日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 22:44:12 | 居酒屋
教祖が幾多の著作で絶賛してきた聖地というべき店の中にも、自分にとって縁がない店というのがいくつかあります。それらは二つに大別されます。一つはわざわざ泊まる機会もないほど小さな町の酒場で、北陸でいうなら魚津の「ねんじり亭」、三国の「魚志楼」がこれにあたります。これに対して、何度も泊まった街にありながら、素通りを繰り返してきた店もあります。二軒目はその手の店の代表格「あら川」の暖簾をくぐりました。
食わず嫌いを続けてきた理由を考えてみるに、「親爺」という名酒場が至近距離にあって、ついそちらを優先してしまうという事情が挙げられます。それに加え、教祖が盛んに推した結果、既存の情報だけでもおおよその雰囲気が察せられ、なおかつ余計な先入観ができてしまったのも一因です。しかし、「百聞は一見に如かず」という通り、自ら足を運ぶことで得られる発見もあるでしょう。久々に富山で泊まる機会を得た今回、試しに訪ねてみようと思い立った次第です。

余計な先入観とは何かといえば、「親爺」に比べて敷居が高い店ではないかということです。しかしそれは幸いにして杞憂に終わり、なおかつ期待していたものについては期待を上回りました。
まず好ましいのが、屋号通りの大衆割烹然とした店内です。玄関から奥へ向かってカウンターが一本延びて、中央には大皿の惣菜が並び、左には魚を氷詰めにしたネタ箱が。カウンターの幅一杯に品書きの短冊が隙間なく並び、中央には本日の刺身を記した黒板が掲げられます。
店内の造りに総じて余裕があるのもここの特徴です。後ろの壁に背中がつきそうな、「親爺」の狭い店内にもあれはあれで味があるとはいえ、あちらを「大衆酒場」とするならば、客席も厨房も広々したこの店の造りは、たしかに「大衆割烹」を標榜するにふさわしいものがあります。しかもただ広いだけではなく、その厨房には六人もの料理人が配されるなど、万全の布陣を敷いているのも頼もしい限りです。
短冊に値段の表示はないものの、手元の冊子には値段が入ったものもあり、おおよその見当はつけられます。「親爺」に比べてやや高めながらも、その分一人前の分量が多いことを考えると、実質的には大差ないといってよいのではないでしょうか。軽妙洒脱な客あしらいも上々で、二軒目というのにかなり酒が進んでしまいました。

以上の通り、教祖が激賞するのも宜なるかなと納得できる一軒です。「親爺」に迷わず飛び込んできた富山にあって、次回からはどちらへ行くかが悩ましい問題となってくるかもしれません。

あら川
富山市桜町2-2-22
076-441-9369
1700PM-2300PM
日祝日定休
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 21:40:44 | 居酒屋
まずは手堅く、教祖も絶賛する富山の聖地「親爺」の暖簾をくぐりました。店内はあわや満員札止めの大盛況。九時を過ぎれば大抵の呑み屋が空いてくる中、ここではそのような場面に出くわしたことがありません。その一因として、人気に比してささやかな、実質10席少々のカウンターが挙げられます。二階の座敷は宴会にしか使わず、飛び込み客は人数にかかわらずカウンターに通すため、三人以上で押しかけられるとたちまち切迫してしまうというわけです。それでも満席で振られたことは一度もなく、何だかんだで入れてしまうのが不思議なところではあります。

親爺
富山市桜町2-1-17
076-431-4415
1600PM-2300PM
日祝日定休
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 21:17:31 | 北陸
糸魚川、滑川と経由して只今富山に着きました。慣れた道ゆえ想定内の時間でどうにか着きはしたものの、呑み屋の閉店時刻からして猶予はありません。宿に荷物を置くのは後回しにして、早速呑み屋街へ繰り出します。それでは後ほどお会いしましょう…
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 18:09:53 | 酒屋
ますます時間が押すと知りながら結局更埴で下りました。大型車が多くて流れが悪く、遠回りかつ単調な高速経由がなおさらつまらなくなりそうだと判断したのもさることながら、より根本的な理由はここに寄るためでした。毎度おなじみ屋代の「生坂屋」で酒を買います。
ICに近く、なおかつ白馬までの経路上にあるのがこの店のありがたいところです。ましてや今はひやおろしの季節なのですから、多少時間が押してもここを素通りするという選択は考えられません。百花繚乱の品揃えに目移りする中、東信から「佐久乃花」、北信から「豊賀」と二本を選択。小諸の味噌をなめつつこの酒をあおれば、我が家での晩酌は完璧でしょう。

酒乃生坂屋
千曲市屋代1852-1
026-272-0143
840AM-2000PM(1-2月及び日祝日 -1930PM)水曜不定休
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 17:24:19 | 甲信越
諺の通りに秋の日はたちまち傾き、間もなく山の向こうに隠れようとしています。昼の部はここで打ち止めとし、この後は投宿地である富山へ向かいます。
なんだかんだで東信に終日滞在してしまったこともあり、時間が少々押してきました。ここから富山へ移動するにはいつもの白馬経由が最も順当ながら、遠回りを承知で全区間高速経由という選択肢も考える必要がありそうです。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 16:53:34 | 甲信越
先ほど「観光客向け」と切り捨てておきながら、舌の根も乾かぬうちにその海野宿へやってきました。これほど天候がよい上に今日は平日なのですから、やはりここへ寄らない手はないでしょう。
今回改めて観察すると、生活感に満ちた小諸の街に対し、電線を地中に埋め込んだり、水路に沿って柳と花壇を並べたりといったところが、いかにも「造られた名所」という印象を与えていることが分かります。しかし、卯建に小屋根を奢った建物がいくつも並ぶなど、建物一つ一つの造りに関しては、たしかに見所が多いということに気付きました。観光客が行き交う休日ならともかく、今日ここに立ち寄ったのは正しい選択だったようです。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 16:10:28 | 甲信越
清々しい秋晴れとはいっても、一日走り回れば汗をかき、喉も渇いてくる季節です。こんなとき何よりありがたいのが湧水です。以前訪ねた「弁天の清水」を再訪します。
うねうねした路地に沿って古い民家が密集する町外れの一角、弁天様がまつられた石垣から轟々と流れ出るのがこの清水です。水筒を一瞬かざしただけで満杯になる圧倒的な湧出量は健在でした。ここを振り出しにして、明日からは名水王国の北陸を回ります。今回は水分高めの活動になりそうです。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 15:39:53 | B級グルメ
年に一度のお楽しみ、富士屋醸造で味噌を買います。毎度申していることではありますが、信州に数ある蔵の中からここを選ぶのは、昔ながらの量り売りがよいのもさることながら、その味噌が胡瓜と生姜に最もよく合うからです。小諸へ立ち寄ったのはこの店に寄るためといっても過言ではありません。

富士屋醸造
小諸市本町1-3-10
0267-22-0398
800AM-1900PM(正月休業)
特製甘口500円/500g
麦みそ355円/500g
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 14:17:04 | 甲信越
「右は越後へ行く北の道、左は木曽へ行く中仙道」と歌われた追分の分去れを右へ進み、北国街道の小諸宿に着きました。
北国街道の宿場として名高いのは、何といっても往時の町がそのまま残る海野宿でしょう。しかし、小諸のよいところは、観光客向けに整備された海野と違い、古くからの町並みが人々の暮らしに溶け込んでいることにあります。傾いだまま放置されているわけではなく、だからといって観光客を当て込み現代風に改装されているわけでもなく、古いながらもきれいに磨かれ、ほどよい具合に手入れされているのがよいのです。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 13:57:14 | B級グルメ
追分宿に頃よくそば屋があったため、こちらでお昼をとります。残念ながら新そばの幟こそなかったものの、「軽井沢産」「南相木産」と産地を明記するところは信頼の証。短冊に書かれた小鮒の甘露煮が東信ならではです。立派な梁を奢った古民家風の建物は居心地よく、開け放った窓からは涼やかな秋風が吹き込みます。信州に来てよかったと実感するひとときです。

ささくら
北佐久郡軽井沢町追分655-3
0267-46-5577
1130AM-1430PM(LO)/1700PM-2030PM(LO)火曜定休
ざるそば780円
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 13:16:56 | 甲信越
中山道を上って追分に着きました。定点観測で信濃追分駅を訪ねます。
一年ぶりに訪ねて驚いたのは、待合室と事務室の仕切りが取り壊され、代わりにとってつけたような安っぽい壁が立ちはだかって、雰囲気が若干損われてしまったことです。とはいえ、それ以外は何もかも変わらないのですから、老朽化した駅舎を根こそぎ取り壊すJR東日本よりはるかにましでしょう。曲がりなりにも健在ぶりを再確認できたのはよいことでした。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 12:17:34 | 甲信越
北陸はさておき、少なくとも信州ではマンネリズムを主題とした活動になりそうです。毎度おなじみコスモス街道、岩村田駅に次いで訪ねるのは、去年発見した浅間山を一望する御代田から小諸への県道です。山頂まで一点の曇りもない浅間山の偉容もさることながら、手前に広がる黄金色の絨毯が見事で、なんとなればこの光景を小一時間眺めているにもやぶさかではなくなってきます。適当な駐車スペースがないため、長時間滞在できないのが残念です。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 10:38:25 | 甲信越
お約束のコスモス街道に着きました。10月半ばの散り際に辛うじて駆け込んだ去年に対し、今年はまさに花盛りです。麓で23度だった気温はさほど下がらず22度、日差しを受ければ汗ばむ一方、空気は乾いて爽快に感じられます。空は青く、稲穂は黄金色に色づき、そこをトンボが飛び交い、草むらでは昼間から秋の虫の声が。その一方でミンミンゼミの鳴く声が遠くから時折聞こえてくるなど、過ぎ去った夏がところどころに残っています。10度ばかりの肌寒さに深まる秋を感じた去年と、実りの秋を実感する今年の光景は、同じ秋とは思えないほど好対照をなしています。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 09:39:43 | B級グルメ
駅めぐりが一段落したところで、群馬の風物詩セーブオンのおにぎりとホットスナックを朝食とします。この後信州を通るからには、お昼はそばにするのが順当でしょう。そろそろ新そばの季節です。首尾よく初物にありつくことはできるでしょうか。
コメント

北陸信越縦断ツアー2013

2013-09-20 09:21:24 | 関東
終点の下仁田に着きました。古い木造駅舎もさることながら、山へ向かって突き当たる線路、ローカル私鉄にしては広々した構内、駅前に並んだ農業倉庫などがよい味を出しており、それを含めて心惹かれるよい駅です。
コメント