宮川歯科医院 院長ブログ

堺市西区の宮川歯科医院 院長の宮川和人がブログで色々なことを語ります。

お母さん、お子さんの前歯の歯並び、かみ合わせに注目!!

2008年10月30日 | 歯のお話
 最近、1歳半や3歳半の子どもさんの歯科検診で気になる事が増えてきました。
それは歯どうしの隙間がなくなっているだけでなく、かみ合わせが深くて、かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯に隠れて見えなかったりする子どもさんが増えてきている点です。一見すると「どこが悪いのかな?」と思えてしまうかみ合わせですが、
じつはお顔をよく診てみますと、下あごの位置が後ろに下がっている場合が多く、
下の前歯が上の前歯にしめられて、内側(舌の方向)に傾いていたり、歯どうしが
重なって生えていたり・・・。また、声が小さく発音も明瞭ではない子こども
さんが多いようです。以前は乳歯どうしのかみ合わせの深いケースは2~3年経つと
咬んで歯が減ることによって、改善すると考えられていましたが、一向に浅くなる
傾向にありません。ここで注意してほしい点があります。それは乳歯どうしのこの様な深いかみ合わせは、このままだと永久歯に生え変わってもよくならないという事なのです。そこで矯正治療を始める適齢期(6歳以上)前に、是非身に付けてほしい食習慣があります。それは『前歯をよく使う』という事です。前歯は、包丁の
代わりの歯です。包丁で小さく切ってあれば、前歯を使うことがなく、最初から
奥歯を使って噛んでしまいます。ですから、大きな口を開けて、前歯でかじりとる
食べ方が大切です。例えば、大きな口を開けてリンゴや梨や柿などを丸かじりをさせる。トウモロコシも前歯でかじり取ってほしいのです。このような食べ方に慣れていないと、前歯本来の役割が果たせなくなるだけでなく、咬む力が正しく顎の
骨に伝わらないために、顎の骨ならびにお顔全体の成長発育にも影響が出てくる
と思います。さあ、今から取り組んでみませんか!



ちょっと恥ずかしい話

2008年10月26日 | 気まぐれ日記
 仕事中に急にお腹が痛くなったり、尿意を感じてトイレに駆け込みたくなる時、今
では患者さんに一言掛けさせてもらってから、席をはずすようにしている。しかし
勤務医時代、診療所がビルの中でトイレが離れた場所にあったので、次の患者さんが
イスに腰掛けるわずかの合間を利用して、大急ぎで用を足しに行ったものだった。
本当に時間との勝負で、冷や汗の連続だった。患者さんの立場からみると、早く治療を終えてほしいという気持ちだったと思うので、「焦り」と「緊張」のあまり、かえって、トイレからなかなか出られない状態になってしまう。当時、先輩の先生から
以前勤めていた医院で、あまりにも忙しくてトイレに行く時間がなくて、膀胱炎を
患ってしまった話を聞かされていたので、自分もこれではいけないと思い、それから
患者さんには申し訳ないが、今ではお話をさせてもらってから用を足すことにしている。ただ、今でも急に腹痛が襲ってきた時、トイレに駆け込んでしまって、患者さんからの電話にすぐに出れない場合、しばしお許しを頂きたいたいと思います。
暫く経ってから、再度お願いしたいと思います。

"歯ぎしり”について(パート2)

2008年10月23日 | 歯のお話
歯医者さんのところで行う歯ぎしりへの対応
1、歯ぎしりから歯や顎の骨を守る
  就寝中の歯ぎしりや起きている間の咬みしめから歯を守ったり、ギシギシと音が
  ならないようにするために「ナイトガード」と呼ばれる装置を入れてもらう場合
  があります。市販の既製品もありますが、咬みあわせの問題点はそれぞれ違うの
  で、ご自分の歯にぴったり合った「カスタムメイド」のものがオススメです。
  歯医者さんのところで型をとって作ってもらえます。
  ただし、きちんと毎晩使わなければ効果はありません。
2、治療が必要な歯はきちんと治してください
  左右のどちらかの歯が抜けたままになっていたり、被せや詰め物がはずれたまま
  の状態で食事を続けていると健康な歯におおきな負担がかかります。
  歯が悪いこと、痛みがあることが、ストレスを生む原因にもなります。
  痛みが生じている歯は、反射的に咬しめてしまいます。歯が弱っているところ
  へ歯ぎしりなどの負担がかかると、急激に症状が悪化するのです。
  ですから、かみ合わせの治療を通じて、咬みやすい環境を整えることが大切
  になります。
3、問題のある咬みあわせを治す
  咬みあわせのバランスを整えたり、必要な咬みあわせの調整をします。
  歯ならびが原因になっている場合には、歯列矯正が必要になることがあります
  ただし、急激な咬みあわせの変更は、逆効果になることもあるので注意が必要
  です。
4、定期検診を受けて、清潔なお口の環境をつくりましょう
  歯ぎしりが歯周病やむし歯を悪化させてしまうことも解ってきました。お口の
  汚れ(細菌の塊=プラーク)を取って、さわやかなお口の状態を保ちましょう

前歯だけ矯正できることをご存知ですか?

2008年10月19日 | 歯のお話
 前歯の歯並びが気になって歯医者さんのところへ相談に行った経験のある方であれば、お解かりだと思います。気になっているのは前歯だけなのに、奥歯も含めてお口の中全体の矯正治療が必要だと言われたり、治療期間が予定より長くかかりそうな内容であったり、費用のほうも予想よりオーバーして治療をあきらめてしまった方も
いらっしゃるのでは・・・
実はそんな悩みをかかえていらっしゃる方によい情報があるのです。
それはMTMという部分矯正治療というやり方です。患者さんが一番気になっている
ところの歯だけしか動かしたりしないので、治療期間が一般矯正治療(お口の中の
歯全体を動かす治療方法)と比べて短く(6ヶ月後には別人の歯並びになること)
しかも治療費が安くできるのです。また、矯正装置そのものも、なるべく人目につきにくい形が出来る様になりました。歯を抜かずに、見えない矯正治療が可能となりつつあります。
これから矯正治療を始めてみようかどうか悩んでいる患者さんに私から一つお願いがあるのです。それは患者さんの今悩まれている問題点と望まれている治療結果
を教えていただきたいのです。なぜならば患者さんの満足が得られなければ治療
すべきではないと考えているからです。ご相談にいらっしゃれば、悩みをお聞きしたうえで、治療できることできないことを全て説明させてもらいます。その上で
よく考えてから決断なさってください。少なくても3つの医院でご相談されたほうがいいと思います。

”歯ぎしり”について(パート1)

2008年10月12日 | 歯のお話
 最近、患者さんから”歯ぎしり”に関する問合せやご相談件数が増えてきています。
実は”歯ぎしり”や”咬みしめ”で歯を失うことがあるということをご存知でしょうか?
以前から「歯を食いしばる」とか「歯ぎしりをする」という言葉は、「我慢する」「いらいらする」というような意味で、日頃から使われてきました。
 歯には食べる、発音する、いい顔をつくるという役割のほかにも、歯ぎしりをすることで精神的なストレスを発散する役目もあると言われています。けれども、過度の
”歯ぎしり”や”咬みしめ”は、「ギリギリ」音が鳴って周囲の人の迷惑になるというだけでなく、口の中や周囲の組織に大きな影響を及ぼし、歯を失う原因にもなりかねないのですが、そのことはまだあまり知られていません。また、”顎関節症”の症状
であるところの「あごの関節に痛みがあったり、カクカク音がなる、口が急に開かなくなったりするなど」の原因であったりする場合があります。
 ”歯ぎしり”や”咬みしめ”のことを総称して”ブラキシズム”といいます。この度、
”ブラキシズム”についてもっと知っていただくことで、歯を守り、いつまでもご自分
の歯でおいしく食事ができるようになっていただき、楽しく人生を過ごしていただくことが、私の「願い」であるのです。次回は”ブラキシズム”がなぜ問題なのか、
歯科医院や家庭で行う対応についてお話をしてみたいと思います。

矯正治療で『歯を抜くのか、残すのか・・・』どちらがいいのでしょうか?

2008年10月09日 | 歯のお話
 まず、成人の方の場合と子供さんの場合に大きく分けて考えてみなければいけません。子供さんの場合、6歳で頭の骨の成長の80%が済んでしまいます。二次成長は10歳前後から始まりますので、この期間中でしたら顎の骨の成長が見込めますから、歯を抜かずに治療ができます。問題は二次成長の終わる男子(18歳頃)、
女子(14歳頃)までの年齢の子供さんの場合です。この時期の顎の成長、発育の
予想が困難な方がいらっしゃいます。ですから一番理想的な矯正治療の開始時期
は、6歳前後から始めて、犬歯の生える10歳ぐらいまでに終えることです。
ですが、10歳を過ぎたからと言って、遅すぎるということではありません。しかし、
治療期間が延びたり、そのために治療費が余分に掛かってしまうことがあります。
ほとんどの親御さんは、矯正治療のために虫歯でもない健康な歯を抜く事に抵抗感
があると思われることでしょう。そこで、今では抜くか抜かないかどうか迷うケースでは、抜かないで治して、その状態を確認してから、もう一度相談のうえ抜くかぬかないかを判断させてもらっています。
なぜならば、抜かないで治療した場合、そこから歯を抜いて治すことは可能ですが、抜いた歯を元に戻すことは出来ないからです。
歯を抜かないで治す場合、歯列が拡大されることで歯の凹凸が治ります。しかし
成人の場合、拡大することによって前歯が前に出ることもあり、口元が膨らむ
傾向の方もいらっしゃいます。これは顎の成長がないためです。ですが歯の大きさを事前に測っておけば、ある程度予想のつくことですし、その対策も立てられます。問題は治療の期間が若干長引くことに対する患者さんの理解と協力が得られるかどうかという点だと考えています。
ですから矯正治療の相談をお受けになる際に、担当医から歯を抜く事で起きる
メリットとデメリット、そして抜かないことで起こるメリットとデメリットを十分に聞いてから、ご自身が十分納得したうえで治療を進めるのがいいと思います。
また、担当医とのコミュニケーションがあまり上手にとれていないなと感じられる
場合は、セカンドオピニオンを聞くのも得策でしょう。

大切な子どもさんの矯正治療を始める前に・・・

2008年10月02日 | 歯のお話
 「これから矯正治療を始めてみようかな」とお考えの親御さんに、大切なお話を
してみたいと思います。
今まで矯正治療の相談に乗らせていただいて一番感じることとして、相談された歯医者さんが、お子さんの事をわが子のように親身になって考えてくれる方かどうかという点です。そのために、誠実な歯医者さんであるかどうか見分けるための、3つの
ポイントをお話したいと思います。
 1、まず、挨拶から始まって、『話』をよく聴いてくれているかどうか
 2、「歯並び」や「かみ合わせ」に関する問い合わせに対しても、その原因が
    どこにあるのか、きちんと説明してもらえるかどうか
   なぜならば、原因をはっきりさせておかないと後戻りする可能性があるから
   です。
 3、親御さんと先生との相性がいいかどうか
実は一番大事なのは、3の先生とのコミュニケーションがうまく取れそうかどうかだと考えています。これは言葉ではうまく説明ができないのが残念ですが、他の
歯の治療と違って矯正治療は期間が長くかかる(6ヶ月以上)ケースが多いため、
治療期間中に色々な事が起きます。よくなる為には、時には辛いこと、苦しいこと
も経験する場合があります。そのような局面でも、この先生と一緒に頑張って、乗り越えていこうとする気持ちが大切になります。ですから、矯正治療を始めようか
どうか悩んでいる親御さんが、安心して信頼のできる歯医者さんに巡り会えることを、心より願っています。