COMPLETE MOTOWN SINGLES

話題のCOMPLETE MOTOWN SINGLESをネタに、モータウンで発売されたシングルの数々のデータをまとめていきます。

TAMLA-54057

2008-05-18 22:26:32 | TAMLA
BIG JOE MOE - SINGIN' SAMMY WARD → VOL2 DISC7-9
(BRIAN HOLLAND - WILLIAM “MICKEY” STEVENSON)
PRODUCED BY DRE-MIC: ANDRE WILLIAMS AND MICKEY STEVENSON
RECORDED DECEMBER 9, 1961
RELEASED AS TAMLA 54057 A, MARCH 1, 1962

EVERYBODY KNEW IT BUT ME - SINGIN' SAMMY WARD → VOL2 DISC7-10
(BERRY GORDY - GWEN GORDY FUQUA)
PRODUCED BY BERRY GORDY
RECORDED NOVEMBER 15, 1961
RELEASED AS TAMLA 54057 B, MARCH 1, 1962

話題のソウル・レコード・ガイド=「楽SOUL」でも取り上げられていたレコード。

ノンリズムの導入部。腹の底から発せられた声に圧倒されますね。リズムインしてからも、バックの演奏を引率していく迫力のヴォーカル。またリズムが流されずにアクセントによって全体をグッと引き締めるドラムも素晴らしい。
このA面のタイトルは、盛り上がっているパーティにSAMMYを入れてくれない、とっても非友好的なドアマン=「BIG JOE MOE」のことを歌った歌ですね。ストーリーは1956年にDOTレーベルからPOPチャート1位のヒットとなった「THE GREEN DOOR」を思い出させるナンバーとのこと。

この曲のプロデューサー・チーム=DRE-MICの1人、ANDRE WILLIAMSによると「背の低いが声の大きい奴だった。」という印象があったようです。彼のことをANDREはまた、「教会出身だが彼は優れたブルース・シンガーだ。」とも回想しています。

(「COMPLETE MOTOWN SINGLES VOL.1」より)

B面はゆったりとしたロッカバラード風のナンバー。女性コーラスに加えて、男性のベースヴォーカルの声が耳に残りますね。
また、全編にわたって引っ掻くようなピアノがブルース風味を加味しています。
そんな演奏をバックに、彼にしてみると幾分控えめな表現のように感じますが、他のモータウンのシンガーと比較すると十分過ぎるほど熱情的な歌が堪能できます。

WARDはデトロイトの酒場でそのプロとしてのキャリアをスタートさせました。それこそデビューはTAMLAから発表した「WHAT MAKES YOU LOVE HIM」(TAMLA-54030)。そして何故か同じレコード番号で出されたSMOKEY ROBINSONのペンによる「WHO'S THE FOOL」がR&Bチャート28位の小ヒットとなったのは以前見ましたね。

GORDYは彼をスターにすべく色々試みましたが、彼の魂の中に深くしみ込んでいるブルーズ・フィーリングのためか、その試みは1度たりとも、ヒット曲という結果を生み出すことはありませんでした。

それにしても前回のシングル(TAMLA-54049)は「SINGIN'」をつけてませんでしたが、今回は何故かついてますね。

The Complete Motown Singles, Vol. 2: 1962
Various Artists
Mob Entertainment

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TAMLA-54056

2008-05-11 21:27:07 | TAMLA
SIDE A
YOUR BABY'S BACK - THE DOWNBEATS → VOL2 DISC7-7
(BERRY GORDY)
PRODUCED BY BERRY GORDY
RECORDED NOVEMBER 5, 1961
RELEASED AS TAMLA 54056 A , FEBRUARY 8, 1962

SIDE B
REQUEST OF A FOOL - THE DOWNBEATS → VOL2 DISC7-8
( JOHNNY DAWSON )
PRODUCED BY BERRY GORDY
RECORDED SEPTEMBER 19, 1961
RELEASED AS TAMLA 54056 B ,FEBRUARY 8, 1962

THE ELGINSの前身グループであるこのTHE DOWNBEATS。そのTHE ELGINSのアンソロジーCDによると彼らはモータウンにくる前1960年代初頭に、すでにTHE FIVE EMERALDSとしてデトロイトをベースとしたS-R-C レーベルに2枚のシングルを、またSONNY WOOODS AND THE DOWNBEATSとしてDUKE RECORD傘下のPEACOCKレーベルから4枚のシングルをリリースしていたと書かれています。
ちょっと調べてみましたけどTHE FIVE EMERALDSの方はSoulful DetroitというホームページのPost Number: 7379というところに1枚写真が出てますね。
また、Soulful Kinda MusicのPEACOCKレーベルのリストを見たところでは、
PEACOCK-1679 - Sonny Woods and the Downbeats - Let's Go Steady / So Many Tears - 1957
PEACOCK-1689 - The Downbeats - You're So Fine / Someday She'll Come Along - 1958
という2枚は見つかりましたが、あとの2枚はわかりませんでしたね。
メンバーはROBERT FLEMING、JOHNNY DAWSON、CLEOTHA(CLEO) DUKE MILLER、そしてTOMMY SALISBURYの4人。(THE COMPLETE MOTOWN SINGLESではTOMMY SALISBURYを除く3人と記載があります。)
どうやらFALCONSやSUPREMESの前身であるPRIMETTESが在籍したLU PINEレーベルのオーナーであるROBERT WESTが彼らのマネージャーをやっていたらしく、彼がMOTOWNのオーディションまでをお膳立てしたようですね。

そんな経緯でモータウン入りしてレコーディングをしたこのレコード。
ドゥーワップ風のA面、「Your Baby's Back」。
ライナーによると前年にNo.2ヒットとなったSHEP & THE LIMELITESの「DADDY'S HOME」からの影響が明らかということです。

Daddy's Home: The Very Best of Shep & the Limelites
この曲はalternate mixヴァージョンがTHE ELGINSのANTHOLOGYのCDに収録されてましたが、聞き比べてみるとヴォーカルがまるで違いますね。このalternate mixではコーラスが複雑に絡みながら重層的な厚みを生み出しており、モータウンの先輩コーラスグループ=SATINTONESのROBERT BATEMANを彷彿とさせるベースパートが強い印象を残しているのに加えて、リード・ヴォーカルも時折声を張り上げんばかりのソウルフルな歌声を聞かせてくれています。
一方発表されたシングル・ヴァージョンは随分とあっさりとした印象。コーラスも控えめ、リード・ヴォーカルもすっかりおとなしくなってしまっています。逆に整理されていてわかりやすいと言えばわかりやすいと言えるかも。
このあたりは作者でもありプロデュースを担当したBERRY GORDYが、alternate mixヴァージョンにトゥー・マッチな印象を持ってしまったのかもしれませんね。

そんな抑制された感のあるA面とは対照的にハツラツとしたリードヴォーカルとウキウキするようなアップテンポが心地よいB面の「REQUEST OF A FOOL」。リードは作者であるJOHNNY DAWSONとのことですが、この声からするとA面の「YOUR BABY'S BACK」も同じ人でしょうか。コーラスも素晴らしく、モータウンの曲で良く耳にする豪快なサックスがここでも聞く事ができて、こちらがA面のほうが良かったかも。。

ところでまたELGINSのANTHOLOGYに記載があったのですが、このレコードの初期のものにはTAMLA-54026とミスプリントされて発売されたものもあったようですね。

このTHE DOWNBEATSはこのあと1965年に「DO YOU KNOW WHAT I'M TALKING ABOUT」という曲をV.I.P.-25007としてリリースする予定があったようですが、結局リリースされず終わってしまったようです(THE COMPLETE MOTOWN SINGLES VOL.5には収録されていますが。。)。ただ、THE ELGINSの大ヒット曲「DARLING BABY」(V.I.P.-25029)の最初のリリースのものはTHE DOWNBEATS名義でリリースされているみたいです。

The Motown Anthology
The Elgins
Motown

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The Complete Motown Singles, Vol. 2: 1962
Various Artists
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