盤上の悪魔

囲碁、哲学(人間原理、相対主義、プラグマティズムとか)、ラノベなんかを中心にしてます。

クローズアップ現代「“幸福”を探して 人類250万年の旅 ~リーダーたちも注目!世界的ベストセラー~」を今更見る。

2017年01月18日 23時40分51秒 | 人類
録画していた1/4のクローズアップ現代を今更みる。

話題の書「サピエンス全史」の紹介。


面白かったのが、国、会社、金などをバーチャルなものとして捉えるという点だ。

この発想自体は「現実と仮想の区別がつかなくなる」論争の時にもよく見かけたものだが、この本では、バーチャルなものを生み出し、共有する能力がホモサピエンスが文明を生み出した原動力だと、ポジティブなものとして捉えているらしい。

ネアンデルタール人とホモサピエンスの差がそこにあった、みたいな下りは実証しようもないので言いすぎな気はするが、刺激的ではある。


また、欲望を抱く対象を自由に選択できるようになったらどうなるか、という問題も扱っているらしい。


我々の感情、欲求、意味や重要性の感覚、正しさへの直観などは、自然淘汰によって、今のような形に調節されているが、システムとしては本来ニュートラルで、何を求めたり、どういった状況で愛をかんじたり、何に意味を感じるかは原理的にはどのようにでも操作できると考えられる。

現時点でも薬物によって、大雑把で強引で、副作用の大きい形であるが、ある程度のコントロールは可能ではある。

仮に技術の進歩によってかなり精密にコントロールできるようになった場合、どうすればいいか?


例えば異性と付き合うときの喜びを勉強する際に感じるようにできたとして、そうするのはどのような根拠においてなのか?

勉強して努力して成功する、それに価値を見出す感覚自体操作可能だとしたらどうなるのか?

成功、繁栄、平和、あるいは闘争、これらに価値を感じる感覚自体を操作できるとしたら、その操作自体をどのような価値に基づいて行えばいいのか?

どのような価値観に基づいて操作を行うにしても、その価値観自体を操作できるとしたら?


私も高校時代にこの手の問題に気付いて考えてみたが、もっともらしい答えは出せなかったので、この本ではどう扱っているのか興味がある。

というわけでとりあえずキンドルで買ってみた。

こういう時はキンドルは便利だ。

だいぶ分量が多いので読むのにどれだけかかるかわからないが、読んでみる。


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