日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

笑える中国製スーパーコンピュータの実態

2009-11-14 | 中国経済関連
 中国のメディアには、中国の防衛技術大学がスーパーコンピュータを開発した。名前は天河1号といい、1秒間に1クアドリアン(10の15乗)計算できる。これは中国がアメリカに次ぐ世界第二位のスパコンを開発できた事を示す。と誇らしげに昨日報道されておりました。
People's Daily Online16:37, October 29, 2009 Email | Print | Subscribe | Comments | Forum Increases the bookmark twitter facebook digg Google Windowslive Delicious buzz friendfeed Linkedin diigo reddit stumbleupon "Milky Way One" petaflop supercomputer systems.

 まぁ、日本でも1970-80年代にアメリカと競ってスパコン作っていたので(第五世代とかいう言葉があった事を記憶しています)、中国がその後を追うのは当然なんですが、今日の香港の報道では、お笑いが。。。

 「世界で最も非効率なスーパーコンピュータに税金がつぎ込まれた」という題で。

 中国大陸の軍事研究者達が1年以上掛けて、税金を使って世界で最も効率の悪いスーパーコンピュータを開発した。軍事用との為にコストなどの詳細な情報は無いけれど、昨日の報告会では

 天河1号は6千のインテルのプロセッサーと5千のATIのグラフィックアクセレレータを使用し、100m2ほどの大きさ、重量155トンになる。理論的には全てのチップがフル稼働し、1,206.2テラフロップで計算する。これは、世界で第三位の計算速度になる。

 しかし。。実際に稼動させると、563.1テラフロップでしか計算できず、様は半分の能力は生かせていないことが解った。効率レベルは46.7%に過ぎず、中国国内で最も非効率なスーパーコンピュータであり、当然世界の上位500のスパコン機関の中でも最悪である。

 世界最速のIBMのロードランナーの計算速度は1,105テラフラップで効率性は75.8%。ドイツのジュゲンは天河より50%早く、効率性は82.3%だ。新華社やCCTVは、このスパコンの実性能には触れずドイツを抜き、アメリカに迫っているという報道をした。

 結局の所、CPUを山ほど入れて最大の物を作っても、チップ間の同期を取る事ができなかったという事で、それには技術もアイデアもいるのに、今の中国にはそれが無い。アメリカやドイツの科学者とは遥かにかけ離れており、天河の性能がそれを示すことになった、との中国の科学者のコメントがあります。

 政府は大量の資金や人的資源をつぎ込んでスパコンの開発を行っていますが、ローエンド製品は中国製でも、ハイエンドは全て外国性が使われています。だから、中国製で高性能のものを使っても需要は無く、中国製スパコンは供給過剰になっているのが現状です。上海のスーパーコンピュータセンターにダウニン5000Aという中国で2番目に高性能なスパコンが設置されていますが、国産飛行機の風洞実験に使われるくらいだそうです。

 このダウニン5000Aも7000ものCPUで構成されているのですが、彼らの使うソフトウェアではその内500までしか活用できないとの事。それでもとりあえず十分に使えているそうではあります。 http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=56536a86a70a4210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=China&s=News

 まぁ、是が中国の技術力の実態という事でしょう。

 記事中に紹介されているアメリカのロードランナーは原爆作ったロスアラモス研究所で使われているという事で、核兵器開発用なんでしょうね。軍事ニーズが無いと、そこまでハイスペックなものは要求されないのでしょう。

 日本も最先端を走っているわけではないですし、お国の税金がここまで使われる事は残念ながらないようですが、中国政府が必死に研究開発投資を進めているのに、未だに全く駄目なのと比べると良い対象ですね。

 技術開発に対する国家の姿勢は、中国の方が日本政府より遥かに良いのでは?

 一方、お上が笛拭けど踊らない人(研究者)たち。是は日本の方が現段階では数段上回っていそうですね。
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