投宿して一風呂浴び、九時前に出直すという流れは想定通りです。駅前の踏切を上りの「しらゆき」が通過していったことについても。しかし、その直後に車庫へと引き上げていた115系は、新車に置き換えられてしまいました。後釜に座った安普請の車両を見せつけられても興ざめです。そのまま「魚仙」の暖簾をくぐります。
この店では、L字の角を切り取った斜めのカウンターを好んで選ぶと申してきました。しかし今回、その角の周辺に先客が集まっていました。定席がたまたま埋まっていた結果、店主の正面の特等席に通されるという、先日「浜長」を訪ねたときと似たような展開です。しかし、客観的に見れば特等席でも、自分にとっては落ち着かないということがしばしば起こります。「浜長」ではまさしくそのような経験をしたわけなのですが、この店についても同様の結果となりました。
斜めの位置を好む理由の一つとして、店内を隅々まで見渡せるという点が挙げられます。それに対して店主の正面に回った場合、小上がりに背を向ける形になり、視野が若干狭まります。それとともに気付いたのは、奥の方の壁に掛かったTVの音です。斜めの席では全く意識もしなかった音が気になるのは、TVに近付いたのもさることながら、画面が視界に入らないにもかかわらず、斜め後ろの方から音だけが聞こえてくるからで、以前鹿児島の「分家無邪気」でも似たような経験をしたことがあります。やはり、自分にはいつもの席が合っていると改めて思った次第です。
しかし、品書きの充実ぶりは些細な点を補って余りあります。茄子、蓴菜、青なんばんといった品々に夏の名残が、里芋、茸、マコモダケには秋らしさが感じられました。立派な鰤と鰆を四種の白身で固め、さらには甘海老、鰺、貝を加えた九点もの刺身は、冬場と比べても遜色ない堂々たるものです。店主の奨めを受けて頼んだ鰈の煮付けには、ババガレイの切り身が二枚も奢られ、肉の厚さと滑らかさは煮魚の王様と形容するにふさわしいものがあります。秋は端境期かと思いきや、この店に関していえば無縁でした。今回再訪した甲斐はあったというのが実感です。
★魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2230PM(LO)
日曜定休
謙信・巻機・鶴の友・雪紅梅
お通し(南蛮漬け)
お刺身おまかせ盛り合わせ
マコモダケ
かれい煮付け
枝豆
この店では、L字の角を切り取った斜めのカウンターを好んで選ぶと申してきました。しかし今回、その角の周辺に先客が集まっていました。定席がたまたま埋まっていた結果、店主の正面の特等席に通されるという、先日「浜長」を訪ねたときと似たような展開です。しかし、客観的に見れば特等席でも、自分にとっては落ち着かないということがしばしば起こります。「浜長」ではまさしくそのような経験をしたわけなのですが、この店についても同様の結果となりました。
斜めの位置を好む理由の一つとして、店内を隅々まで見渡せるという点が挙げられます。それに対して店主の正面に回った場合、小上がりに背を向ける形になり、視野が若干狭まります。それとともに気付いたのは、奥の方の壁に掛かったTVの音です。斜めの席では全く意識もしなかった音が気になるのは、TVに近付いたのもさることながら、画面が視界に入らないにもかかわらず、斜め後ろの方から音だけが聞こえてくるからで、以前鹿児島の「分家無邪気」でも似たような経験をしたことがあります。やはり、自分にはいつもの席が合っていると改めて思った次第です。
しかし、品書きの充実ぶりは些細な点を補って余りあります。茄子、蓴菜、青なんばんといった品々に夏の名残が、里芋、茸、マコモダケには秋らしさが感じられました。立派な鰤と鰆を四種の白身で固め、さらには甘海老、鰺、貝を加えた九点もの刺身は、冬場と比べても遜色ない堂々たるものです。店主の奨めを受けて頼んだ鰈の煮付けには、ババガレイの切り身が二枚も奢られ、肉の厚さと滑らかさは煮魚の王様と形容するにふさわしいものがあります。秋は端境期かと思いきや、この店に関していえば無縁でした。今回再訪した甲斐はあったというのが実感です。
★魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2230PM(LO)
日曜定休
謙信・巻機・鶴の友・雪紅梅
お通し(南蛮漬け)
お刺身おまかせ盛り合わせ
マコモダケ
かれい煮付け
枝豆