日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 22:01:02 | 東北
本日は少し早めの全行程終了です。船は金華山の沖合を通過し、三陸沖を北上しています。
船内で通過時刻も案内される金華山ですが、船上からの眺めは特にどうというほどではありません。大きい灯台だと暗い中でも一目で分かる明かりを除けば、周囲はただの暗闇です。瀬戸内海航路と違い、陸地には町の明かりもなく、視界を航行するのも自船のみ。さらに、進行方向右側には漆黒の太平洋が広がっています。太平洋航路はここまで単調だったかと拍子抜けしたところが、ここで思わぬ展開が待っていました。
雲間から星が出てきたかと思うと、さほどの間もなくすっかり晴れて、やがては月が出てきたのです。気付けばその月が航跡を照らし、彼方には金華山の灯台がまたたくという、実に印象的な光景が広がっていました。本四架橋の通過のような、一瞬たりとも目の離せない劇的な展開というわけではありません。しかし、印象深さという点では、さる五月、霧多布から帰る途中に眺めた月夜の太平洋が思い起こされます。

今夜がこの月夜なら、明日も晴れてくれるのでしょうか。次は明朝お会いしましょう…
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 20:09:23 | 晩酌
港外へ出たところで早々と切り上げ船室に戻りました。長旅の初日は船内のレストランでの晩餐となります。
昨年新潟発のフェリーに乗ったときには、レストランは昼食のみの利用とし、夜は前もって調達した肴で晩酌しました。船内のレストランは割高で、価格には見合わないと分かっているからです。しかし、今回は夕食ばかりか朝食までもレストランを使います。これは、レストランがカフェテリアでなくバイキング形式なのに加え、Webで二食付きのプランを予約すると、実質千円少々で済むことが分かったからです。
そのバイキングとは、看板にも謳われたステーキを始めとする洋惣菜を中心に、寿司、蕎麦、ご飯に味噌汁などの和食を加え、さらにサラダバーとデザートバーを揃えたもので、品数は必要にして十分。身近なところでいうなら、ビジネスホテルでこのバイキングが無料で出れば感嘆し、数百円するとしても依然として納得できるといった内容です。つまり、二千円の正規料金には見合わないものの、千円前後の価値は十分あるといった見当になります。ましてや、朝夕二食で千円少々なら絶対に買いです。
それに加えて秀逸なのは、サッポロクラシックの樽生がグラス一杯520円の良心価格で、なおかつ泡がきめ細かく、最後の一滴までおいしくいただけることです。つい調子に乗ってステーキを3枚、ビールを2杯おかわりしてしまいました。ごちそうさまです。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 19:32:38 | 東北
出航一時間前という、自分にしてはかなり早い時間にフェリー乗り場へ到着。撮影を済ませて乗り込み、寝台に荷物を置いて、只今甲板に立ったところです。あいにく今日は気温の割に蒸し暑く、時折小雨も落ちてきます。蒸し暑く小雨そぼ降る中での出航は、一昨年の大阪南港を彷彿とさせます。
しかも、この仙台港というのは随分と殺風景です。地形に起伏がなく、周囲が工場ばかりという点では、苫小牧にも通ずるものを感じます。出向するや否や神戸の夜景が広がる大阪からの出航などと違い、これではさしたる見せ場もないでしょう。今回は適度なところで上がった方がよさそうです。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 18:24:03 | 東北
福島飯坂から白石、岩沼から仙台東と、再び高速道路を細切れで乗り継ぎ、フェリーが出る仙台港にやってきました。
今回の往路の渡航手段として考えた場合、仙台発の明確な利点が二つあります。一つはもちろん、新潟発に比べて現地に一日早く到達することです。それでは、もう一つの利点は何かといえば、港の近くに mont-bellがあることです。
現地の気候が思った以上に寒くなり、現在使用している寝袋では足りない可能性があると先日申しました。経路上に用品店があれば、より高性能の寝袋を探してみるということについても。豈図らんや、仙台港のアウトレットモールにmont-bellが出店していたため、こちらにとっては渡りに船というわけです。
現在の封筒型に加えてもう一つ買い足すとなれば、二つ目には当然ながらマミー型を選ぶのが順当でしょう。先達の導きにより、これだと目星をつけていた商品もあります。その「スーパースパイラルバロウバッグ3」があったため迷わず購入。旧作とはいえ、性能は現行商品と大差なく、それでいながら三割安のアウトレット価格というお買い得品です。これはよい買い物になりました。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 15:50:20 | B級グルメ
115号線で峠を越え、県道で福島市街を反時計回りに迂回中です。仙台までの距離を早めに詰めておきたいのはやまやまながら、現行制度上、平日の昼間はどうやっても割引になる余地がありません。高速道路の利用を最小限に抑えるための自衛策です。
しかし、苦肉の策とはいえ悪いことばかりではありません。「フルーツライン」の愛称通り、沿道に桃と梨の直売所が点在し、長野のアップルライン、静岡のいちごロードのような光景が展開しています。高速道路で脇目も振らずに移動していれば、こんな場所があることにも気付かなかったでしょう。怪我の功名とはこのことです。
せっかくなので自分も桃を買います。もちろん、十日以上の長旅の土産にするわけではなく、キャンプでいただくつもりです。今般投入した俎板とナイフの出番が早速訪れました。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 14:03:34 | 東北
さて、出発以来仙台と新潟の間で葛藤を続けてきましたが、一抹の躊躇はありながらも、今夜の仙台発に乗船するということで結論が出ました。
朝方の青空が続いていれば、そのまま会津に残るにも一向にやぶさかではなかったのです。しかし、その後次第に空が曇って、若松を出る頃から小雨が降ってきました。もちろん、この程度の小雨であれば、夕方まで四、五時間やり過ごすなど造作もないことであり、時間稼ぎをして若松で呑むという選択は非常に捨て難いものがあります。とはいえ、今回の主題はあくまで北海道です。北海道の天候回復が早まりそうな情勢もあり、北海道に一日早く上陸できる方を選ぶことにしました。
心残りなのは、昨日から始まったという「籠太」の秋の風物詩、さんま串を素通りせざるを得ないことです。しかし、秋刀魚は北海道で存分に味わえばよいでしょう。短い時間ながらも酒と漆器を押さえて、「麦とろ」にも寄れたという点では満足しています。
会津には秋のうちに再訪する機会を作れるかもしれません。願わくは近日中にまたお会いしましょう。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 13:59:27 | 東北
若松市街を後に、猪苗代へ向かって高度を上げます。ここでお待ちかねの龍ヶ沢湧水が登場です。やや蒸したりラーメンをいただいたりで喉が渇き切っていたため、冷たい湧水がなおさら身体に染み入ります。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 13:38:34 | 酒屋
若松市街を出る直前にここへ立ち寄るのは、会津へ来たときのありがちな展開です。駅前の「渡辺宗太商店」で酒を買います。ひやおろしを二本取り揃えて、道中の晩酌はますます充実してきました。

渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM(火曜定休)
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 12:40:43 | 居酒屋
この展開を予想できた方はいらっしゃるでしょうか。「麦とろ」でお昼をいただくことにしました。
市街を軽く一周し、最後にもう一軒酒屋に寄って終わりにするかと思ったところが、この時間なら「麦とろ」が開いているのではと唐突に思い立ったのがことの始まりです。店主と婆さんへの挨拶代わりという大義名分に加え、自身未体験である昼の部がどんなものかという興味もあり、空腹感が戻らないのを承知の上で暖簾をくぐりました。結果としては、あと一時間引き延ばせば朝兼昼がいただけて好都合だったのですが、若松でお昼をいただく場面が過去ほとんどなかったこともあり、的確な判断ができませんでしたorz

普段は夜遅くに立ち寄る客が白昼堂々現れたとあって、店主もやや面食らった様子ながら、陽気さは昼でも夜でも変わりません。注文した定食には小茄子漬が。最後の最後に会津の夏を体感できたのは幸いでした。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-100AM(日曜定休)
麦とろ定食800円
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 11:11:29 | B級グルメ
酒と漆器に続いては朝ラーメンで腹ごしらえです。朝ラーメンといっても喜多方ではありません。若松にも朝七時開店のラーメン屋があるのです。その「大笑家」に立ち寄ります。
わざわざ会津へ来たからには、喜多方にも行きたいのはやまやまなのです。しかし、今回は仙台から北海道へ渡るという目的があり、それをすっぱり切って会津に腰を据える覚悟まではできていません。そして何より、今は歯の状態が悪く、麺類をまともに味わえないため、わざわざ喜多方に足を運ぶだけの大義名分がありません。その結果、手近なところに落ち着いたというのが真相です。
手打ち風の縮れ麺に淡い色の醤油スープ、チャーシュー三枚にメンマとネギを散らした出で立ちは、一見すると喜多方風でありながら、節粉をかなり多めに振りかけるのが当店流。その結果、節粉の味が前面に出過ぎているのが惜しまれるものの、汁一滴残さずいただける安定したおいしさではあります。

大笑家
会津若松市山鹿町6-67
700AM-1500PM(売切御免)
祝日除く月曜定休
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2014-09-05 10:06:05 | 東北
続いては、こちらも毎度おなじみ関漆器店に立ち寄ります。以前ここに立ち寄ったとき、自宅使いの箸を買うかどうかで躊躇しながら見送って、結局後悔する羽目になったことがありました。その箸がついに見つかり宿願達成。キャンプで早速活躍してもらいましょう。

関漆器店
会津若松市中央1-4-12
0242-25-0151
900AM-1800PM(不定休)
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2014-09-05 09:54:47 | 酒屋
会津若松で日中にすることといえば、まずは酒屋に寄ることです。毎度おなじみ植木屋商店に立ち寄ります。長旅の初日だけに火入れ酒が無難というところ、あえて辰泉のひやおろしを選択。気候も大分涼しくなり、さらにはこれから北上するため、一回火入れのひやおろしなら問題はないでしょう。序盤戦の晩酌酒はこれで決まりました。

植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-2130PM(日曜定休)
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 09:30:23 | 東北
会津若松に着きました。蓮田で東北道を一旦下り、矢板から黒磯まで乗った後は再び一般道という、高速道路の利用を最小限に抑えた経路でした。数百円の高速料金を出し惜しんだというより、単調な移動を嫌ったということです。どこへ行っても黄金色の絨毯が広がり、会津に入ってからはところどころに蕎麦の花も咲くというよい眺めだったため、その狙いは的中したことになります。
中でも印象的だったのは294号線からの眺めでした。一面の稲穂の向こうで磐梯山が顔を出し、上空に雲が流れるという絵柄で、飛び交うトンボを含めて秋そのものといった感がありました。雨といわれていた天候も、今のところ時折日差しがのぞく予想外の好天で、こうなると田圃も蕎麦畑も俄然絵になってきます。この天候が続くなら、北海道を一日切っても会津に滞在するのが吉でしょう。早くも悪魔のささやきが聞こえてきました。
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色づく秋の北国へ 2014

2014-09-05 03:18:54 | 関東
仮眠をとって出発します。会津へ行くというと、最近の定跡は首都高と東北道を経由して久喜で下り、矢板まで新4号経由で北上し、再び東北道を走った後、白河から294号線に入るという経路です。しかし、ETC割引の大幅縮減に伴い、矢板からはおそらく正規料金となるでしょう。そのため、全区間高速道で済ませても、実は千円足らずの違いでしかなく、その一方で所要時間には小一時間の違いが出てきます。費用対効果を考えると何とも微妙な状況だけに、全区間高速経由とするかどうかについては逡巡することになりそうです。
開け放った窓から秋の虫の声が聞こえてきます。次に我が家へ戻ってくるのは連休最終日の15日、あるいは翌16日の未明です。都内では蝉の声が途絶える頃でもあります。残暑が例年になく早々と形を潜めた今季、彼等はこちらの帰りを待っていてくれるでしょうか。
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