ミロク式

ミロクレコーズの雑記。

本日休演『アイラブユー』、ナカザワドアノブ『夜よ、ギターを鳴らせ』配信について

2018-06-12 22:45:56 | 日記

2018.6.12 曇り時々雨

ほにゃららら。ミロクレコーズの大澤です。

まず、この記事の要点から。

六月より、本日休演の3rdアルバム『アイラブユー』と、ナカザワドアノブの『夜よ、ギターを鳴らせ』が各サブスクリプション(アップルミュージックとかスポティファイとかのこと)で聴けるようになりました。本日休演やナカザワドアノブが気になっていたという方、是非この機会に聞いてみてください。

 

もう一点。本日休演がフジロックに出ることになりました。おめでたいったらありゃしない。「ボブディラン出るらしいけど、どうしようかな」などと迷っていた方に決定打の朗報です。一緒に行きましょう。

 

以下ブログ。

 

一つ、 名古屋にも慣れて地下鉄の位置関係もなんとなく把握してきた今日この頃です。最近映画をよく見るようになって、このまえ、名古屋駅にあるシネマスコーレという映画館で、「コワすぎ!」シリーズや「貞子VS加耶子」などの監督である白石晃士監督の新作「恋のクレイジーロード」を見てきました。ホラー映画好きとしては嬉しいあの場面のオマージュなんぞあったりして、大変よかったです。シネマスコーレでしかやっていないそうで、この時に初めて名古屋に来てよかったと思えました。

映画の終わりにトークショーがあり、製作に関するお話を聞きました。僕が行ったときはパンフレットやチラシなど、ビジュアルに関するテーマのお話でした。締め切りが!とか監督からの要望が!などのおはなしがとても面白かったです。ミロクでの製作とまったく同じような苦労がそこにあって、シンパシーが湧きました。印象的だったのが、白石監督が最初のイメージを伝えるときにいろいろなレコードのジャケットなどを見せてくるのだけど、共通点がわからない。という話でした。本人の中では共通するものがあるけれど、他の人にはつかめない。本日休演の岩出君も全く同じような感じで、いろいろサンプルとなるような画像をいくつも送ってくるけれどまとまりがないのです。言いたいことはなんとなくわかるけど、実際に形にしようとする人間の目で見るとどれをどうまとめればよいか見当がつかないのです。白石監督の細かいところとざっくりしたところと、頑固そうで意外と素直な時もあるなどの話を聞いて、ミロクもやっていることや一緒に作る人間のやり取りなど似たようなものだなと感じました。

 

一つ、 ナカザワドアノブが死んでから幾年か経ちました。新たな曲を歌えない人間に対する供養の形としては、アップルミュージックなどで配信してできるだけ多くの人に聞いてもらうということしかできません。未来につながることはなにもできないのです。「未来につながること」とは、影響を受けるティーンエイジャーがいてナカザワドアノブの血が混じった曲が生まれるなど、他人に与えた影響とかの問題ではありません。故人がかつて持っていた未来のことです。

今回の配信の手続きなどをしながら音源をきいていました。惜しいことだとつくづく思いました。亡くなってすぐに聞いて感じていたのとは違う「惜しいな」という感情でした。20歳からもう歳をとることのない彼と、彼が想像したことのある25歳という年齢にいる自分とのギャップが当時とは異なる感情を起こしました。死んでしまったのはとても悔しいし、悲しいし憤りを覚えますが、最近はそんな彼を肯定することが一番彼をみじめにしないことだと考えるようになりました。そうはいってもしかし、悲しい気持ちも残念な気持ちも惜しい気持ちもあるので、死んでいることを認めても存在を感じ続けたいです。だからミロクが働きかけて配信でいろんな人に聞いてもらって彼の音楽をなるべく多くの人間で共有したいと思っています。

自分は生きている人間には関心が薄いことを最近気が付きました。生きている人間はコミュニケーションをとれるので放っておいても勝手に頑張っているし、お互い頑張って生きているという感覚です。しかし、死んだ人間はこちらから関心を向けなければそれまでです。死んだ人はこちらの関心が無くなれば本当に消滅します。故人だからといって特別な関心を持つのも違和感があるのですが、ふと連絡しようとおもって「あ、死んでんだった」くらいの微熱で関心を持ちつづけていたいです。

 

本日休演の埜口君が死んでから一年くらい経ちます。僕の認識としてはまだ「最近会っていないな」というくらいの感じです。もしかしたら僕がおじいさんになってもこのままの距離かもしれません。でもまた何年か経てば不安を覚えるようになるのでしょう。埜口君は本日休演のみんなもいるし彼の曲も鳴り続けるでしょうからまだ「死ぬ」には早いです。ナカザワくんとは違い乗り移れる媒体がたくさんあるだろうから、僕は本日休演を見て埜口君と会話しようと思っています。

 

最近よく聞くおすすめしたいレコードなどをご紹介したかったのですが、また次回に書くので読んでください。