涙と笑いのHIV奮闘記II

自分とは無関係と思っていた病気の闘病を続けるオヤジの日記。
歳のせいか治療の副作用のせいか忘れ物がひどいんです。

松竹座で関西・歌舞伎を愛する会第25回「七月大歌舞伎」

2016-07-07 21:00:00 | 古典芸能

今松竹座で開催されているのは関西・歌舞伎を愛する会の第25回公演「七月大歌舞伎」  

そして五代目中村雀右衛門襲名披露興行ともなっています。

近鉄大阪難波駅を降りて改札を出ると、左手に夏休み文楽特別公演の大きな、おそらく3mほどもある大きな広告。

徒歩10分もしないうちに松竹座に到着。

正面に上がっているいる芝居の看板。昼の部と夜の部。

そして左右に出演する役者の名前が書かれた幟。

劇場二階に中村雀右衛門襲名披露の紹介コーナー。

五代目中村雀右衛門の定紋は京屋つなぎ。
その門と一緒に祝幕、そして樽酒「京ひな」。 

 

先代中村雀右衛門と五代目中村雀右衛門の写真。

左上から時計回りに、
鎌倉三代記の「時姫」、二人道成寺の「白拍子花子」(もう一人は中村芝翫、今回出演している中村橋之助の父親。
橋之助は今度八代目中村芝翫を襲名し、来年の初春歌舞伎はその襲名興行です)、
本朝廿四孝の「八重垣姫」、
祇園信仰祭礼記の「雪姫」ですね。

中村歌右衛門在命中は不遇でしたが、
彼の死後大きく花開きましたね。
そりゃあ、ぽってりとした濃厚な雰囲気を持ったいい役者さんでした。

 

 

 劇場に足を踏み入れると、祝幕。

そして花道には最初の演目「菊畑」の小道具。

菊畑が終了して所作台を片付けます。
大道具さんが法被を羽織っていて、その襟には「五代目中村雀右衛門」の文字が白く染め抜かれ、
背中には京屋つなぎの定紋。

 

感想など手短に。

「鬼一法眼三略巻」から「菊畑」

「菊畑」と「一条大蔵卿譚」あとはせいぜい「奥庭」くらいしか出ないので、この場面だけみると筋がよくわかりませんね。

鬼一・鬼次郎・鬼三太が兄弟。
しかし面識はない。
鬼三太が知恵内として、義経が虎蔵として登場。

丸本物(もともと文楽として造られ、歌舞伎化されたもの)なのですが、自分はあんまり好きじゃない演目です。

鬼一を演じる中村歌六が意外とよかった。
最近老け役でよく見かけるようになりましたね。

「口上」

一番衝撃だったのは片岡我當の姿。
黒子に支えられ、呂律も回らず、セリフが聴きづらい。
最初に挨拶をした坂田藤十郎と、「封印切」で藤十郎の忠兵衛と丁々発止のやりとりをする
あの八右衛門をこの前まで演じていたとはとても思えない。

いろいろな役者と雀右衛門の関係がわかって面白いですよね。

そういえば、坂田藤十郎は中村扇雀から中村鴈治郎を襲名したときも、
そして中村鴈治郎から坂田藤十郎を襲名したときも、
襲名披露興行を観に行ったっけな。

「鳥部山心中」

いかにも新作歌舞伎、岡本綺堂作、の演目です。
修善寺物語、番町皿屋敷、桐一葉などがありますが、かなり苦手。
どこがいいのかよくわからないんですよね。
この作品でもなんであんなに簡単に半九郎と源三郎がキレるのか。
結局心中の道行を観る作品なのかなぁ。

「芋堀長者」

岡村柿紅作の歌舞伎舞踊。
緑御前、左内、兵馬が舞うときは常磐津だったのに、
藤五郎(実は治六郎)が舞うときは長唄。

岡本柿紅は他にも「棒しばり」とか「身代座禅」「太刀盗人」なども作っています。
どれも筋も踊りも両方楽しいコミカルな舞踊ですね。

治六郎が翁の面をつけて舞うときは衝立の向こうで藤五郎が、
藤五郎が舞うときは蓬莱山が描かれた衝立の向こうで治六郎が、
おもしろい動きをするのですが、端の席の人には見えないでしょうね。

菊畑、鳥部山心中と辛気臭い演目の後に、
この芋掘長者で一気に会場が盛り上がりましたね。



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