変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Collapse and expansion of China (中国の歴史05 中華の崩壊と拡大(魏晋南北朝))

2018-06-30 11:10:50 | 読書
図書館で借りて読んだ“中国の歴史05 中華の崩壊と拡大(魏晋南北朝)”の感想を以下に記す。八王の乱や永嘉の乱により、西晋が滅亡し、それ以後の中華の崩壊と異民族であるはずの北朝の漢族化とその拡大が書かれている。漢族の統一王朝である西晋の崩壊と南方での東晋としての復活、南朝は基本的に北朝に押されており、北魏の華北統一以後は、徐々に南朝の領域が狭まっている。印象的だったのは、異民族であったはずの北魏が、華北で君臨する期間が長くなると、南朝よりも正統王朝で見なされるようになっていると述べられている点である。事例として、P.263に、北魏末の混乱時での、漢族名族の高翼と封隆之の勤王の志が述べられている。西晋や南朝という中華の崩壊と、それに代わる異民族を取り込んで拡大した隋唐につながる北朝、すなわち中華の拡大を主題ということになる。第9章と第10章は、日本や朝鮮について書かれており、これらの章は、中華の拡大という視点から必要ということになる。
 本書で書かれている魏晋南北朝は、政権交代が多く、漢民族や異民族の移動の規模が大きい。それにより、歴史の深みを感じられる時代のように思う。
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