通常、人間は不確実な結果を嫌います。
確実に1万円もらうか、2分の1の確率で2万2千円もらうか選べ、と言われたら、半分以上の人は前者を選ぶといいます。
投資をする人間なら、額が少ないためにリスクが低く、10%も期待値が高いのでほぼ後者を選ぶと思いますが、確実に1万円もらうか、2分の1の確率で2万円もらうか選べと言われたら、やはり前者を選ぶ人は多いでしょう。
確実に1万円もらうか、2分の1の確率で1万8千円もらうか、と言われて後者を選ぶのは、相当なギャンブルジャンキーと見られても仕方ないでしょう。
しかし、株式投資の世界にはこのギャンブルジャンキー向けの取引方法である、信用取引があり、かなりの人が取引を行っています。
信用取引は要するに証券会社から金を借りて株を自己資金以上に買う、レバレッジをかけた取引ですが、この際コストがかかるため、たとえば自己資金の倍の株を買えば、リスクは倍になりますが、リターンは倍以下になります。
これは、通常の株取引よりも、同じ量のリスクに対してリターンが少なくなるわけで、明らかにリスク回避的でも、リスクに中立でもなく、リスク選好の判断です。
これは常識的には擁護するのが難しいのではないでしょうか。
信用取引に手を出そうとする人は目先の利益にとらわれ、リスクから目をそらしていないか、たんなるギャンブルの快感に囚われていないか、自分に問いかけてみる必要があるでしょう。