼女らがことさら悪女とされる理由は、女性のあるべき姿
(特に中国においては儒教的な女性のあるべき姿)から外れた存在であったことでは
ないでしょうか。すなわち彼女らは中国的悪女であり名君であったと思います。。
# 江青や西太后も毛沢東や老大国清の業を背負わせれた観がありますが、彼女ら
# は無能であり為政者としてそれは罪と思います。中国的悪女であり暗君であった
# のでしょう。
ところで、女性は姓(氏)しか残らないことが多い中国史で名も残したのは、美女
で良妻賢母の陰麗華(『妻を娶らば~』で有名な後漢の光武帝の皇后)がいますね。
ちなみに「則天武后」は矛盾した名前で、皇帝(=則天)としての「武則天」か
皇后としての「武后」のどちらかが正しいようです。
>女性のあるべき姿(特に中国においては儒教的な女性のあるべき姿)から外れた存在
おっしゃる通りだと思います。武韋の禍(ぶいのか)という言葉がありますが、儒教的な考えからすると、女性のくせに政治なんかして(だから、世の中が混乱したんだ)、という侮辱的な意味合いが込められていましたね。
彼女らが名君かどうかは分かりませんが、呂后の場合も、漢建国の功労者(国士無双の韓信ら)を誅殺することにより、劉氏の政治基盤が確固たるものになったのも、事実ですね。
(外戚であった呂氏を滅ぼす原因になったのも、事実ですが)
人間は大概己を投影したかたちで他人を見るものですが、戦前、中国人の蔣百里(1882─1938)は「日本の対外的政治運動というのは陰謀、煽動、賄賂、脅し以外の手を知らない」と言ったそうです。しかし、これは中国の伝統的対外政治運動そのものですね。自分がそうだと他人も同じと思い込んでいるのでしょう。
「針小棒大、数字や事態を大げさにいったり、歴史を事実の積み重ねではなく、物語的に見る民族性があり、事実かそうでないかは問題にしないようなところがあるように思われ」る傾向はインドも同じですが、中国と違い歴史学が発達しなかったは面白いです。輪廻転生思想もあるのか、あまり史実の記録も熱心でありませんでした。
ルールに沿って行う傾向があるのは、やはり、日本人的ですよね。
あくまで公平に、と考える民族の方が少ないかもしれません。同じ民族ならともかく、まして外国の異民族となると、ズルを決め込むのが多いのが国際試合。日本人は外国のズルさを見習う必要もあると思います。
閑話休題の質問についてですが、どちらにせよ、困りますね(笑)。たとえ別れ話を切り出したのが自分でも、Bの方が最悪です。
「悪女」を辞書で調べると①器量のよくない女②心がけのよくない女、とあります。
私の取り上げた悪女たちは全て②に当てはまります。内政の基礎を固めた点では名君でしょうが、やはり多数の人間を粛清したのではお世辞にも善女とは言えません。政を行うには冷酷非常な手段も必要なので、到底「悪女」でなければ務まりませんが、“人豚”は例を見ませんね。さらに実質は弟・北条義時の操り人形だった北条政子と異なり、呂后、則天武后は決断したのが自分だったのは格が違う。
私はイスラム圏の悪女も取り上げましたが、彼女らも女だてらにスルタンになったり、国政に口ばしをはさんだから悪女と断定されたのです。もし、ロッサーナの擁立した息子が名君だったら国婦と謳われたでしょう。
いずれにせよ、「悪女」という言い方は男優位社会というか、男の身勝手さがあるのは確かです。
あと、ちゃんと皇帝になったのだから「武則天」の呼び名が正しいのですが、一般に「則天武后」で知られているので、あえてこの表記にしました。
>人間は大概己を投影したかたちで他人を見る
まさしくその通りだと思うと共に、ドキッとさせられました。ある程度、私的な人間観では、清廉潔白、聖人君主ばかりでないし、ある程度、いい加減で、無責任なものだと思います。あ、でも、それって、自分のことでしたね(汗)。
蔣百里の言葉には、「友好」や「援助」という言葉はないですね(だから、いくら「援助」しても「感謝」しないし、右手で握手をしながら、左手で殴るような、イビツな「友好」を繰り返すのですね)。
あと気になりましたのが、「謝罪」と「賠償」という言葉はないですが、「脅し・タカリ」の類と思えば、納得がいきます。
閑話休題の質問についてですが、やはりmugiさんもBでしたか。(元彼女が)退社してくれた方が、キッパリ手を切れるので、まだ、マシといえますね。
変なことを聞いてすみません。
※蔣百里の蔣の字が、文字化けしているようです。
いい加減で無責任なのは私も同じです(汗)。ただ、傍目八目の言葉どおり、意外に部外者の方が冷静に見られる傾向がありますが。
外交とは右手で握手し、片手で拳を握り締める、と誰かが言ってましたが、まさにその通りです。
中華思想の中国人は「謝罪」ということはまず出来ないでしょう。卑しくも中華の民が小日本に頭を下げては面子に関る。中国に限らず世界の大半は簡単に謝罪しません。謝罪に応じれば、どこまでも賠償を要求されるので。