日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

カ-ライルの人民元ファンド

2010-03-14 | M&A
 PE投資で有名なカ―ライルが复星と組んで中国で始めての人民元ファンドを組成したそうです。外資系大手のPEが中国企業と組んで人民元でファンドを組成するのは初めてのようですね。多分、今後同じような動きが増加するだろうと思われているそうです。

 ファンドサイズは当初100億円程度と、カ―ライルの総資産9兆円から見るとちいさなものですが、中国国内投資を容易にし上海市場やシンセンにIPOさせる事を狙っています。

 従来はカ―ライルも米ドルベ-スで中国投資を行っており、株式公開もアメリカや香港などの海外市場を狙ったものでした。しかし、中国の新規公開株のバリュエ-ションがアメリカや香港の倍近いため、中国国内市場でのIPOを狙うのが主目的のようです。

 現状カ-ライルの投資利回りはたいしたことが無く、2年間で5倍程度までのリタ-ンしか得ていないそうですが、中国国内上場の場合は10倍程度の期待が出来ると見ており、今後も人民元を調達していく予定です。

 カ-ライルに続きブラックスト―ンも人民元ファンドの組成を準備しており、TPGやKKRにもそういう動きがあるそうです。

 海外市場に株式公開させるのは、リタ-ンを自由な通貨である米ドルや香港ドルで獲得する事にあり、人民元に投資してもそのリタ-ンをどう国外に持ち出すかに関しては、今のところ様々な規制があるので自由とはいえないのですけど、多分、中国の外為が自由化される日が来るまで国内再投資で稼いで行こうということなんですかね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

KKRの中国投資近況

2009-08-06 | M&A
アメリカの代表的なPE、コールバーグクラビスロバート(以下KKR)は2年前に中国に進出し、112億円の投資を中国では上位10位以内にランクされるTianruiセメントに対して行い見返りに43.2%の株式を取得した。世銀の協調融資に関連しJPモルガンと複数の中国企業が動じに335億円の長期貸付をTianruiに供与した。

 しかし、たった1年半でTianruiはKKRの頭痛の種になってしまった。創業者の李氏との関係は、その疑問の残る経営方針から悪化した。現在mTianruiの事業そのものは好調で、KKRも撤退は考えていないようだ。しかし、問題はまだ残っているといわれている。幾つものケースでPE投資家が中国の家族企業を買収した際には、企業規模にかかわらずガバナンスの問題に直面する。そして、マイノリティ投資の場合は、その投資分を維持する事自体も難しい面が出てくる事を示す。

 Forbs自体が色々調査したが、こういう話は表に出てくる物ではないので、ianruiの元経営陣や、業界関係者からのヒアリングに基づいてこの記事が作成されている事に留意願いたい。

 彼らの話では、昨年創業者の李氏と投資家達の間で激しい戦いが演じられたようだ。Tiansui集団の総売上は1000億円程になるが、会社は李氏とその家族にコントロールされており、トラック輸送業や、アルミニウム、ガス、発電や旅行までその手がけている事業は広範囲にわたる。また、Tiansuiの元もとの経営陣もこの辺に関係しているようだ。

結局TianuiセメントのCEOXiao氏は李氏に首にされたようだが、その辺ははっきりしない。

 問題は昨年12月にCFOの陳氏が3人の男に工場の傍で暴行を受け、暴行を受けた時に、暴漢が陳氏の名前を確認し、彼のPCが取られ他事からた明らかになってきた。陳氏は1月入院しその間にJPモルガンや世銀の投資部門IFCの訪問を受けた。その際に陳氏は、李氏の財務上の問題を指摘していたといわれる。しかし、陳氏はKKRに雇用され派遣されたのだが、この事件直後に会社を去りノーコメントをつらぬいている。

 陳氏の事件は、公安に電話した限りでは確認できなかった。河南省のRuzhouは人口100万人の都市だ。この5月、地元の新聞は李氏を541億円の純資産を持つ河南省で最も金持ちというランクを発表している。彼はまた、2003年以来全国人民代表会議のメンバーでもある。

 2008年後半にTiansuiのCEO Xiao氏が辞任を発表した時には業界にショックを与え、それ以外の外部から来た10名以上のマネージャーも同時に退職した。Xiao氏は、今は香港に上場している中国国営建設資材の副社長をしているが、この件についてのコメントは拒否している。

 李氏がXiao氏を辞めさせたのは、中国の民営企業における典型的なボスの個人的な好みによるものであり、何か関連する基準やプロセスによる物ではないと、昨年11月の業界紙に書かれている。Xiao氏が会社を離れたのは、現代的な経営システムの欠如であり、事業提携先はTianruiとの関係を慎重に見直す事になるだろうとまで書かれている。

 Xiao氏は2007年のKKRの投資の呼び込みに貢献し、遼寧省の大連にも進出した。Tianruiは、2006年には中国政府が選んだ中国の代表的セメントメーカー12社の一つに選ばれ優先的な融資や土地の取得をを地方政府や銀行から受ける事ができる。中央政府はセメントメーカーの統合を目指しており、Tianruiは優位な位置にある。

 一方外資系投資家は、国内のインフラ整備や建設プロジェクトが期待できる有望な業界としてセメント業界への参入を希望しており、昨年ゴールドマンサックスがセッ江省のHongshi集団の25%株を120億円で取得した。中国は現在中央政府の60兆円に及ぶ景気刺激策により公共建設ブームになっており、Tianruiも利益を享受している。営業利益は毎年60%も伸びており、製造能力も3倍の27百万トンになり、マーケットシェアも伸びている。さらに、3つの戦略的買収を行った。

 KKRの報告書を見ると、Tiansuiセメントの2008年の売上は491億円。利益は不明である。しかし、中国経済の成長がスローダウンすると、Tianruiも厳しい状況に直面する。現在建設中のセメントプラントが完成すると、河南省のセメント製造能力は1億2千万トンも過剰になると、安徽省で6月に行われた業界の会合の席で李氏が語っている。Tianruiは、河南省のXingyangに12千トンの製造ラインを建設する計画だったが昨年その計画を伸ばす事にした。

 そして、今年。Tianruiセメントにはかっての経営陣はいない。

 2008年4月まで、李氏はTianruiセメントを自分の物のように振舞っており、彼が欠席した事により取締役会が延期になった事からKKRは怒ったが、世界的な金融不況の為にKKRはTianruiにかまっている暇が無くなった。李氏の長い部下である李 Heping氏がXiaoの変わりにTianruiの会長になった。この二人は、Tianrui集団の子会社であり、香港に株式上場しているSanmenxia Tianyuanアルミニウムの役員でも有る。また、郭氏がCEOに昇進した。

 PEは、投資先には単に資金を供与するだけでなく、世界基準による長期的な目標を設定する。KKRのTianruiに対する長期的な目標は、経営指標を確立し、財務能力を高め、優秀な人材やテクノロジーを集める事だと2007年の投資時に語っている。

 IFCのIpson氏は、家族経営の会社における最大の課題は、何時専門的な経営陣を呼んできて改革を始めるかだ。成功している人は自分の能力に自身を持っており、何年もたってから彼らは我々の言うことが正しかったことに気づき、経営手法を変える。一日では達成できないし、簡単にはできない。もし全ての会社が完璧な会社なら、我々の心材異議は無いんだ、と語る。

 別の中国で10年の経験を持つ投資家は、「もし中国の企業家が複合的な事業に興味を持っており、一方投資家がその中の一つにだけ興味があるなら、株主間の意思統一を困難にさせ、その提携関係はリスクが高い。複雑なTianruiの事業構造は外部の利害関係者も多くなりますます投資の成果を求める事に困難差をもたらす」と語る。

 KKRの買収チームは中国のセメント業界に経験が深く、TianruiにとうしをしたDevid Liuと彼のスタッフは、以前モルガンスタンレーで安徽省のCOnchと山水セメントに投資をしており、両社は香港に上場している。しかし、この2社はまた長い歴史をもつ国営企業であり、比較的標準化されていた。

 李Liufaは1993年にTianruiセメントを創業し、小さな工場から買収により拡大した。JP Morgan Chaseと中国建設銀行、Citic銀行による335億円の協調融資は、その借り入れコストを引き下げ、KKRはTianruiセメントと少数投資家の保護条項と共に経営陣に対して長期的なインセンテイブパッケージを用意した。今も、KKRと李ファミリーはこの投資の関係を維持しようとしているが、どちらかが引き下がらない限り上手く行かないだろうと業界では言われている。Tianruiセメントの役員会7名の内、3名がTianrui集団(李ファミリー)で、3名が外国人投資家。そして残り1名の独立した役員は業界経験の長い70台の王さんとなっている。

 KKRはもう一つ中国のミルクメーカーの馬安山モダンファーミングに150億円の投資をすると発表された。
http://www.forbes.com/2009/07/09/kkr-tianrui-cement-china-private-equity-asia.html?partner=contextstory
天瑞グループセメント有限会社
中国 河南 汝州市広成東道63番

 Forbsの記事の意訳です。民営企業への投資は国営企業の投資より難しいという事ですかね。それにしても、オーナーが全人代のメンバーというのは凄いというべきか、国会議員におなれる人だからこそ事業も成功したのでしょうね。特に公共工事関連ですから。

 業界の噂ベースの憶測の記事内容になっていますが、オーナーが怖いからインタビューが全く取れなかったのではないでしょうか。中国の田舎のお金持ちは昔の日本の大名家のようなものなんでしょう。それこそ本当の意味での小皇帝だから、公安に聞いても暴行事件のこともわからないのでしょうね。

 まぁ、これは一例として
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会社が中国企業に買われる日

2009-08-04 | M&A
 蘇寧電器がラオックスを買収した事に関して、色々と日系ビジネスに書かれていますね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090727/200976/?P=3
 まぁ、中国の企業が日本企業を買収するのには、なんとなくいかがわしい行為が垣間見えるという論調です。

 そうですね、確かにそういう面は有ると思います中国に限らず恐らく華僑系の場合。株価操作って、先ず確実に行われていると思います。華僑まで含めた中の世界ではインサイダー情報が流れてしまうんじゃないかと憶測していますけど。

 でも、ラオックスって再生ファンドも興味を持てない状況だったわけで、記事の文面を見ると安く買い叩かれたという印象を与えていますが、ヤムを根印じゃないですかね。そこまでの屑会社になってしまったんでしょうから。不動産お簿価が100億円ある(でも借金がかなりあるはずですよ)、蘇寧の広告宣伝費とかは私もコメントしていますし、センチメンタルになりすぎな記事じゃないかな。

 最後に日本の金融機関が中国企業に取り組みできていないという所で占められています。まぁ、日本の金融機関にもっとがんばってくれよって言いたいんでしょうね、それはわかります。

 でも、この方大企業しかご存じないんじゃないですかね?日本の金融機関は確かに中国に進出してきて日系企業のサポートをしています。ただしそれも、取引先の大企業がメインで、店頭公開クラス以下の企業に対するサービスなんて無いに等しかったです。買収案件に絡んで、何とか邦銀を使うように中国人や香港人を説得して進めていたんですけど、余りの対応のスローさに、やむを得ずHSBCを使いましたから。

 銀行に限らず日本の金融機関のスタイルはODA意外じゃ海外では余り活躍できないんじゃないですかね。特に中国では。。アメリカだとアメリカ人の優秀なの高級で雇うでしょうけど中国でそこまでしている企業ってあるのかな?

 無いものねだりという気がします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買収した企業で暴動、死亡者発生

2009-07-27 | M&A
中国らしいといえばらしいのですが、中国の基地臨床にある国営企業の製鉄会社が最近、北京の民間の製鉄会社に買収され、それに不満を持ったのでしょう、数千人の労働者が暴動を起こして、前から買収側の代表として派遣されていた陳さんという方が殺されたそうです。

 たまんないっすね。

記事意訳:
 吉林省最大の製鉄工場で、買収に反対する数千人の労働者が暴動を起こして、中億歳代の民間鉄鋼会社の代表者を殺した。

 国営企業大手のTonghua製鉄集団で、北京のJianlong集団がTonghuaを買収するという噂が広まった事からデモが発生した。労働者はレンガやクラブ(?)を使ってJianlongの代表陳氏を殴ったうえ、警察が陳氏を助けようとして入ってくるのを妨害した。また、救急車や医者がはいる事さえ認めなかった。暴動の参加者は当初は3000人の解雇された労働者だったが、後半には1万人になった模様である。ちなみにこの会社の従業員は2万人いるとの事。ちなみに陳氏は買収側のJianlongから派遣されて

 Jianlong集団は2005年にTonghuaに投資をしたが、今年始めには撤退する旨意思表示をしていた。しかし、最近鉄鋼価格が上昇したこともあり、Tonghuaは6月には6億円の利益を生んだ事もあり、持ち株比率をさらに上げて買収する意向を示していた。ちなみに陳氏は買収側のJianlongから派遣された代表社員で、買収後にはTonghuaの社長になるとされたいた。

 この事件の後、買収はストップするという報道がなされ、でも参加者達は消えていった。

 Jianlong集団は1999年に創業。張氏は17もの製鉄、輸送、エンジニアリング会社を買収して成長した。http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=77fcda55692b2210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=China&s=News

 どちらの会社に電話しても通じないという所できじは占められていますが、中国企業の買収に当たってのリスクの一つという事でご紹介します。

 東北地方は人の気が荒いといわれますので、華東でそこまで起きるとは思えませんが、怖いですね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国M&Aの難しさ ネット人材紹介

2009-07-09 | M&A
外資系企業の中国企業の買収に関しては、成功事例は極めて限られています。私自身もネット企業の買収の失敗案件に巻き込まれましたし、ネット関連に関しては、アメリカ企業、日本企業を問わず上手く行っている事例は聞いた事がありません。

 たまたま、人材紹介サイトの買収に関しての中国語の記事を見つけたのですが、この分野ではリクルートが中国No1の人材紹介サイト51Jobへ出資した事例が有名でしょうか。51Jobについては、その後も中国国内でのシェアは落としているものの、依然としてNo1の位置を保っていますので、そういう意味では失敗安間ではないですね。マイノリティ出資から初めて、増資できるオプションを持つという契約だったそうですがそれが良かったのかもしれません。Enジャパンも投資をしていたのですね。10億円すってしまったようですけど。。

 中華英才網: モンスタードットコムが買収。営業、トラフィック量共に指して増加せずZhaopin.comにはるかに及ばない。経済危機の元経営陣の交換、リストラクチャリング後にサイトの改革をしたが効果が出ていない。

 尚竜グループ: 5つの人材紹介サイトを買収。統一的な管理制度を導入するために、地方の人材紹介サイトに力をいれられず、2008年にはトラフィック量も下落した。

 Enjapan: 英才網に1千万ドル投資し合作を目指し、1度は明るい未来を抱いたが全く効果が無く、すでにひっそりと停止した。

 香港才庫グループ: 20006年10月に1500万元(2億円)出資して精英招聘を設立。網易と共同して人材紹介サイトを設立が、わずか1年半経過後の2007年12月には新聞による紹介業務を停止、ネット業務は継続したが撤退することになった。

 104人材銀行は、業界の期待を背負って進出したが、サイト集客数が2007年10月の140万人から、2008年12月には4万人まで下落した。

 人材分野に限らないのですが、外資系企業の失敗する理由として

・盲目的な投資: 市場規模や成長性のみを見て投資をするが、文化や戦略を理解しようとしない。

・市場調査不足と時期の誤り: 人材紹介サイトの場合、将来の状況が重要であり現在流行っているものが重要なのではない。中国市場の成熟度に対する無知。

・適当なCEOの不足: 中国大陸のプロフェッショナル・マネジメント人材の深刻な不足、中国の国情を熟知し、かつ外資の信用をえる人材は雀の涙しかいない。外資は、香港、台湾などから適当な人材を選ぶことしかできないが、大陸の環境は香港台湾とは大きく異なる。

・中国の経営に対する不信感から、管理コストの上昇、コミュニケーション不足、市場環境の変化への対応の遅れを招く。これはサイトの改定から事務商品の購入にまで及び、中国側の自主的な判断ができない事からもたらされる。意思決定には数ヶ月を要する事があり、変化の激しいネット市場では致命的になる。

・中国側の主動性不足: 決定権の不足から、中国側はただ言われた事を実行する機械になる。慣れてくるとは変化に対する主動性を失い最後は市場競争に淘汰される。

・中国のユーザーに対する見識不足: 「ユーザーが王様」というのはインターネットのいかなる分野でもいえるが、人材紹介サイトも1千もあり激烈な競争にさらされている。顧客満足度が極めて重要にもかかわらず、外資は中国のユーザーを深くは理解できず、外国の経験を提案する事しかできない。外国のユーザーと中国のユーザーの格差は大きい。

 研究開発、広告の失敗: 外資は利益に応じて開発やプロモーション等を行うが、事実として中国のユーザーの好みに合わない為に効果が出ない。

⇒前いた会社ではコンテンツ配信会社でしたが、日本では課金できるコンテンツが中国では海賊版を含む知財管理がないことから課金できないという悩みがありました。今、JETROが積極的に日本のコンテンツの配信を促進していますが、当面の間一般的なコンテンツはお金にはなりません。この国は数年前の話ですが、テレビの調査等とリンクしたショートメッセージに対する課金以外に、出会い系やエロサイトへの課金サービスが携帯コンテンツ業界の主な収入だったのですが、それを上手く隠してNASDAQに株式公開した企業が数社あります。

 価格面もそうかもしれません。私の処がここ数ヶ月売上があまり伸びていません。3-4月の税関対応、5-6月は事務所開設、倉庫閉鎖、自宅引越し、在庫管理のシステム化準備等で終われていたのと、プロダクトミックスを利鞘の低い物から高い物へシフトしている事で特に気にしていなかったのですが、先月から急激に売上の落ちたオムツ関係で新たな競合が極めて薄利で販売している事がわかりました。

 税関が検査を厳しくしている事から、従来からマークしていた大手の売り手の日本商品が減っているために、特に競合を調べていなかったのと、小売そのものは今後それほど拡大する気がない事からほっといておいたのですが、この国はスピードが速いなと思わされます。ミルクやオムツは必需品の為に、あれば値段次第で売れます。特にオムツの場合は口に入れるものではないだけに、単純に価格競争に陥りやすく量で利鞘を稼ぐモデルになってしまうのでしょう。

 資金制約もありますので利鞘の高い物の比率を増やすという方針ですが、売上の増加を求める場合は、やはり差別化できる商品を除き低価格競争に巻き込まれる事は避けられないですね。そして、低価格競争に耐えるには低コストオペレーションを進めざるを得ません。戦略や管理にコストをかける、日本を含む先進国型モデルは、なかなか通用しない面があると考えさせられます。

 多分コモデティは薄利、低コストオペレーション。それ以外は商品の確保と有料顧客の囲い込みが必要だと痛感します。具体的にどう進めていくかが鍵ですね。コモデティに成らないように商品をどう扱うかも大きな課題です。日中間で部ランディングを変え価格帯も変えている商品もあるのですが、この辺は早い段階で限界が来てしまうでしょう。

 最近、日本では中国ばやりで中国企業の投資の話とが増えているそうです。何社被害を受けるのでしょうかね?

 そう、最大の課題は買収した中国企業の経営者なんです。中国人でそれができる人、かつ日本語ができる人。居れば、既に自分で日本向けの事業を自分でやっているはずです。有る程度のお金を稼ぐのは、それほど難しくは無い世界ですから。だから、そういう人間がいないという前提で組み立てないとあかんですよね。でも、その仕組は欧米企業に比べ日本企業はきわめて弱い。 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国企業がラオックス買収

2009-06-27 | M&A

Suning counters Gome with Laox deal

Suning will buy a 27.36 percent stake in Japanese retailer Laox for nearly 60 million yuan. [CFP]

 中国の家電量販業界大手の蘇寧電器集団(江蘇省南京市)は24日、南京で記者会見し、経営再建中の日本の家電量販店ラオックスに27・36%を出資して筆頭株主になると発表した。

 さて、中国側の報道を意訳します。http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-06/25/content_8320504.htm

 中国No1の家電チェーン国美(昨年創業者兼社長がインサイダーで逮捕)が増資を発表した2日後に第二位の蘇寧が日本のラオックスの27.36%を8億円で購入し参加に収めた。是により、中国の家電競争は激しくなるだろう。

 この買収は、蘇寧の海外進出の推進に貢献するだろうと、蘇寧の社長は語る。今年始めには、蘇寧は、海外進出をコミットし最初に香港に出ると発表していた。そして、今年末に海外に10店舗を展開するとしていた。

 蘇寧としては、ラオックス買収に伴い、まずはラオックスを再び利益を上げる会社にすること、ラオックス店舗網を通じて中国の家電を販売する事を狙うそうです。アナリストの評価でも、買収価格が安かったことを前向きに捉えて評価しています。財務的に蘇寧二影響が少なく、ラオックスの企業管理手法や商品の展示法、サービスレベルなどを吸収できるという判断のようです。
 蘇寧は、昨年末で全国に850店舗を展開しており、今後も第二級都市への店舗網の拡大と物流施設構築のために400億円ほどの資金調達を発表したところだそうです。一方第一位の国美は、全国に1300店舗を展開し、特に第一級都市では市場シェアの40%を占める。

⇒さて、日本の家電小売数社がラオックスを吸収しようとして止めました。最後に拾ったのが中国企業ということになります。表面的な買収の理由は上記の通りで、中国企業が日本で中国製品を販売する事と、日本のサービスレベルの吸収が狙いという事です。

 本当かな??

 2000年代になって完全に負け犬となったラオックスの店舗運営のノウハウなんて正直知れているのではないでしょうか?サービスレベルは中国企業よりは数段上でしょうが、コスト意識の高い中国向けに日本のサービスをお金をかけて取り入れても価格には簡単に9は反映できないでしょう。中国製品が日本で売れるか?現在世界ではトップを争うサムソンやLGという韓国の家電が日本でどれだけ売れているでしょうか?世界では本田より販売量の多いという現代自動車の日本での販売量は知れて居ますよね。

 依然見たレポートに、中国企業の海外進出の目的は、海外で勝つことよりも海外に進出している事により中国国内で国際企業というブランドイメージを高め、国内市場で勝つことと記載されていました。

 多分、蘇寧のラオックス買収もその線に沿っており、別に日本のラオックスがちゃんと再建しなくても日本企業を子会社に持っているという事で国内の消費者に強みを訴える一種の広告宣伝費なんじゃないかと思います。それなら8億円は捨てても安いですよね。

 今後、蘇寧がラオックスの業績をどう改善していくのか?基本的には日本では拡大というより先ずは採算の向上というほうに目が行くのじゃないでしょうか。中国的なドライな経営法をそのまま導入できるかどうかは大きな疑問ですけど、色々問題が出てくるような気がします。
 
 少なくともラオックスの今後に関して、へんな期待は持たない方が良いのじゃないかと思いますが如何でしょう?

 まぁ、もしかしたら日本の家電やデジタル機器を中国に販売する仕入れ拠点としては使えるのかもしれませんね。日本製の最新危機をを蘇寧の店舗に増やせば国美との差別化には使える可能性は有ります。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GM ハマーを中国へ売却か

2009-06-03 | M&A
GMが「ハマー」を中国重機中堅の四川騰中重工機械に売却する交渉を進めていると報道されていますが、China Dailyによると

 GMはハマー部門の売却に辺り中国の四川騰中重工機械と暫定合意に達した。四川騰中重工機械は、ハマーの経営幹部層を含む事業部門の人員をそのまま維持する事を約束した他、長期的な組立や主要部品の供給についても合意し、かつハマーの代理店網についても四川がそのまま引き継ぐ事に合意した。法的な手続きを経て、第三四半期にはディールは終結する見込み。買収金額に付いてはまだ討議中であるが、100億円の現金といくつかのコミットメントを付け加える事になるだろうとの事。

 中国の自動車メーカーや部品メーカーは、クライスラーの倒産時にも幾つかの部門の買収に動いたが成功に至らず、是が始めてのケースになる。

 四川騰中重工機械は四川省をベースにした特殊車両や建設機械、エネルギー施設、橋梁・高速道路の構造物を作る重工会社であり、今後高付加価値のオフロード者に参入することになる。四川騰中が海外の自動車のオペレーションを経営した事はない。

 GMによれば、買収者はH3とH3Tをルイジアナに有る今の工場で、2010年までは製造する。また、将来の自動車開発にも投資をすると公表している。この工場には800人の従業員がいる。

 GMは、昨年6月の時点ではハマーを500億円以上の価値が有ると算定していたようですが、チャプター11によりリーズナブルな価格での売却が困難になったと判断した。今年の1-4月の売上は前年比で3分の2に減少。
 今後GMはサーブとサターンを今年中に売却し、ポンティアックは2010年中に事業停止する計画でいる。全体の売上の80%を占める残りのシボレー、キャディラック、GMC、ビューイック部門だけで再建を図る
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-06/03/content_7965803.htm

⇒ハマーが100億円というのは、通常の感覚なら安い気がしますがどうなんでしょう?日本の道路では車がでかすぎて販売しにくい(でもファンはいますね)と思いますが、アメリカはもちろん国土の大きい中国や、砂漠の中東、ロシア等の市場は狙える素材じゃないですかね?

 買収した会社は良く知りませんが、四川省の重工業企業ということになると、もともとの前身は軍事企業だったのではないでしょうか(毛沢東の戦略で軍事関連企業はすべて内陸部におかれた)?ハマーは元々は米軍の軍用車を民間用にアレンジしたものなんですけど、そのH1については記述されておらず、ハマーの中での最小のH3についてだけ米国の既存工場で当面そのまま製造するとされていますね。

 日本企業にとってアメリカの自動車メーカーを買収しても、技術面でも特にメリットは無いでしょうが、発展途上の中国企業にとっては自動車製造及び開発技術の取得という面でも魅力的な存在かもしれませんえ。特に元々が軍事用から来ていますので、どこまでH1の情報がH3とか買収した部門の内部に残るか不明ですけど、中国政府自体も欲しい技術があるのではないでしょうか。

 上海でもたまにみかけます。車体が大きいので中国人の金持ちの面子を考えると日本よりは販売しやすい車だと思います。それに、近年オフロード車でチベットに行ったり、新疆自治区の砂漠を走ったりするのも若者には人気があるようですので、意外といけるかも。

 一方、中国企業ってレノボのIBM PC部門、上海自動車の韓国の双竜自動車等買収が失敗したんじゃないかっていう事例が結構あるので、まぁなんともいえません。今後、日本を含む先進国の製造業がおかしくなると、中国による買収案件は増加するのではないでしょうか?

 問題は。日本企業もそうですが、中国企業も独特の文化のためにアフターマージャーを上手くできるか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の家電小売

2009-05-29 | M&A
 Bain Capitalが、中国第二位の家電小売国美しいの20%の株式を500億円で購入するそうです。ビッドにはコールバーグクラビスとワーバーグピンカスも参加していたようですね。

 国美の第一四半期の売上は対前年で20%減で98億元(1400億円)、純利益は37%減の3.2億元(40億円強)と金融不況の影響を相応に受けているようです。国美自体は中国国内160都市に800店異常を展開している香港に上場している大企業ですが、創業者が株価操作をしたという事で昨年逮捕され、株式の取引は停止したそうです。中国第一位の家電小売の蘇寧の株式はこの間48%も上昇したのに対し、国美株は77%も下落したという状況だったのですね。ちなみに、創業者は昨年の中国第二位の金持ちとされ、国美の34%の株式を所有しているそうですね。

 今回のBainの投資金額は、借入金の返済と手元資金を厚くするために使われるようですね。金利だけで年間30億円近く支払っています。

 http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=c7153f194b281210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=Companies&s=Business


さて:
 国美の創業者兼オーナーの、自社株の操作疑惑に付いては昨年末頃に大きく報道されていましたが、最近はどうなっているのかはしりません。記事中にも北京は特に何も行っていないとしていますが、中国企業の経営者の意識はこんなものだという一つの証拠であり、また、中国企業の株価そのものが日本とは異なる事を示すものだと一例に過ぎません。

 この記事でちょっと驚いたのが、
 Turnover dropped 20 per cent to 9.8 billion yuan, but gross profit margin rose to 15.8 per cent from 15.44 per cent a year earlier.
 というくだりで、国美は大型店舗を中国国内に展開している家電業界なのですが、粗利益が僅か15.8%しかない事

 日本の小売で此処まで粗利益の低い企業があるだろうか?

 現在ネット小売をしています。日本からの輸入品の販売という事も有り、昨年末から今年の2月頃の円高がピークの頃(また最近上がっていますが)は、その時点の為替レートを使うと、当時の僕らの粗利益は10%強と計算上なってしまい、特に粉ミルクは10%を完全に下回る状況でした。

 現在は、プロダクトミックスを変え、国内調達品の販売量を増加することにより15%強。3月税関にとっつかまり、ようやく来週最後の幾つかを関税払って引き出せる粉ミルク関係の利鞘がほぼ無いので、その問題が解消する7月頃には20%は出せる見込みです(また、急な円高になったらこまりますし、過去も為替の良いタイミングで元を円にしているので、実際にはもう少し利益率はましなのですけど)。

 日本の小売は20-30%の粗利というのが一般的ではないでしょうか?そして、家電の場合は日曜消耗品と比べもっと高いと思うのですがどうでしょう。まぁ、中国の小売は棚代等を徴収する、販売員もメーカー派遣、その代わりに利鞘は日本に比べれば少ないという話を聞いたこともありますが、15%とは低すぎますね。勿論販売原価に何が何処まで含まれているかを調べないとなんともいえないですけど、単純に仕入コストと仮定した場合の話です。

 中国ビジネスは中国企業との競争となると、ひたすら価格のみのラットレースになってしまいます。今の中国では、誰かがちょっと成功すると皆右へ倣えで市場に参入してきますし、その中には自分の会社の従業員もいます。

 うーん。C2Cであろうがなんであろうが、粗利益20%強というのを一つの目標にしていました。そして、ネット小売ですのでオペレーションコストを5%に抑えて、営業利益ベースで15%。でも、甘いかもしれませんね。

 中国の上場企業の財務分析をしないといかんですね。IR資料でまともな物があればの話になってしまいますが。産業別の利益構造などは、日本とは相当異なるはずなんです。人件費は、まだなんだかんだ要っても安いので、コストの出方が異なるんですよね。そうしないと、日本の感覚で利益目標設定しても中国じゃ役に立たないという可能性もありますから。。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投資銀行に任せられないM&Aの本質

2009-03-16 | M&A
日経ビジネスに、JTのCFOだった方の記事が掲載されています。元々はエンジニアバックグラウンドの方で、経理財務の経験はなかった方ですが、CFOとは何かということについて本質を突いた記事を書かれています。

 実は私がジョンソンエンドジョンソンの日本法人にいた時も、直属の上司であったCFOは一人はバンカメ出身、後任者は証券会社経験者ですがJ&Jではマーケティングが永い方でした。また、アメックスの日本法人からアジアパシフィックのファイナンスダイレクターになった方もマーケティング出身者でした。外資系日本法人のCFOはそのバックグラウンドを見ると会社のファイナンス機能に対する考え方が解るかもしれません。

 自分自身が経理・管理系からキャリアをスタートしたのですが、日本の多くの企業では経理系の方は唯各部門の数字を集計し、あがってきた資料の会計上も間違いを指摘し、帳簿を集計して会計監査と税務調査、必要に応じIR資料を作成するというレベルに留まっており、扱っている数字が実は現金である事、数字が出てくるまでに営業現場や生産現場でさまざまな苦労がなされている事を全く知らない方が多く見られます。

 その為に、予算の作成等に当たっても、何故そういう計画になっているかを見ず、唯根拠も無く売上と利益の数字のみをチェックしているのが多くの企業の現状と思われます。

 まぁ、一方日本の経営者は、経理は唯数字を集計して間違えなければよいという発想の方も多い事も、こういう土壌を育ててしまったのでしょうから、一概に経理畑の人に対する非難をしてもしょうがない面があります。

 さて、JTのような超官僚的大企業でエンジニア出身の方がCFOになられた経緯にも興味がありますが、新貝元CFOのM&Aに対する考え方として、新興企業のかたや、多くの企業の経営者の方は一考すべきかと思いご紹介します。ギャラはーの買収に関してのコメントで、実際に現在どうなっているかはしりませんが、記載している事は的を得ているなと感心しました。実行は大変だと思います。

以下要約:
・M&A(合併・買収)は、1+1を2ではなく、3にも4にもしていくための手段であるが、最も重要なのは統合であり、他人は統合作業はしてくれない。

・M&Aは究極の経験者採用でアリ、異なる文化を背負った数多くの人材が、突然仲間になる事で有る。

・成功の為には、自身で事業を成功に導くコアコンピタンス(価値を産み出す中核となる競争力)や事業のMomentum(勢い)を理解し、事業を支えているキーとなる人材を理解することが、M&Aを成功させる秘訣。無ければ失敗のリスクが大。

・事業を理解することは、過去の、そして自社だけの成績表である財務計数を分析することとは異なり、むしろ、そこから分析し、洞察を得ることが必要であり、CFOと財務機能はその為にも事業を理解しなければならない。事業ごとに、経営環境、競争環境が違います。商品の差別化ポイントが異なります。企業ごとに、コアコンピタンスに違いがあります。それを、自社の中で見極めねばなりません。

・だからこそ、一人ひとりに、顧客・競争から目を離さないで日々の仕事に注力することの重要性を、経営陣、管理職が説き続けることが大事です。そして、統合そのものをできるだけ短期間で終わらせることが、統合成功にとってのカギであると断言できます。

・買収時に、投資銀行が出してくるシナジーの見積もりは、過去の同様のM&A事例を参考に、シナジーが売上高に対してどの程度発現するかなどマクロな手法に限定されます。投資や事業整理損をどう見積もるのかも大変マクロな試算しかできません。一方、統合を考えると買収当事者はそれからが正念場です。この違いが、実は買収のための企業価値評価に如実に表れるのです。

・買収作業のチーム(社内では、Business Development 略してBDチームと呼んでいます)は、財務、税務、法務のインプットを受けながら、事業から生み出されるキャッシュフローを、主要なマーケット毎に、買収後の統合シナリオ、シナジーを加味して作成する。具体的には、各国におけるビジネス環境、競争状況、ブランドとその市場ポジション、強み弱みをまず把握し、それに基づき、事業の価値を上げるために、統合後の各マーケットでのブランド配置、価格政策、マーケティング戦略、マーケティング投資、流通、人員配置などを検討する。

 これらが、売上高増のシナジーやコスト低減シナジー試算、統合後、事業が生み出すキャッシュフロー試算のための作業でした。つまり、一つひとつのマーケットでの統合の青写真を作ったのです。これら企業価値評価分析は、スプレッドシートの枚数にして大変膨大なものでした。

 これら統合の青写真を前提とした価値評価の現実性、妥当性は、M&Aにおける生命線です。これらを踏まえた上で妥当な買収価格が決定され、買収後の事業の実行性が見極められるからです。

・これほど重要なことを他人任せにはできません。そして、何よりこのような詳細な価値評価は、自ら事業に手を染めていない投資銀行には真似のできない仕事です。自ら価値評価の能力を持つことは、M&Aの基本だと思います。

 財務部門で経営管理に携わっている人もBDチームのメンバーでした。財務シミュレーションをしたことのある人は分かると思いますが、スプレッドシートは、前提を少し変えるだけで、いかようにでもアウトプットが変わります。その恐ろしさが分かっている故、ビジネスへの深い理解に基づいた前提を置かずして、この価値評価はできないことを、参画したチームメンバーはよく理解していました。

⇒さて、2000年以降日本でもネット業界を中心にM&Aがはやっています。上のようなことができている会社は何社あるでしょうか?私自身はJTのような大型案件に携わった事が有りませんが、やはり買収後にどうやってインテグレートするかは何時も考えるようにしていました(というかJ&Jの日本法人時代に結構苦労させられました)。でも、多くの人は単純に買い物のように会社を買っている姿も見てきました。

 



http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090311/188818/
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

P&Gが医薬品部門を売却予定

2009-02-27 | M&A
P&G will sell its Pharmaceutical Unit
February 6, 2009 | 22:27

 P&Gが医薬品事業部を売却する計画を進めているそうです。以下意訳です。

 2006年、2007年に処方薬部門への研究開発投資を削減したそうですが、この医薬品事業部の売却価格は4000億円になるだろう。P&Gも事業展開に商店をあて専門性を強めることを目指している。 本来収益性の高い医薬品事業部を売却するのにも合理的な理由がある。

1.戦略に焦点を当てる。P&Gは消費財市場のトップカンパニーであり独占企業でもあるマーケティングスクールという評価を受け、市場調査活動やその手法は尊敬を受け、幾つ物企業に採用されている。
 一方今日に医薬品市場は非常に競争が厳しく、遺伝子工学、バイオやナノテクに基盤を置く必要がある。FDA(アメリカの厚生省みたいなもの)の承認を得るのもしばしば困難で世界的な経済不況が医療制度に対し、治療に当たってより経済性を求めるようになってきている。
 
 ファイナンシャルタイムスによると、消費財企業が医薬品市場に参入するのは、薬品企業が消費者市場に入るのに比べ難しい。なぜなら医薬品企業は、巨額の研究開発投資をマネジメントする手法に長けており、将来のリスクに対してリスクを取る事にもなれている。 

 P&Gは消費財市場のトップ企業であるが、正確な市場調査機能とそれを基にした良く考えられた事業計画に沿って事業を進める事に強い優位性を持っているが、医薬品大企業が経験している法規制に対する対応や、特許訴訟への対応に強みは持っていないので、こういう予期しない出来事の発生する事業を捨てる事はおかしくない。

 買収候補として、Forest Laboratories, Warner Chilcott and Endo Pharmaceuticals等の企業が上げられ、J&J hasも興味を持っていると伝えられる。

⇒米国の自動車業界はボロボロの状態ですが、P&Gはさほど業績が悪いわけでは有りません。医薬品系というのは今後もどんどん技術革新が進み、先進国は日本だけでなく全て高齢化が年々進んでいますので、市場としては有望なのですが、すごい決断だと思います。

 日本の総合電気メーカーがどこもボロボロですけど、既に中国や韓国にかなりのシェアを奪われている白物家電事業を全て売却する、という決断は出来ないですよね。

 J&Jにいた時に、世界のトップ企業の経営手法に関しては学ぶ物が多いと強く感じてアメリカ行ったのですけど、GMやクライスラーがボロボロなのを笑うだけでなく、今でも世界の一流といえる企業の経営の考え方は見習うべきですよね。

 それにしても、医薬品事業売却の理由の一つが不況により市場がそれほど伸びないだろうという(もしくは巨額な投資に見合うほど伸びない)予測を立てているようですね。

 そういや、日本の医薬品企業は国内でのM&Aを進めましたが、こういう会社を買収しようとしないのですかね?P&Gの薬品部門自体の製品も良く知らないので(OTCが多いようです)、買う価値があるかどうかは私にはなんともいえませんけど、ビール業界など様々な日本企業が最近海外企業を買収しているのを聞いていますと名前が出てこないのが残念ではあります。

 まぁ、日本企業の場合買収した企業をちゃんと統制する仕組みと経験が無いので簡単ではないのは事実ですが。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする