もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「尺には尺を」大千秋楽

2016-07-23 01:38:26 | 藤木直人
「尺には尺を」 梅田芸術劇場ドラマシティ 2016.06.27 13:00~ 

大阪の大千秋楽に行ってきました。
今年の5~6月は、ほんとに「尺には尺を」の月でした。

大阪では、さいたまとはいくつか演出上の変更もありましたね。
さいたまは舞台の奥行きがとても広く、それを生かした演出もあったけど、ほかの劇場は
そういうわけではないし。
また、客席の通路の場所や入口の場所なども違うので、そのあたりを考慮した演出の変更も
ありました。

全公演終わったんで、簡単な内容も触れてみたいと思います。


主役は直人演じたアンジェロですが、影の主役といっていいのは、辻さん演じた侯爵だと思います。
誰かが、侯爵は「水戸黄門」のようだと言ってましたが、かなり近いと思います。
ただ、水戸黄門のように世直しという美しい話ではありません。
侯爵は、自分が規律をゆるくしてしまったせいで、世の中が乱れているので、取り締まりをきつくしたいと
思ってるんですが、でもそれを自分が行うと暴君といわれるのが嫌だからと、
規律に厳しい性格のアンジェロにやらせるわけです。そして、それを国外に行ったと見せかけて、国内にとどまり
さらに、神父の姿になって、見届けるんです。なかなか性格が悪い。
ただ見届けるんじゃなくて、影から操るし。まあ、最後、丸く収めるところが、悪人ではないところですが。

アンジェロは侯爵が思った通り、厳しく取り締まりを行うようになり、
婚姻前に婚約者を懐妊させてしまったという罪でクローディオを死刑を求刑する。

クローディオの友人ルーティオは、妹のイザベラのところに行き、兄の命乞いをアンジェロにするよう頼む。
イザベラはアンジェロに会いクローディオの罪を取り消すよう頼むが、最初はアンジェロは受け付けない。
が、ルーティオに促されて再度、命乞いをするイザベラは、今度は立て板に水のように命乞いをしだす。
さらには、アンジェロの胸に手をあててみたり、賄賂は「処女の捧げる祈り」だとか。。。
アンジェロが戸惑い、希望が開けたと思うと「明日は何時にくればよいですか?」などとしたたかに聞く。
いやいや、意外にイザベラも只者ではないやつだと思われるんですよね。

アンジェロはこのとき、イザベラにやられてしまったんでしょうね。
古い表現を使うと(笑い)、ハートを矢で射ぬかれたって感じ?
今まで、そういう経験がなかったアンジェロだから、ここでこの恋心に葛藤するわけです。

そしてイザベラが再びアンジェロを訪ねる。イザベラに恋をしてしまったと自覚したアンジェロは、
イザベラに告白し、さらに、体を差し出せばクローディオは許すという取引を持ちかける。
イザベラはアンジェロを罵倒し突っぱねるが、アンジェロはイザベラの体を抱きさらに迫る。
が、イザベラは逃げ行ってしまう。

イザベラは兄クローディオのいる牢にやってくる。
兄は期待するが、イザベラはアンジェロに兄を許すためには体を差し出せと言われたことを話し、
そんなことできないから、「明日死ぬのよ」などと兄に言い放つ。
それを立ち聞きしていた神父のかっこをした侯爵が、「いい考えがある」と言って、
イザベラに策を授ける。その策は、アンジェロと昔婚約していたマリアナと入れ変わるということだった。
そしてそれを受けて、イザベラはアンジェロに約束をしに行く。

ここで一幕終了。

とはいっても、アンジェロがらみの話だけでなく、神父のかっこをしている侯爵に向かって、
ルーティオが侯爵の悪口を言ったり、ポンペイさんが捕まっていったりとか、いろいろと話はあったんですけどね。


二幕は、マリアナを侯爵が訪ねるところから始まります。そこにイザベラもやってきて、
夜にアンジェロのところに行く約束をしたので、マリアナと入れ替わる算段をつけます。

アンジェロがイザベラ(マリアナ)と夜、抱き合ったので、侯爵は牢に行き、看守にクローディオの死刑が
なくなった通知が来るだろうと告げ、その通知を待つが、、、、来たのは死刑執行の命。
クローディオとバーナディン二人を死刑にし、クローディオの首を持ってくるようにとのこと。

バーナディンを死刑のため牢から連れてこようというときに、看守が同じ日にクローディオと似た囚人が
病気でなくなったので、クローディオの身代わりにしようということになる。
が、そこにやってきたイザベラには、侯爵はそのことを告げない。
(そのあたりが善人ではない感じなんですよね~楽しんじゃってるし・・・)
そのかわりに、侯爵がもうすぐ国に戻るので、そのときに、アンジェロの行ったことを訴えればいいなどと
イザベラをけしかける。

一方、アンジェロは、イザベラ(実はマリアナ)との逢瀬のあとから、気持ちが揺れ動いている。
そして、すぐにクローディオを処刑してしまったことを後悔している。
ローブを投げ捨て、苦悩するが。。。再ローブを羽織って戻っていく。

侯爵が帰還する。出迎えるアンジェロたち。
そこに、イザベラがやってきて、アンジェロの行動を侯爵に訴える。
しかし侯爵は訴えを聞かない。ピーター神父やマリアナも現れる。
イザベラたちの後ろには一人の神父がついているとわかったので、侯爵は看守にその神父を連れてくるよういいつけ、
イザベラたちの処遇はアンジェロたちに任せるといって去っていく。
(完全に茶番ですな~ピーター神父と看守はすべてを知ってるわけだから)

そして侯爵は神父の恰好で現れ、神父服を脱ぎ、侯爵としての姿を見せる(水戸黄門の印籠ですな)
アンジェロは、潔く「死を賜りたい」と罪を認める。
しかし、マリアナはアンジェロを今でも愛していて、それを知っている侯爵は
アンジェロとマリアナを結婚させる。
その上でアンジェロを死刑にというが、マリアナがそこでアンジェロの命乞いをする。
イザベラにもマリアナは頼み、イザベラも「私と出会う前は、よい君主だった」と命乞いをする。

そのとき、看守がクローディオたちを連れてくる。実は処刑されていなかったことを知ってイザベラは
クローディオに抱きつく。アンジェロも罪を許され、マリアナと仲良く暮らすように言われる
さらに、侯爵は、なんとイザベラに結婚を申し込む。
なんなんだって結末ですよね。侯爵の性格がよくわからん!
「私のものはあなたのもの。あなたのものは私のもの」などと言い放ち、みんな口があいたままですよね。
イザベラはすぐには答えず、駆け出してしまう。
それを追いかけて侯爵以下みんな退場。クローディオとジュリエット、アンジェロとマリアナの二組が
最後に退場していく。

最後に、白いドレスのイザベラが現れ、登場のときと同じように、白い鳥を放つ・・・



そんな感じの内容でしたが・・・

侯爵に振り回されっぱなしのウィーンの人々って感じですかね(笑い)
根っからの悪い人ではないとは思うけど、でもやっぱりとんでもない人だよな~
最後にイザベラに結婚を申し込むという仰天行動だしね。

いきなり、マリアナとアンジェロを結婚させちゃうのも驚いたし。
エスカラスが「展開についていけない」みたいなことを言うんだけど、客席もみんなそうです。

最終的にはハッピーエンドだから、喜劇の分類なんでしょうね。

イザベラは、侯爵に結婚を申し込まれて、なんと答えたのか?は、はっきりとは示さなかったけど、
でも、最後に白いドレスってことは結婚するってことなのかな~
白い鳥を放つのは、新しい旅立ちってこと?
侯爵とイザベラって、めっちゃ年の差婚になるよね~


そうそう、イザベラとマリアナが入れ替わるトリックをもっとしっかり描くのかと思ったら、
まったく描写がなく、ちょっと拍子抜けでした。
いや、別に直人のベットシーンが見たかったってことでもないんだけど、それって肝じゃないかなと思ったわけです。

が、松岡和子さんの訳本を読みましたが、原作もトリックの描写はないんです。
だから、原作に忠実ってことなんですね。


さて、アンジェロ役の藤木直人さまですが。。。
さいたまの千秋楽感想にも書きましたが、初日から公演を続けるに従い、本当にうまくなったなって
思いました。表現だけでなく、声の出し方とかも含めてです。
それは、多部ちゃんにも感じました。多部ちゃんをいろいろな芝居で見てますが、
もともと上手いし、声もいいんだけど、でも、さらにうまくなったなと感じました

1幕で、イザベラがアンジェロを訪ねてくるところ。
カーテンが舞台にあり、カーテン越しに話したりという掛け合いのところがとてもよい演出だなと
イザベラがアンジェロを糾弾しながら、カーテンの半分を落とし、それに対してアンジェロも
本性をあらわにしてもう半分のカーテンを落とす。
アンジェロも清廉潔白に見えて、実はそうではない一面もあるんですよね。
アンジェロの服の胸元がだんだん開いていくんだけど、、、まあ、動くたびにってことですが、
直人ファンはそこをガン見してたことでしょう(笑い)

2幕で、ローブをたたきつけるシーンも、アンジェロの苦悩がよく出てました。
ここがうまくなったな~って特に思ったとこかな。
退場する前に、客席のほうをにらみつけていくんだけど、この時の目がすごく素敵なんです。

そう、大阪では演出が変わっていて(舞台の広さの影響と思うけど)
最後にイザベラを追いかけてみんなが退場するシーン。
さいたまではアンジェロとマリアナも奥へと退場していたんですが、大阪では、一度客席に降りて、
少し歩いてから、また舞台上に戻って退場するんです。
さいたまで、この演出だったら、私、めっちゃ目の前だったから、興奮状態だったろうな~残念。

ただ、大阪の私の席は、侯爵が帰国したときの出迎えのため、客席から降りてくるアンジェロがすぐ
脇を通る席で。。。近くで見れてうれしかったです。


他のキャストは。。多部ちゃんは可憐でかわいかった。
声もよく通るし、表情も豊かで、舞台向きだな~って思いました。

辻さんは上手いですよね~完全に主演のような感じでした。
こずるい侯爵を巧みに演じてました。

あとは、ルーティオの大石さんもいい味だしてたな~


そうそう、この芝居は、開場してから舞台上ではキャストの人が舞台裏で練習しているような
光景になってます。
体をほぐしたり、発声練習をしたり、
最初は2,3人ですが「開演15分前です」のアナウンスが流れると徐々にキャストが集まりはじめ、
直人は、10分前くらいですかね~出てくるの。
直人と多部ちゃんと辻さんは最後の方でした。

辻さんは、いつも、舞台の奥から一番前まで歩きながらセリフの練習を何度も何度もしてました。
多部ちゃんはニコニコといろんな人と談笑してることが多かったかな。
直人も、キャストのいろんな人と話してました、あとは、セリフの練習はしてましたね~
まえけん体操をしたりする日もあったり・・リラックスムードでした。

「開演5分前です」のアナウンスが流れると、
ローブなどがかかったハンガーと姿見が出てきて、キャストはみんなローブを着ます。
直人はだいたい最後に着てたような。かっこいい~
ハンガーが出ると同時に、舞台セットもセッティングされます。
そしてお約束が、クローディオ役の松田くんとグータッチ。
松田くんがいつも直人のところに行って、タッチしてました。松田くんは多部ちゃんともしてた。

鐘の音が鳴り響くと開演で、アンジェロを中心に全キャストが横一列に整列し、お辞儀というより「礼」って感じ?
をして芝居が始まってました。
蜷川演出だな~って毎回思ってました。

カーテンコールは、ホントに毎回、スタンディングオベーションで、、、キャストもうれしかったんじゃないかな。
座長の直人は、みんなが揃ったかを確認して、お辞儀をしてました。やっぱりそういう姿を見ると
ホントにうれしくなります。

蜷川さんの写真は、泣けちゃいますね。最後まで見守っていてくれたんですね。

写真が出てからは、お辞儀をしたあとに、くるっと後ろを向いてさがり、さらにもう一度お辞儀をするんだけど、
後ろを向くときに蜷川さんの写真に何を語りかけてるのかなって毎回気になりました。

大阪の大千秋楽は、4回目のカテコのあとも、みんな帰らず拍手をしていたら、もう一度幕があき、
そのときは、辻さんが中央にたって、カテコをしてました。なんかそれもジーンとしちゃった。

私たちはそれでも少し残っていたら、幕の内側で、キャストスタッフの歓声が。
そのあと締めの三三七拍子
客席に残ってた人もみんな一緒にやりましたよ。なんか私たちも一体になった気がしてうれしかった~

アンジェロとともに駆け抜けた、約1か月でした。
楽しかった~直人、それから皆さまお疲れさまでした。

欲を言えば、蜷川さんにガッツリと指導してほしかったな~とも思いますが、
でも、この芝居に出れたこと、ここで学んだことは、これからの直人の役者人生の財産になるなって
本当に思いました。

さいごに大阪に来てたお花です。




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