凡凡「趣味の玉手箱」

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愛知万博の環境配慮施設

2005-09-18 09:02:18 | 国内旅行フォトログ

写真は新エネルギーによる発電量を示すパネル

愛・地球博はかけがえのないこの美しい地球をいつまでも人類共通の財産として残してゆこうというコンセプトから設計されているのだと思う。

西ゲートから会場に入って感じるのは非常に歩きやすいことである。クッションが感じられて、足に負担がかからない、いわば足に優しい歩道なのだ。床材は愛知県の間伐材や廃木材と廃プラスティックの混合材の他ブラジル産のユーカリ植林材が使われているという。

日本館では生分解性のプラスティックの外壁が使われている。生分解性のプラスティックの原料はトウモロコシ等の澱粉などである。時間が経過すれば朽ちて二酸化炭素と水に分解されて跡形もなくなってしまう材料が使われているのだ。

大地の塔の外壁には空調負荷を減らす為に水が流れている。水の薄い膜で塔全体を覆うことによって、周囲の温度上昇を抑える。水が全体に行き渡るように、塔の外壁には親水性が非常に高い光触媒塗装が施されている。光触媒は酸化チタンが触媒となって光のエネルギーを利用して起こる光分解反応で窒素酸化物を無害な窒素と酸素に分解する効果も有する。

会場内で出る廃棄物は9種類に厳密に分別収集され、処理され高温ガス化炉やメタン発酵設備に送られ処されている。コンポストも製造されるので、由来のはっきりしている食材に限定して良質なコンポストにするため、会場内への弁当の持ち込み禁止が一役買っているのかもしれない。

会場内では風力発電や太陽光発電などの新エネルギーが企業パビリオンや広場などで使われている。NEDOでは新エネルギーによる分散型エネルギー供給システムの実証研究が行われている。太陽光発電設備や燃料電池によって発電された電力が長久手日本館やNEDOパビリオンで使用される。11時時点での太陽光発電による発電は48kWと表示されていたが、14時には200kWを上回った値を示していた。燐酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型燃料電池による合計発電量は433kWであった。

その他、屋上壁面緑化、竹の利用、ミスト、水素燃料バス、ガラス等廃材利用、天然素材の利用などありとあらゆる環境に配慮した試みがなされていた。

さて愛知万博は9月25日終了で、残すところ10日弱と余りとなった。入場者数は2千万人を越え、筑波万博の入場者数を上回ることが確実になり、入場料収入も大幅に当初見込みを上回ったようだ。

この立派な施設はこれからどうなるのだろうか。跡地全体は公園として利用され、エネルギープラントは中部臨空都市に移設されてその後5年間近く実証研究が行われるようである。しかし企業パビリオン等についてはまだその活用方法がはっきりと決まっていないようである。後始末が大切、多くの英知を集めて折角作ったすばらしい環境配慮施設、ぜひとも負の資産“ゴミ”とならないように関係者の皆様に知恵を絞っていただきたいものです。

(平成17年9月16日)


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