日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 22:24:18 | 九州
本日は少し早めの全行程終了です。長崎ならさしずめ中盤、福岡ならまだ序盤戦といった時間帯でも、福江の町では軒並み明かりが消えて、早々と一日が終わります。これだけ淋しい夜の街は10月の宮津以来でしょうか。しかしこんな静かな夜もたまにはいいものです。
小さな集落に建つ教会、6時を過ぎても明かりの残る空など、五島らしさをいくつか体感してきた中で、もう一つ気付いたのは五島の静かさです。島内を半周しても、所々に小さな集落がある以外は、町らしい町や商店などがほとんどありませんでした。大手のコンビニやスーパーは見当たらず、まとまった呑み屋街らしきものもありません。深夜まで開いているのは0時閉店のMOSと24時間営業のほっともっとにほぼ限られるという状況ですから、福江の夜がいかに静かであるかが分かります。残念ながら天候には恵まれなかったものの、短い滞在の中で五島の雰囲気を多少なりとも体感できたのはよいことでした。
明日は11時50分発のフェリーで長崎へ向かうため、11時過ぎにはレンタカーを返して港へ向かうことになります。日の入りが遅いということは日の出も遅いわけで、この時期ならある程度明るくなるのは8時過ぎになるのでしょう。そう考えると使える時間は実質3時間弱です。おまけ程度に福江の町の近辺を回って、丸一日の五島滞在は終了となりそうです。帰りの便は直行ではなく、途中二ヶ所に寄港するため、往路よりも一時間ほど所要時間が延びて、長崎着は16時過ぎとなります。しかし、往路の難航ぶりからして、のんびり船旅を楽しむような状況でないことは分かっており、それならいっそのこと高速船で帰れば数時間単位で時間が浮くため、そちらの利用も少し考えるところではあります。道中最後の夜は福岡泊と決めてはいるものの、よくよく考えれば長崎を訪ねる機会もそうあるものではなく、素通りするのも惜しいことです。予定通りフェリーで長崎に着くなら、夕刻の開店と同時に呑み屋を一軒か二軒訪ねてから移動し、福岡では居酒屋と屋台を合わせて二軒ばかりはしごできればよいということにしたいと思います。
明日は再び夜が長くなりそうです。今夜は束の間の休養をとります。おやすみなさいzzz
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 20:52:29 | 居酒屋
日曜晩の福江の町には行き交う人も車もほとんどなく、これが五島列島最大の町かと思うほどの静けさです。明かりを灯す店は数えるほどで、選択肢も自ずと絞られてきます。その中から選んだのは目抜き通りを少し外れた路地裏の寿司割烹「味処 ふくえ」です。

味処 ふくえ
長崎県五島市栄町4-1
0959-72-5504

熱燗
突き出し
刺身盛り合わせ
箱ふぐ味噌焼
すりみ天ぷら
ちらし
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 20:02:43 | 九州
島の中央部を突っ切って福江の町に戻りました。今夜は昔ながらの商人宿に飛び込みで宿泊します。その名も「中村旅館」です。先の「男はつらいよ 純情篇」に登場した、森繁久彌扮する千造の営む旅館とまさに同名、五島の地でこんな宿に出くわすとは思いませんでした。映画の中の旅館とはもちろん別物とはいえ、港近くの立地と絵に描いたような商人宿の設えが旅情を誘います。
素泊まりゆえに、この後は当然夜の街へ繰り出し一献傾けることになります。五島の居酒屋については教祖の事前情報もなく、Web上のわずかな情報以外は自分の嗅覚だけが頼りです。果たしてどんな店に出会えるでしょうか。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 18:30:04 | 温泉
9時の位置まで走ったところであたりがようやく暗くなりました。福江へ戻る県道との分かれ道に、渡りに舟の温泉があるため立ち寄ります。訪ねるのは荒川温泉の公衆浴場です。
男はつらいよ 純情篇」の舞台となった玉之浦への渡船が出る荒川の集落に位置するのが、本土最西端といわれるこの温泉です。漁港のそばの国道沿いのこぎれいな建物は円筒形のファサードを持ち、館内は公衆浴場らしく番台と脱衣所、そして浴場と、必要最小限のものがまとめられた造りになっています。内湯のみの浴場は飾り気がなく質実剛健とした設えで、円筒の外観通りに弧を描いた大きめの浴槽に、無色透明無味無臭の源泉が滔々とかけ流されます。強風に吹かれて芯まで冷えた身体に、熱いお湯がしみわたってくるようです。

★荒川温泉公衆浴場
長崎県五島市玉之浦町荒川郷
900AM-2030PM(火曜定休)
入浴料300円
泉質 ナトリウム-カルシウム塩化物泉(低調性弱アルカリ性高温泉)
泉温 66.5度
pH 7.7
湧出量 222L/min(自噴)
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 17:35:17 | 九州
384号線沿いに西岸を移動中です。今の時期、本土なら5時を待たずに暗くなるというのに、6時近くになっても空にはまだ明るさが残っており、それだけ西へ来たということを実感させられます。これだけ厚い雲に覆われてもまだ明るいのですから、晴天ならばいつまで残照が見られるのでしょうか。夏至の頃など8時を過ぎても明るいのかもしれません。五島ならではの光景をもう一つ見たようです。白い砂浜と碧色の海が美しく、これも晴天ならばなおさらだろうと想像できます。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 16:49:27 | 九州
島内西北端の三井楽教会を訪ねます。これまで訪ねた二つの教会に比べて見た目は平凡とはいえ、小さい集落にも教会があるというのは五島ならではです。天候不順にたたられさしたる収穫もなく暮れようとしている今日一日ですが、唯一五島らしさを感じたのが教会の多さかもしれません。図らずもクリスマスに重なったのは何かの縁だったのでしょうか。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 16:25:30 | 九州
島内西北の小さな半島を回ります。岩場に荒波が押し寄せ、彼方には入り組んだ海岸線が続いて、なかなかのよい眺めです。海の色も鮮やかで、これが晴天ならば目を見張るような絶景になるのでしょう。
風の冷たさは相変わらずで、北海道にはさすがに及ばないとしても、まるで東北あたりを旅しているような気分です。時折空から降るのはあくまで小雪で、雨粒が落ちたことは今のところ一度もありません。それだけ空気が冷たいということでもあります。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 15:20:38 | 九州
島内を四分の一周ほど走って、時計でいうなら12時の位置までたどり着きました。海岸線の総延長日本一の長崎らしい複雑な海岸線をなぞってきたものの、空は相変わらず厚い雲に覆われ、全く絵にはならないのが惜しまれます。メインルートの国道はともかく、そこをそれると人家もまばらな淋しい光景が続くという点で、沖縄本島の北部に似た雰囲気というのがここまで走った上での感触です。もっともこれは天候によるところも大きく、もし晴れれば奄美大島のように思えたのかもしれません。短時間でも日がさしてくれれば印象は大きく変わると思うのですがorz
日没までの時間も大分短くなり、この分だと島の北半分を走ったあたりで日が暮れそうです。西側には温泉もあるので日没後はそこで身体を温め、あとは島の中央を貫いて福江へ戻ることになりそうです。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 13:33:40 | 九州
五島といえば教会の多い土地です。島内を反時計回りに走って堂崎天主堂に着きました。どんより曇った空から時折晴れ間がのぞき、なおかつ雪まで降ってくるという天候は変わりませんが、福江を出てから急に風が強まってきました。止めた車が揺れるような冷たい強風が吹き荒れて、しばらく車外に出るだけでも身体がこわばってきます。当然ながらこの天候では訪れる人もほとんどなく、三連休とはとても思えぬ閑散ぶりです。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 12:03:26 | MOS
日没までの時間はわずか、極力先を急ぐべきところ、その前に十数年来の宿願を果たして五島のMOSで遅い朝食兼昼食をとります。
ごく平凡な郊外型店舗だった奄美大島と佐渡のMOSに対して、こちらは福江の町中に建つ昔ながらのMOSです。さほど大きくはない福江の目抜き通り、といっても地方にありがちなうらぶれたシャッター街にあるのかと思いきや、この店があるのはさらに意表を突いてその一本裏、スナックなどが並んだ飲み屋街の一角です。店先には駐車場もなく、地元客が店舗の前に路上駐車をしてはテイクアウトをしていくという、一昨日下関で眺めた光景がここでも再現されています。往年と何一つ変わらぬ下関東駅店に対して、こちらの店内は壁面に手が加えられたり、喫煙席との間に仕切りが設けられたりと、多少の改装が施されており、店内のしつらえという点ではそれほど印象に残る店舗でもありません。とはいえ、本土から100kmを隔てた西海の小島で、路地裏出店という言葉がこれほど見事に当てはまる店舗が残っていたのですから、はるばる訪ねた甲斐はあったというものです。

モスバーガー五島中央町店
長崎県五島市中央町4-4
0959-72-4167
平日 1000AM-2400AM
土曜 900AM-100AM
日曜 900AM-2400AM
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 11:44:53 | 九州
レンタカーを引き取って出発します。五島での相棒はナンバー777のダイハツミラ、自身初体験となる軽自動車です。予算縮減かというと必ずしもそうではなく、五島では軽自動車のレンタカーが主流のようなのです。大手もほとんど進出しておらず、地場の業者が細々営業していて、車種はわずかに四つのみ、しかもヴィッツが上から二番目というのどかさです。これから24時間借りられはするものの、明日11時50分のフェリーで長崎へ戻ることを考えると、明日はそう遠くへは行けそうにありません。福江の市街を見物するのはそのときに回すとして、今日は時間の許す限り島内を駆け回ります。
沖縄はもちろんのこと、奄美大島に佐渡島など、これまで訪ねた離島には、本土と違う独自の風土に文化というものが存在していました。丸一日の短い滞在ながら、五島らしさというものを一つか二つでも見つけて帰りたいと思っています。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 11:24:49 | 九州
三時間少々の航海を経て福江港に着きました。ここが終着かというとさにあらず。船は五島列島であと二ヶ所寄港し長崎へ戻ります。乗り場には福江からの乗客が列をなしていて、離島においてフェリーという交通機関の役割がいかに大きいかを実感させられます。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 08:32:34 | 九州
長崎湾を出たところで船内に戻りました。普段は陸が見えなくなるまでデッキで振り返る未練がましいこの私でも、どんより曇った空からみぞれが降る今日の空模様では、そこまでデッキに立ち続ける気が起こりません。それ以前に、外海へ出てから波風が俄然強まり、デッキで風を受けるような状況ではなくなってきました。船は日本海のうねりをそのまま受けて、立ち止まっていられないほどの揺れを繰り返すばかりか、時折大波を受けて船全体に衝撃が走ります。新潟から小樽まで冬の日本海を航行したこともあるとはいえ、船体が小さいこともあって動揺の激しさはそのときの比ではなく、どうやら船旅を楽しむような状況ではなさそうです。予定通りに出航したのはよいものの、冬場の日本海の厳しさを違った形で思い知ることになりましたorz
この揺れでは船酔い必至であり、横になって時間をやり過ごすしかなさそうです。これで出発以来の睡眠不足を多少なりとも取り返せるでしょうか。次は福江港でお会いしましょう…
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 08:02:38 | 九州
出航です。福江までは約100km, 三時間半の航海ですから、距離も時間も青森から函館までとほとんど変わりません。そう考えるとかなりの長旅です。
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離島で過ごすクリスマス 三日目

2011-12-25 07:38:20 | 九州
長崎港に着きました。高速船なら一時間半で着く五島へ、わざわざ倍以上の時間をかけてフェリーで渡るのは、船旅をを楽しむためでもあります。船旅には車にも列車にもない特有の旅情というものがあります。高速船の座席に腰掛け直行するより、船室に寝転び、時にはデッキで風を受けつつのんびり旅する方を選びました。運賃が半分以下で済むという金銭的なことより、時間と引き換えに旅情を買ったというのが真相です。乗船手続きを済ませて乗り場へ向かえば、そんな旅情も俄然高まります。
市街には小雪が降ってきました。雪といっても昨日と同様雨粒が冷たくなって雪に変わったというのがふさわしく、積もるほどのものではなさそうですが、ホワイトクリスマスと思えばこの雪もまた風流に感じられます。
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