変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

The Four (the four GAFA 四騎士が創り変えた世界)

2019-03-10 12:24:56 | 読書
 図書館で借りて読んだ“the four GAFA 四騎士が創り変えた世界”の感想を以下に記す。GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonのことであり、未だかつてない程世界中に影響を及ぼす企業群として述べられている。GAFAは、世界の時価総額ランキングの上位に食い込んでいる企業で、状況によっては4社が上位5位以内に入ることもある。パソコンかスマートフォンを使っていて、GAFA全部を知らない人はいないと思わせるところがある。GAFAが隆盛している要因は、本能に訴える力とシンプルで明確なストーリーと分析している(P.44、176)。読んでいて面白い本である。読んでいて思った事は、企業の規模を表す指標として、売上はあまり出てこず、時価総額がよく出てきている。また、社会への貢献の指標と規模を表す指標として、従業員数が出ている。アマゾンは、狩猟採取の本能に訴える(P.53)。アップルは、「神」と「セックス」に近づくという本能に訴えている(P.120)。フェイスブックは人とつながりたいという本能に訴えている(P.163)。グーグルは知りたいという本能に訴えている(P.205)。四騎士が、いきあたりばったりの行動で成功したという記述(P.250)は、納得がいく。結局は、四騎士も金儲けで動いているという記述は、ある意味当然と言える。フェイスブックとグーグルがメディア企業でなくプラットフォームだと言っている点(P.201)は知らなかった。会社の利益の観点からすると、ここで述べられているように、当然かもしれない。
個人的に役立つと思った事は、第10章の“GAFA「以後」の世界で生きるための武器”で書かれている内容である。著者のスコット・ギャロウィイはニューヨーク大学スータン経営大学院教授なので、こういった能力開発に関わる文章を書くことは得意かつ好むではないかと思う。“当事者意識を持つ人は、細部を気にして、予定を気にして、自分が全部を掌握しないと何も起こらないと考える(おそらく本当に何も起こらないだろう)”(P.366)と書かれている。自分や周囲の仕事を振り返ると、そんな印象がある。本作の特徴として、()中の補足の文章は、著者の本音に近いことが書かれており、印象的である。“好きなことではなく得意なことでキャリアを築く”(P.384)で書かれている内容が一番重要だと感じた。引用すると、“やりたいことをやるのではなく、才能を持っていることをやるのだ。自分は何が得意なのかを(早いうちに)見極め、その道のプロとなるよう力を尽くす。大好きになる必要はないが、嫌いであってはいけない。訓練でプロのレベルに達するなら、世間から認知されて報酬を受けることで、それを好きになれるだろう。“である。こういった事が出来れば、世界で最優秀でなれなくても、生き残られる程度の報酬を受けることは可能と考えている。これが一番重要だと思う。
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