芋焼酎のつぶやき、バラとの戯れ & HbA1c・血糖値を下げる新しい糖尿病食事療法『糖質制限食』実践記録

A Days of Wine and Roses.酒とバラとイバラの日々。芋焼酎好きアラ還-バラ栽培と糖質制限に挑戦です

ケトン体について - HbA1c・血糖値を下げる『糖質制限食』

2012年12月21日 | 糖質制限食-血糖値、HbA1cの改善に!
糖質制限の議論の中で必ず出てくる『ケトン体の増加』。私は尿中ケトン体しか調べていない。糖質制限前は(-)だったのが、糖質制限後は(+2)になった。現行検査基準では正常は(-)である。糖質制限書やブログにはケトン体が増えることは、糖質制限がうまくいっていることであり、心配する必要はないとの記載が多い。特に体に変調はないのでこのままでいいだろうと考えている。

ただ私が江部Dr.と共に信頼している山田Dr.は、ケトン体については慎重である。素人には判断しかねるが、どちらかの理論を信じるしかない。山田Dr.は、1食40g、1日120g程度であれば、ケトン体は増加しないという立場だ。『安全性の観点,生活の質の観点,有効性の観点からは,ケトン体産生を伴う極端な糖質制限を広く勧めることは難しい』と述べている(下記引用記事参照)。

MT Proに北里研究所病院糖尿病センター長、山田悟教授の論文が載っている。
ただ『MT Pro』は『医師・医療関係者さま向けの会員制ポータルサイト』であり、一般人がそれらの記事や論文を読むことはできない。一般人にも開放して欲しいところだが、基礎的な医学知識を持たない者が稚拙な判断で薬をやめるなど、医師の指示を受けないところでの混乱を避けるためであろう。

江部Dr.のブログ(2012.12.18付)のコメント欄にその論文が掲載されていたので、引用したい。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2346.html#comment

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http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1212/1212028.html

【寄稿】ケトン体産生を伴う極端な糖質制限の普遍化は難しい
MT紙連載・Bernstein氏へのインタビューに関連して
北里研究所病院糖尿病センター長 山田 悟

編集部から

Medical Tribune紙では,12月6日号から4回連続で糖質制限食の生みの親Richard K. Bernstein氏へのインタビューを連載中である。聞き手はDoctor’s Eye糖尿病の執筆者である北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏。本日(12月13日)発行の第2回では,糖質制限食により生じるケトン体の産生増加(ケトーシス)についての解釈や,さらに糖尿病性ケトアシドーシスとの違いなど,まだ慎重な議論を要する話題についてのBernstein氏の意見が展開された。このBernstein氏の意見の一部に対し山田氏は疑問を抱いているが,連載の中では盛り込むことができなかった。糖質制限食を実践していく上で重要なポイントであるので,連載の番外編として紹介する。

生理的ケトーシス,病的ケトアシドーシス

今回,Bernstein氏が述べたケトーシスに関する概念は,極端な糖質制限食によりケトーシスになったとしても,それは生理的ケトーシスであって病的ではないとするものである。このような概念は以前から知られており(Bernstein氏自身もその形成に関わってきたのかもしれない),例えばジョスリン糖尿病センター(米ハーバード大学)のLaffel氏の総説にも,生理的ケトーシスと病的ケトアシドーシスとは異なることが記載されており,生理的ケトーシスの例として,新生児,妊婦とともに糖質制限食も挙げられている(Diabetes Metab Res Rev 1999; 15: 412-426)。

ケトーシスを来すレベルの極端な糖質制限食に対する4つの懸念事項

ご自身が1日30gの糖質摂取を推奨され,40年以上実践されているBernstein先生が,そのレベルまで糖質を制限すべきだと主張される気持ちは理解できる。しかし,私自身は,その言葉に強い説得力を感じることはなかった。その理由は4点ある。

まず第一に,この概念が提唱された後で,極端な糖質制限食の代表格であるアトキンスダイエット(1日20~40g以下の炭水化物摂取に制限)によりケトアシドーシスが発症した症例が複数報告されていることである(Lancet 2006; 368: 23-24,N Engl J Med 2006; 354: 97-98)。こうした症例が存在する以上,極端な糖質制限食により生じるのは生理的ケトーシスであって,病的ケトアシドーシスではないという概念には普遍性がない。

第二に,Bernstein氏も共著者になっているAccurso氏の論文(糖質制限食の有効性とその理論的背景を述べた総説論文)においても,ケトン産生に対して議論があるとしてケトーシスから距離を置いていることである(Nutr Metab 2008; 5: 9)。インタビューの中でそのことをBernstein氏に指摘すると,この論文はFeinman氏(米ニューヨーク州立大学)の意見が強く反映されたものであるとの弁であった。これはBernstein氏のケトーシスに関する意見が彼の仲間の中においても十分な説得力を持たないことの表れと感じる。

Bernstein氏の特殊性を考慮に入れるべき

第三に,Bernstein氏が特殊だということである。私たちが面談していた数時間の間に,同氏はタイマーを用いて正確に1時間ごとに1回自己血糖測定をし,そのたびに数gのブドウ糖を低血糖対策もしくは低血糖予防のために摂取していた。このことは,同氏は覚醒中に必ず1時間ごとに血糖測定をしていることを意味するし,また1日に30gの食事からの糖質以外に,1回に数gの低血糖対策のためのブドウ糖摂取を1日に数回以上を行っていて,彼の糖質摂取量が1日に50g近くなるであろうことを示している。
ちなみに,1日50gというのは,Westman氏が提唱する糖質制限食においてケトーシスを避けるために設定された最低糖質摂取量である(ウェストマン氏の提唱する糖質制限食は1日50~150gという糖質摂取である;Am J Clin Nutr 2007; 86: 276-284)。私が見るに,Bernstein氏はケトーシスが生じるか生じないかギリギリのレベルの糖質制限食を,極端に頻度の高い自己血糖測定をすることにより,初めて安全に実施できているのである〔なぜ,Bernstein氏がリアルタイムの持続血糖モニター(CGM)を使用しないのかは聞くことができなかった〕。

緩やかな糖質制限食でも臨床的効果は期待できる

第四に,極端な糖質制限でなく,緩い糖質制限食であっても臨床的な効果は十分生じるということである。Kirk氏らのレビューでは,糖質が制限される度合いにより糖質制限の有効性は直線相関で強くなることが示唆されている(J Am Diet Assoc 2008; 108: 91-100)。極端な糖質制限でなければ有効性が出ないというものではない。さればこそ,Accurso氏の総説論文でも極端な糖質制限食を推奨しないで済むわけである。

40年の経験を持つBernstein氏ご自身のなさってきた糖質制限食に対する熱い思いは受け止めつつも,安全性の観点,生活の質の観点,有効性の観点からは,ケトン体産生を伴う極端な糖質制限を広く勧めることは難しいと確信した数時間であった。

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◆医学的には素人です。糖質制限に関わる注意事項などは以下の書き込みを参考にしてください。
■『始める前に気をつけること』
  http://blog.goo.ne.jp/ms926/e/2c2dcd07666850d30814824754566492


◆【糖質制限食とは】&【糖質制限食を実践される時のご注意】(江部Dr.のブログ)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2191.html
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