盤上の悪魔

囲碁、哲学(人間原理、相対主義、プラグマティズムとか)、ラノベなんかを中心にしてます。

パラドックス大全とニューカムの逆説

2006年08月22日 23時54分45秒 | 哲学ネタ
パラドックス大全、結構以前に買った本ですが、この間仙台に行くときの車中でようやく読み終わりました。

ありとあらゆるパラドックスを集めた本で、読んでいるとまさに知の迷宮に迷い込んだような気分になって頭がぐらぐらしてきます(ついでに本物の迷宮にかかわる話も出てきます)。

この本に出てきたパラドックスの中から一つ、ニューカムの逆説を紹介してみます。


あなたの前に小さいつづらと大きいつづらがある。
小さいつづらには百万円が、大きいつづらにはミッピーの絵皿一万円分が入っている。
あなたはどちらか片方を取ってもいいし、両方取っても構わない。

ただし、こういう注意を受ける。
一週間前、90%の確率であたる未来予測を行うコンピュータが、あなたがどう行動するか予測を行った。
その未来予測で、あなたがつづらを両方取るという結果が出たときにはその強欲を戒めるため、小さいつづらからはすでに百万円が抜かれている。

あなたは、両方のつづらを取るべきか、一方のつづらだけ取っておくべきか?


つづらを取るときには、もうすでに小さいつづらに百万円が入っているかどうかは決まっているわけですから、合理的に考えるならば片方のつづらだけを取るよりは、両方のつづらを取る方が、大きい利益をあげられるということになります。

しかし、コンピュータの未来予測は90%の確率で当たるので、小さいつづらだけを取った人は平均すると九十万円の利益をあげられるのに、両方のつづらを取った人は、ミッピーの絵皿一万円分と、平均して十万円の利益を得られるだけにすぎません。

ミッピーの絵皿さえあれば他には何もいらないという人以外は困ってしまうというわけです。

続き

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