風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政界床屋談義

2017-05-19 23:12:35 | 時事放談
 久しぶりにぼやきたい。
 今日の日経夕刊一面に出ていた「『共謀罪』法案可決」と題する記事を読んでいると、「民進党の蓮舫代表は19日午前の参院議員総会で『今急がれるのは共謀罪よりも加計学園や森友学園の真実の究明だ。政権の横暴は絶対許さない』と述べた」ことが目に留まり、違和感を覚えた。果たしてどのような文脈でなされた発言なのか、これだけの短い記事では分からないが、今、急がれる検討は法案審議に合わせたテロやあるいは近隣の中国や北朝鮮を巡る安全保障情勢の分析と対策(が十分かどうか)などいろいろあると思うのだが、相変わらず安倍政権のやることにケチをつけるか足を引っ張ることしか眼中にないのかと、哀しくなる。2年前の安保国会で憲法学者が「違憲」と言ったことを盾に、一向に安全保障環境の現実を顧みることがなかったのと似たような行動パターンにはがっかりしてしまう。
 がっかりしているのは私だけではなく、高須クリニックの高須院長に至っては、一昨日の衆院厚生労働委員会で民進党の大西健介議員が美容外科の広告に関連する質問の中で同クリニックのCMを「陳腐」と発言したことに対して、名誉毀損で東京地裁に提訴することを明らかにした。その理由が揮っている。「大西氏は党を代表して質問した。党首もOKしているはずだ。民進党が攻撃だけで好き勝手言っていて、自民党が応戦一方で反撃しないから、国会での発言が言いたい放題なことに前から怒っていた。庶民でも怒れる、対応が出来るのだと伝えたい」ということだ。高須氏の人となりはよく知らないし、高須クリニックのCMは私にもいまひとつと思われるが、主張されたことには全く賛同する。自民党も自民党で、説明責任を能力的に果たせないような閣僚を選出しているのかどうか真相はよく分からないが、およそ国会の目的に沿わない、つまり議論を誘発するのではない、如何に悪意のある、あるいはイジワルな意図をもった、ちょっと下衆に思える質問であっても、最近はどうも説明責任を放棄しているように見えて、また野党は野党で建設的な質問が乏しいように見えて、いずれにしても情けない。
 より罪深い民進党を責めたい。今月14日には、熊本市で開催された民進党の党熊本県連のセミナーで、離党した長島氏と代表代行を辞任した細野氏について、出席者から「党が苦しい時にこうした無責任な動きをすることこそ、政党支持率低迷の一因」などと厳しい批判があがったことに対し、蓮舫代表は、離党した長島氏に特化して「最低だと思う」と同調し、これ以上離党者を出さないよう努力する考えを示したという。支離滅裂だ。
 むしろ長島氏はよくここまで我慢して来たなあと思うのだが、彼は離党の理由として、民進党が共産党と選挙協力を進めている現状を挙げ、「保守政治家として譲れない一線を示す」と(今さらではあるが)強調していた。「民進党の政策が先にあって、そこに共産党が寄ってくるのならまだいい。でも、そうなってないでしょ? 僕は『共産党が悪い』と言っていない。主体性を失った民進党に失望している」のだと。蓮舫代表のハチャメチャな反応に対して、長島氏の言い分は極めてまっとうだ。そして当の共産党は1月に開催した3年ぶりの党大会で綱領を維持し、志位委員長は、民青同盟が4月23日に主催した「党綱領セミナー」で、「日米安全保障条約は廃棄」「生産手段を資本家から社会に移す。浪費型経済を解消して人間を自由にし、人類未踏の領域を拓こう」などと、あからさまな社会主義思想を開陳した。因みに日本には今もなおこうした考え方に一定の固定客がついていて、全共闘世代に多いと思われ、今となっては絶滅危惧種並みではないかと思うのだが、それ自体は否定しないし、ヴォルテールの有名な言葉で、「私は貴方の意見には反対だが、貴方がそれを主張する権利は命をかけて守る」というのが自由主義というものだ。それにしても民進党の主体性のなさ、節操のなさ、である。長島氏の言う通り、こんな選挙協力をするばかりに(と、理由の一端はあるだろう)、こんな政党に政権を任せたいと思う国民は殆どいないのに。
 NHKが4日前に伝えた世論調査では、民進党の支持率は僅か7.3%と、依然一桁台で低迷し、ほんの8年前に政権交代を実現したとは思えない体たらくであり、もはや昔の社会党支持者しか残っていないのではないかと揶揄されるのも無理はない。そして共産党は2.7%。因みに自民党は37.5%、公明党は3.8%で、まさに一強多弱の勢いだが、最も支持を集めているのは「支持政党なし」で38.4%。今の政界の不毛、政治家の劣化を語って余りある。政治家は選挙に勝ってナンボであるのは理解するが、それが手段と目的が置き換わり行動原理化しているとするならば・・・政界の辞書から「国士」の項は消えつつあるのだろうか・・・
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