こまちぷらす代表の日記帳

NPO法人 こまちぷらす 代表 森祐美子の日記帳です。

【人間関係の希薄さに救われることがあるか】

2019-06-01 | こまちぷらすの活動

先日、Newsweekで
「人間関係の希薄さに救われることがある」これだけの理由」
というタイトルの言葉に惹かれて読んだ記事がありました。
(URLは一番下に記載しときます)

関係はただ濃いほうがよいのか?
いや、時々薄いほうが救われるか。
ということは、時と場合によって違うのか?
どういう時にその感じ方が変わるのか。

そんな疑問はこういう場をもったり
人と人との間のことを場を通して考えたり
感じる仕事をしていると、常にあります。
それに対しての一つの考え方を示してくれる
よい記事でした。

すっごく軽く要約すると、
★役割とアイデンティティに何を求めてるか
高ーい密度が望ましいかどうかは、その人が
役割やアイデンティティに何を求めているかによって
異なるということ。

★自分らしく振舞えるコミュニティがあるか
自分らしく振舞えると感じさせてくれるネットワークに
属している人にとっては、ネットワークの密度は高いほうが
好ましいけど、反対に、自分らしく振舞えていないと感じている
人にとってはかえって濃い密度は逆効果。
自分を押し殺すことになる。

★避難できる場やネットワークがあるか
他の人間関係と切り離された人間関係を持つことこそが、
心理的安全をもたらすときもある。

★成長や達成志向か安定志向か
自己の成長や達成を重視する人やタイミングのときは、
密度が低く多様性があるネットワークの方が、
そこから多くの新しい機会や情報がもたらされるため、
幸福感を抱きやすいけど、
安定や現状の維持を重視する人、それを
重視したいタイミングの時は
密度が高く環境が安定している方が、幸福感を抱きやすいとも。

★緊密かつ開放的か
濃度だけじゃなくて、次の関係性に開かれているか

のようなポイントが書いてありました。(独断と偏見により
部分を切り取ってますので、できれば多くの人に全文読んでほしい)

孤立した子育てという言葉を使う時に、
使いながらもいつも慎重になります。というのも
人によってその「孤立」がとても違っていて、
友達も周りにいそうだし支援者がいる居場所に通ってそうだし
いつでもSOS出せそうな環境だから
大丈夫そうよね、と言われる人たちの中にも、
自分を押し殺しながら振舞う公園での関係性、
固定された関係性での窮屈さ、
もともとの濃度が濃すぎて新参者としていつまでも感じる浮いた感、
そしてそこからどう抜け出せるか全く思いつかない手詰まり感、
そんなことから気持よく息をなんとなくできない感じを
感じながらの生活をしている方もたくさんいるからです。

そんなこんなで
「働いていたほうが楽」というよく聞く言葉に
そこに「働く」という行為のみならず
「そのコミュニティの窮屈さ」から違うところで
息を吸えること、
低い密度のコミュニティに適度に接することも
できる気持ちよさ、
新たな関係性と発想がちょっとでも広がる感じに喜び、
が入り混じっている気がします。
加えて、家庭や病気や保育園が入れない等
自分の力ではどうしようもない理由から
「働く」ということが難しい状況のときには、
更に閉ざされた気持ちになります。
保育園入れないという怒りに接するときに
一緒にそのたくさんの気持ちを感じる時もあります。

こまちカフェのえんがわに
ほんの一瞬最近座ることがあるのですが、
すーっと息を吸いながら
今どんな場になってるかなと一瞬だけ想像しています。

何かの出口を探していた自分を思い出しながら、
「自分らしく振舞える濃いコミュニティにも属したい」
というタイミングの人や
反対に、「薄い開かれたコミュニティを今探したい」
という気持の人が、
それをそれぞれに探しに来れる場でありたいと思います。
それを最近はこまちカフェという場の飲食の場、
不登校やダブルケアや障がいをテーマにした定期の場、
契約してくださっている山崎夫婦が夜
こまちカフェで開催してくださっている親子バルの場、
とつかフューチャーセッションという不定期の場、
商店会事務局をつとめながら他の皆さんと開催する場、
行っている事業全体を他の団体商店の方々と、
一緒に「面」でつくっていける!という
手ごたえがあります。

最後に、一つ発表。
トヨタ財団が、
パイロットプログラム助成「市民参加促進プログラム」を
立ち上げ、
こまちぷらすがそのパイロット助成対象ということで
選んでいただきました。
今年~来年の2年間これまでやってきたことを深化させながら
展開をすることになりました。
その「市民参加」の前に、まず、
この人とコミュニティへの所属や
所属したくない感をしっかりと踏まえたいと思います。

※記事URL
「人間関係の希薄さに救われることがある」これだけの理由」
https://www.newsweekjapan.jp/…/li…/2019/05/post-12218_1.php…

※トヨタ財団のプログラムについて
http://www.toyotafound.or.jp/other/initiative/

※写真は、今日から始まるこまちカフェでの
夏メニュー!キッチンに立つスタッフが
たくさんの知恵を絞って試行錯誤してきたメニューです。

肉を使わないプレートに
肉を使わないびっくりな「唐揚げ」が
入りました。さあ、何の唐揚げでしょう。
詳しくはスタッフへ^ ^

○なすとピーマンの大葉みそあえ
○プルーンの紅茶煮
○おまかせ夏サラダ、自家製ドレッシング添え
○もやしのポタージュ
○野菜のオーブン焼き豆乳マヨディップ添え
○ジューシーからあげ