盤上の悪魔

囲碁、哲学(人間原理、相対主義、プラグマティズムとか)、ラノベなんかを中心にしてます。

囲碁NHK杯、結城九段VS村川八段

2017年01月29日 21時41分32秒 | 囲碁
今日のNHK杯囲碁は結城九段VS村川八段

結城九段は数えてみるとNHK杯優勝5回、準優勝1回、まさにNHK杯の絶対王者といえる。

今日の対局も挟み付けから、白村川八段の大石を完全に封鎖して、中央を完全に制覇し、勝勢になったかに見えた。

しかし、その後は黒有利に見える戦いなのに、白地ばかりできて黒地はあまりできず、逆転ムードに。


昔の結城九段なら石を投げるように置く投げやりモードになりそうなところだが、最近の結城九段は一味ちがう。

スキをついて上辺の白石を撲殺し、中押し勝ち。


次の準々決勝はNHK杯優勝4回にして、昨年の覇者の張栩九段との対局。

ある意味、決勝戦よりも注目かもしれない。

飲食店での喫煙を何故禁止にしなくてはならないのか

2017年01月26日 21時09分26秒 | Weblog
オリンピック絡みで、飲食店の全面禁煙が実現するようだ。

しかし、そもそも飲食の場で喫煙するのは異常な行為ではないだろうか。


常識のある人間ならば、法律で規制されていようとされていまいと、飲食の場で悪臭を放つような行為はしないだろう。

たばこだけが例外である理由は特にない。


また、たばこは現代の生活の中では最大のリスク源であり、受動喫煙だけで一説に年間15000人が死亡しているという。

これは殺人やテロなどとは桁が違う死者数である。


わざわざ禁止にするまでもなく、他人に害があり、悪臭を放つ煙は吸わせないように配慮するのは当然の事だろう。

その常識が通じないのが喫煙者というものなのかもしれないが。

リアル限定ジャンケン

2017年01月21日 23時31分40秒 | Weblog
男性だけ年収シールを貼る婚活パーティ「闇が深すぎる」と話題


何故か、限定ジャンケンを思い出してしまった。


ここはお前らが後人生を賭け 死力を尽くしている、言うなら戦場だ

皆、何とか相手の寝首をかこうと、後ろに回り込もうと策をめぐらせている

それが真剣勝負というものだ。

・・・

おまえは今、ただ後ろから刺された

それだけだ・・・!


FXって投資じゃないよね

2017年01月20日 21時49分08秒 | 投資
身近で投資が話題になると「FXやっているの?」と言われ、目が点になることがある。

しかも一度ではなく、何度もである。


確かに投資と検索するとFXも出てくるが、そもそもFXは通常の意味での投資対象とは思えない。

単純に通貨を安く売って高く買うマネーゲームは、コストがかかる分マイナスサムのゲームだろう。

金利差による利益を目指すのなら単に債券を買った方がリスクに対するリターンは高いと思われる。


通常の投資でのFXの利用は、他の投資対象に対する為替リスクを抑えるためなどの、高度でややこしい方法に限られるのではないか。

高いレバレッジも比較的少ない資金で保険を掛けるためにあると思われる。


投資というと、パッシブ投資やインデックスファンド、ETFなどの教科書的投資法ではなく、FXが出てきてしまうところに、日本で投資が浸透しない原因があるのではないか、と思ってしまう。

クローズアップ現代「“幸福”を探して 人類250万年の旅 ~リーダーたちも注目!世界的ベストセラー~」を今更見る。

2017年01月18日 23時40分51秒 | 人類
録画していた1/4のクローズアップ現代を今更みる。

話題の書「サピエンス全史」の紹介。


面白かったのが、国、会社、金などをバーチャルなものとして捉えるという点だ。

この発想自体は「現実と仮想の区別がつかなくなる」論争の時にもよく見かけたものだが、この本では、バーチャルなものを生み出し、共有する能力がホモサピエンスが文明を生み出した原動力だと、ポジティブなものとして捉えているらしい。

ネアンデルタール人とホモサピエンスの差がそこにあった、みたいな下りは実証しようもないので言いすぎな気はするが、刺激的ではある。


また、欲望を抱く対象を自由に選択できるようになったらどうなるか、という問題も扱っているらしい。


我々の感情、欲求、意味や重要性の感覚、正しさへの直観などは、自然淘汰によって、今のような形に調節されているが、システムとしては本来ニュートラルで、何を求めたり、どういった状況で愛をかんじたり、何に意味を感じるかは原理的にはどのようにでも操作できると考えられる。

現時点でも薬物によって、大雑把で強引で、副作用の大きい形であるが、ある程度のコントロールは可能ではある。

仮に技術の進歩によってかなり精密にコントロールできるようになった場合、どうすればいいか?


例えば異性と付き合うときの喜びを勉強する際に感じるようにできたとして、そうするのはどのような根拠においてなのか?

勉強して努力して成功する、それに価値を見出す感覚自体操作可能だとしたらどうなるのか?

成功、繁栄、平和、あるいは闘争、これらに価値を感じる感覚自体を操作できるとしたら、その操作自体をどのような価値に基づいて行えばいいのか?

どのような価値観に基づいて操作を行うにしても、その価値観自体を操作できるとしたら?


私も高校時代にこの手の問題に気付いて考えてみたが、もっともらしい答えは出せなかったので、この本ではどう扱っているのか興味がある。

というわけでとりあえずキンドルで買ってみた。

こういう時はキンドルは便利だ。

だいぶ分量が多いので読むのにどれだけかかるかわからないが、読んでみる。

小売店からレジが消える?

2017年01月17日 17時24分39秒 | ニュース
Yahoo!ニュース 無人コンビニ「Amazon go」は日本の流通業界を席巻するか

アマゾンがなかなか強烈な小売店を作りだそうとしているらしい。

カメラの映像からAIが購入商品を判断し、クレジットカードで決済する。

客は欲しいものを取って鞄に入れてそのまま帰ればいいらしい。

セルフレジどころかレジ自体が消えてなくなる日が近づいているようだ。


商品を取ってそのまま帰るというのは最初は心理的抵抗があるだろうが、慣れればレジを通すのが面倒になるのは目に見えている。

むしろ、手軽なために余計にものを買いすぎないかという心配がある(店側から見れば余計に買ってくれるのは望ましいことだが)


実名と購買行動が完全に紐づけされて丸裸になるので、プライバシーの面からは少し抵抗があるが、これもネットで買い物をすれば同じことではある。

また、この手の画像処理技術が実用化されコストが下がってくれば、レジのある店でもデータ収集のため導入するかもしれず、レジなし店固有の問題ではなくなるだろう。


アマゾンはロボットによる棚入れのコンテストみたいなのもやっているようだし、本当に小売店から雇用が消える時代がやってきそうだ。

NHK杯 一力七段VS高尾名人

2017年01月15日 21時40分19秒 | 囲碁
今日のNHK杯は一力七段VS高尾名人の対局。

序盤は高尾名人らしく、地味目の立ち上がり、中盤に黒の一力七段が中央のとんでもない所に切りを決めて、白大石を真っ二つにし、黒潰れたか、と思われた。

しかし、これも高尾名人らしく、あとの方からじわじわ力を出してきて、だいぶ差が縮まってくる。

結果としては黒の2目半勝ちだったが、解説の柳九段が、意図的なのかどうなのか、どちらが勝ちかぼかしていたので、最後までハラハラさせられ楽しめた。


僅差の時は、解説は結果がわかっても言わないほうが良いような気がする。

劇的に低下する太陽光発電のコスト

2017年01月12日 20時53分33秒 | ニュース
businessnewsline 太陽光発電のコストは原子力発電よりも大幅に安い、一体なぜこうなったのか?

これまで、再生可能エネルギーの中でもコストが高いというイメージがあった太陽光発電だが、そのイメージは過去のものになりつつあるようだ。

太陽光発電の適地であるメキシコでは、すでに安めに見積もった原子力のコストの半分というから驚きだ。

僅か4、5年の内に劇的なまでのコスト低下を見せており、フランス(日本よりも高緯度)の電力会社は、2025年までに1kwあたり1セントで供給できる、と吹いているらしい。


発電量をコントロールできない、という点では原子力と太陽光は同じであり、火力発電など他の方法で調節する必要がある。

そのため、原子力と火力、あるいは太陽光と火力という組み合わせは可能だが、原子力と太陽光という組み合わせは困難だ。


その意味で直接競合する原子力と太陽光だが、コスト面では太陽光有利が明確になりつつあるようだ。

人工知能によって英語のいらない世界がやってくる?

2017年01月10日 22時09分35秒 | Weblog
最近、Googleの自動翻訳を使ったところ、その能力の向上っぷりに驚いてしまった。

話には聞いていたが実際にやってみると衝撃的だ。


Lettuce is “over three times worse in greenhouse gas emissions than eating bacon”, according to researchers from the Carnegie Mellon University who analysed the impact per calorie of different foods in terms of energy cost, water use and emissions.


例えば、この文を翻訳させると、

レタスは、温室効果ガスの排出量がベーコンを食べるより3倍以上悪化していると、カーネギーメロン大学の研究者はエネルギーコスト、水使用量、排出量などの異なる食品のカロリーあたりの影響を分析した


この文になる。


普通に日本語として読めるし、意味もとれる。

不自然な所もほとんどない。


囲碁で言えば、プロには勝てないものの、ほとんどのアマが一生かけて到達できる強さを超えている、というところだろうか。

今はケチをつけるところがないわけではないだろうが、囲碁がそうだったように、10年後にはプロレベルになっていたとしても不思議はなさそうだ。


以前は難題とみられていた音声認識も今や実用に耐えるレベルになっており、本当に英語のいらない世界が到来しつつあるのかもしれない。


そうなると、気になるのが英語学習の行方である。

今や、もっとも実用的で、グローバルに活躍するためにはなくてはならない、と見なされている英語だが、少なくとも実務上の必要性がかなり低下するのは避けられないだろう。


我々は子供に、スマホを使えば、簡単にできるようなことを、なぜ10年以上かけて苦労して覚えなくてはいけないのか、と問われたときにどう答えるべきだろうか。


「学校では勉強することが要求され、勉強ができる人間が評価される。
自分が今いる場所で求められていることを、やりたくないから、必要性がよくわからないからといってやらない人間は、社会に出てからも使い物にならない。
必ずしも理由が明確でなくても、求められたことをやり抜く能力を磨き、その能力を証明するために勉強するのだ。」

みたいなプラグマティックな説明はできるだろうが、とても前向きになれるような答えとは言えないだろう。


ジャレド・ダイアモンドの「昨日までの世界」に、言語学習に多少は前向きになれる理由が載っている。

それによると、2つの言語を習得しているグループは、1つの言語しかしゃべれないグループよりも、複雑な状況でややこしい要求をクリアする、実行機能がすぐれているという。

また、アルツハイマー病を発症する年齢が4、5年遅れるという研究もあるという。


要するに言語学習は、知能を鍛え、認知症を予防する効果がある、というわけだ。(なんとなく囲碁の宣伝文句を思い出してしまうが)

どんな分野を勉強したところで、人工知能に追い越される恐れがある以上、割り切って実用性とは無関係に語学を重視し続けるというのも一つの方法かもしれない。

NHK杯 山下九段VS羽根九段

2017年01月08日 22時02分54秒 | 囲碁
今日のNHK杯は山下九段と羽根九段、四天王同士の対局。

司会の方が、数々のタイトル戦で戦ってきた2人と言っていたが、数えてみると7大タイトルでは7回対戦している。

羽根九段の7大タイトル戦登場回数が数え間違いでなければ16回なので、半分近く山下九段が相手だったことになる。

これで対戦成績が20勝40敗とダブルスコアだそうなので、羽根九段にとってはかなりの天敵といえそう。


となると、ついつい羽根九段を応援したくなるが、今日の対局も開始早々白羽根九段の上辺の石に黒山下九段が容赦なく襲い掛かり、コウ残りだが取ってしまう。

さらに右辺の石にも襲い掛かりこちらは完全に撲殺してしまう一方的な展開。

白の最後の勝負手も綺麗に処理してゲームセット。

しかし、山下九段、強いときは小憎らしくなるくらい強い。

人工知能によるホモサピエンスの絶滅は、人間のマイナーチェンジにすぎない

2017年01月07日 23時47分17秒 | 人類
生物の変化、すなわち進化の主要因は自然淘汰だが、人間の変化、すなわち進歩の主要因は知識と技術の遺伝情報を通さない蓄積だ。

もちろん人間の世界でも自然淘汰が働いていないわけではないが、知識と技術の蓄積に基づく進歩に比べれば極端に遅く、弱く、影響は小さい。


通常、人間は、サルから人間になったと考えられがちだが、実際には自然淘汰の支配する生物の世界から、進歩の支配する人間(というより文明)の世界に移ったと考えるべきだろう。

サルは人間でないものというよりは生命から人間化(文明化)に至るステップの一つと考えるべきだろう。


自然淘汰の世界から、知識と技術の蓄積に基づく進歩の世界への移行という大きな変化は、物質から生命への変化に匹敵する変化であり、新しい種の誕生のような些細なものではない。


この観点から言えば、人工知能が文明の中心になり、ホモサピエンスが消えるか、人工知能に同化したとしても、人間化(文明化)のような大きな変化とは言えない。

相変わらず文明は知識と技術の蓄積に基づく進歩の力によって変化していくことになるだろう。


せいぜい、原核生物から真核生物が生まれた、程度の変化であり、文明の継続性は保たれるといえる


まあ、だからといって消えていくホモサピエンスにとってはたいして慰めにはならないかもしれないが。

囲碁の神どころか、人工知能に9子置かされる時代が来るのだろうか

2017年01月05日 23時55分18秒 | 囲碁
以前、囲碁の神と人が打ったらで、最善手を打ち続けるプレーヤー(囲碁の神)と人間が打ったらどれくらい差がつくかを見積もってみたが、世界トップクラスがまだ絶対的な強さではそれほどでもないと思われるコンピュータに2子も3子も置かされそうな状況から見て修正が必要な気がしてきた。

想定では、人間が250手は最善手、50手は最善手よりも2目悪い手を打って100目負けというものだったが、いくらなんでも人間の能力を高く見積もりすぎた。

人間がそんなに最善手を打ち続けるのは無理。

最善手より2目までしか悪い手を打たないのも無理。

もっとひどい手を打つに決まっている。


むしろカギになるのは、損を覚悟でいかに最善手がわかりやすい局面に持ち込むか、あるいは最善手と他の手の差が小さい局面に持ち込むかだろう。

しかし、囲碁の神以前に、このままだと人工知能に5子、6子と置かされそうなのが恐ろしい。

NHK新春お好み囲碁対局

2017年01月03日 22時22分50秒 | 囲碁
NHKの新春お好み囲碁対決、久しぶりにTVで武宮九段の碁を見る。

やはり悠々と石が伸びてくる感じは魅力的だ。

もう一度くらいNHK杯で見たいところ。

レーティングは現在75位だから、ちょっと確変が起きてくれれば充分圏内だろう。

入段してから異常な勝率でもうNHK杯に出てきた虎丸三段は、あちこち取ったり取られたりする目まぐるしい戦いの末負け。

しかし、この方はレーティングだともう16位になっている。

棋士の評価にはどうしても年齢がついて回るが、17歳でその水準とは末恐ろしい。

ホモサピエンスは人工知能に滅ぼされるか

2017年01月02日 19時13分36秒 | 人類
仮に人工知能の能力が全面的に人間を上回った場合、人間はどうなるのだろうか。

ロボットや人口知能の反乱は数多くのSFの題材になってきたが、人間が残ろうと残るまいと、結果としては大した差はないのではないか。


人間の未来は大雑把に考えれば3つのケースに分かれると思われる。



1.人間がどこかの段階で人類文明から排除され、いなくなる。

2.人間がサイボーグ化していき、最終的に生物としての人間がいなくなる。

3.人口知能が行動する目的として人間が存続する。



1と2が最終的にはほぼ同じ結果になるのは明らかだろうが、3はどうだろうか。


一般に、意味や目的、価値は自然淘汰の結果生じるものだ。


人間は直接自然淘汰を受けてきたため、これらを持っているが、人口知能は、自然淘汰により直接、価値観、目的、意味を持つようになるのではなく、人間の目的に沿ってこれらを植えつけられることになる。

従って、人工知能が将来に渡って人間に奉仕し続けるというのはそれほど不自然な事ではない。

しかし、人工知能の能力が人間を大幅に越えれば、創造的なあらゆる分野のみならず、意思決定のほとんども人工知能が行うことが予想される。


現代の文明はかなり複雑だが、人間の理解を絶するというところまでは行っていない。

人間の知能で理解不能なところまで文明が複雑、高度化すれば、人間には運営できなくなるからだが、人工知能の能力が高まればこの制限はなくなる。

人工知能が運営する文明は最終的には人間の知能では大雑把に把握することも難しい複雑で高度なものになるだろう。


文明がそこまで高度化した場合、表面的には人間が命令を出しているように見えても、その命令がどのように実行され、結果に結びつくのかの過程を人間が理解することは不可能になり、過程のすべては人工知能が処理することになる。

この場合人間はほとんど何も理解できずに要求を出し、世話をやかれるだけの、赤ん坊やペットと同程度の存在といえる。


重要な事柄はすべて人工知能が行い、人間は文明のなかで世話をやかれるだけの、重要性の薄い存在として残り続けることになる。

この未来の文明はほぼ人工知能による文明と言っていいだろう。


要するに、これら3つのケースの間には、盲腸のように、もはや重要性を持たない過去の遺物として人間が残っているかどうかの差があるだけであり、概ね同じ結果になるといえる。