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男女平等という考えは、道徳上もっとも有害 その二

2015-05-17 21:10:44 | マスコミ、ネット

その一の続き
男女平等という観念は、明確に不道徳を奨励する」(6-14 19:27)、「私は、男女平等は、「」だと思っています。私は認めません」(6-14 19:48)等、“キリスト教徒”は繰り返し男女平等を否定している。この者ははじめ婚前交渉を“極端”と否定しており、米英の家庭崩壊や犯罪の増加の実例を挙げていた。
 だが、書込みの後半ては「男女平等という考えが、道徳上、もっとも有害だと私は思っています」と明言しており、これこそが本音なのだ。婚前交渉容認と男女平等思想は必ずしもイコールではないが、この男には、同一の思想にしか思えないようだ。

“キリスト教徒”が挙げた米英の離婚率の高さ、犯罪率の増加は虚偽ではないが、合理性の欠片もないこじ付けの典型に過ぎない。婚前交渉の容認や男女平等思想の結果が、この体たらくとなったと断定した“キリスト教徒”だが、インド圏やイスラム諸国のように婚前交渉を否定する国家も不倫や離婚は珍しくない。むしろ、元から離婚を認めていたイスラム社会では、離婚に対してはキリスト教世界ほどネガティブな感情はなく、トルコに至っては日本よりも離婚率が高いという。
 トルコは世俗国家ということもあるが、未だにアラブ諸国では男児の産まない妻は離婚されて当たり前である。そして未だにまかり通る「名誉殺人」。最近は虐待のひとつに「アシッド・アタック」(酸攻撃)が加わり、年端のいかない女児に対してもそれが行われている始末。これが“キリスト教徒”が憧憬する男女不平等社会の実態なのだ。

 小賢しげに実子以外のものを子にするので、セクハラ問題が多々起きている、と書いた“キリスト教徒”。だが継子に対する虐待、殊に血の繋がらない養女への性的虐待は、宗教や民族の違いを問わず何時の時代も起きていた人類史の暗部でもあるのだ。実子や兄弟姉妹に対する性的虐待もあったはず。ダビデ王の王子アムノンは異母妹タマルを暴行しており、旧約聖書時代から家族間で性的虐待があったということ。旧約聖書には近親相姦や不倫話も満載だから、宗教文学として面白いのだ。

 キリスト教聖職者によるセクハラも珍しくない。未だ妻帯を認めないカトリック聖職者が少年に性的暴行をする事件を報じる様になったのも、つい最近なのだ。神父に実は隠し子がいたことも、以前なら隠ぺいされていた。妻子を持つことが許されているプロテスタント聖職者さえ、少年少女や実子にまで手を出す不心得者がいる有様。上の好むところ、下必ずこれに倣うため、キリスト教徒の間でモラルが低下したのは当然か。

 もちろん聖書では男女平等を明確に否定しており、聖書から一部引用したい。
婦人たちは教会では黙っていなければならない。彼らは語ることが許されていない。だから、律法も命じているように、服従すべきである。もし何か学びたいことがあれば、家で自分の夫に尋ねるがよい。教会で語るのは、婦人にとっては恥ずべきことである」(コリント人への第一の手紙14:34~35)
女は静かにしていて、万事につけ従順に教を学ぶがよい。女が教えたり、男の上に立ったりすることを、わたしは許さない。むしろ、静かにしているべきである…しかし、女が慎み深く、信仰と愛と清さとを持ち続けるなら、子を産むことによって救われるであろう」(テモテヘの第一の手紙2:11~12、15)

 これらはイエスの言葉ではなくパウロのものだが、このような考え方はキリスト教に限らず、近代まではどの文化圏でも当たり前のことだった。男女平等やら婚前交渉容認の風潮は、共産主義やその流れをくむウーマンリブの影響があるはず。ウーマンリブの“陰謀”については少なからぬブロガーが取り上げており、ズバリ「ウーマンリブの陰謀」という記事を書いた主婦ブロガーもいる。
「ウーマンリブの陰謀」はよくあるユダヤ陰謀論だが、女の社会進出で課税が出来るようになったのは政府にも好都合だった。尤も日本のキリスト教徒のおかしな点は、女権主義者やフェミニストにクリスチャンが多いこと。昨年死去した社民党元党首・土井たか子が、実はクリスチャンだったことを最近まで私は知らなかった。

「土井たか子 クリスチャン」で検索したら、でるわでるわ。そのひとつ「土井たか子がクリスチャンであることを隠そうとした?動機」というブログ記事は興味深い。土井の出自はともかく、海外の新聞社が彼女のことをクリスチャンだと紹介しているのに、日本の新聞社はまったくこの重要な事実を報道していないのは実に奇妙だ。
その三に続く

◆関連記事:「ある神父の私生活

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