スマトラ沖地震被災地への救助活動のために、自衛隊が陸海空あわせて八百数十人派遣されること
が決定した。
参考記事
http://www.sankei.co.jp/news/050105/sei085.htm
世間では、やれ遅いだもっと出せだと身勝手な批判が出ているようだが、私の見解としては地震発生
から初動部隊が出るまで約十日、海外への救助と言う点、特に被災地の距離及びインフラの状態から
考えても、かなり早く動き出せた方ではないかと思う。
さて、この件で色々見て回ったが、下の意見を読んで貰いたい。
http://www.japandebate.com/opinion1.html
主張としては「アメリカのように大部隊を直ちに派遣出来るようにしろ」との意見だが、これに関し
て批判の矛先を「自衛隊」に向けるのは明らかに筋違いという物だろう。アメリカと自衛隊では、
大部隊を海外で運用するためのバックボーンからして違うのだ。
APFという言葉がある。Afloat Prepositioning Forceの略であり、日本語では洋上事前集積戦力
などと訳す。どのような物かというと、事前集積物資を輸送船団に積んだ状態で「平時から」世界各
地に展開している物だ。この中の1コ輸送船団にどの程度の兵站能力があるかというと、1コ海兵遠
征旅団(約15000人)が30日間活動出来るとされている。まことに圧倒的な能力をもった、米
の緊急展開能力を支える要なのである。今回の大部隊派遣も、この能力を活用していることは想像に
難くない。(というより、いかな米軍といえども、この能力をバックボーンにすることなく、ここま
で迅速に大兵力を展開は出来ないと考えられる)
これだけの兵站上の余裕があるからこそ、迅速な大兵力派遣も可能なのである。逆に言えば、兵站の
事を考えずに兵力のみ送り込むのは愚劣の極みである。
これは、半世紀以上外征型軍隊として整備されてきた「世界一の軍隊」米軍だからこそである。当
然、日本の自衛隊にこのような物は存在せず、従って「米軍並みに早く大部隊を展開しろ」などとい
う人間には、日本は補給を軽視したから負けたのだなどとしたり顔で批判する資格はない。(この
リンク先の人物がそういう発言をしたことがあるかどうかは分からないが)兵站の見込み無くして
どうして大部隊が送れるのか。先遣隊を派遣して受け入れ態勢を整えてから、という自衛隊のやり方
は、現在の能力から考えればごく当然の、常識的な対応である。
従って、このような「海外に緊急展開する能力」の欠如に関する批判を自衛隊に向けるのは全く不当
で、批判するならそのような備えで良しとし、国内での活動に限定することを是としてきた国民にこ
そその批判を向けるべきであろう。或いは、警察予備隊創設期に、米側の編制案に「これでは外征型
の軍隊だ」と反対し、現在の編制に至る道筋を作った後藤田初代警備課長を槍玉に挙げるというので
もよかろう。
いずれにしても、自分たち国民が自衛隊に与えてこなかった能力を発揮せよなどと言うのは、全くの
暴論という他はない。今までそのような能力を整備してこなかった責任は自衛隊にはないし、今後そ
のような能力を整備せよというのならもっと他に言うべき相手はいるだろう。
が決定した。
参考記事
http://www.sankei.co.jp/news/050105/sei085.htm
世間では、やれ遅いだもっと出せだと身勝手な批判が出ているようだが、私の見解としては地震発生
から初動部隊が出るまで約十日、海外への救助と言う点、特に被災地の距離及びインフラの状態から
考えても、かなり早く動き出せた方ではないかと思う。
さて、この件で色々見て回ったが、下の意見を読んで貰いたい。
http://www.japandebate.com/opinion1.html
主張としては「アメリカのように大部隊を直ちに派遣出来るようにしろ」との意見だが、これに関し
て批判の矛先を「自衛隊」に向けるのは明らかに筋違いという物だろう。アメリカと自衛隊では、
大部隊を海外で運用するためのバックボーンからして違うのだ。
APFという言葉がある。Afloat Prepositioning Forceの略であり、日本語では洋上事前集積戦力
などと訳す。どのような物かというと、事前集積物資を輸送船団に積んだ状態で「平時から」世界各
地に展開している物だ。この中の1コ輸送船団にどの程度の兵站能力があるかというと、1コ海兵遠
征旅団(約15000人)が30日間活動出来るとされている。まことに圧倒的な能力をもった、米
の緊急展開能力を支える要なのである。今回の大部隊派遣も、この能力を活用していることは想像に
難くない。(というより、いかな米軍といえども、この能力をバックボーンにすることなく、ここま
で迅速に大兵力を展開は出来ないと考えられる)
これだけの兵站上の余裕があるからこそ、迅速な大兵力派遣も可能なのである。逆に言えば、兵站の
事を考えずに兵力のみ送り込むのは愚劣の極みである。
これは、半世紀以上外征型軍隊として整備されてきた「世界一の軍隊」米軍だからこそである。当
然、日本の自衛隊にこのような物は存在せず、従って「米軍並みに早く大部隊を展開しろ」などとい
う人間には、日本は補給を軽視したから負けたのだなどとしたり顔で批判する資格はない。(この
リンク先の人物がそういう発言をしたことがあるかどうかは分からないが)兵站の見込み無くして
どうして大部隊が送れるのか。先遣隊を派遣して受け入れ態勢を整えてから、という自衛隊のやり方
は、現在の能力から考えればごく当然の、常識的な対応である。
従って、このような「海外に緊急展開する能力」の欠如に関する批判を自衛隊に向けるのは全く不当
で、批判するならそのような備えで良しとし、国内での活動に限定することを是としてきた国民にこ
そその批判を向けるべきであろう。或いは、警察予備隊創設期に、米側の編制案に「これでは外征型
の軍隊だ」と反対し、現在の編制に至る道筋を作った後藤田初代警備課長を槍玉に挙げるというので
もよかろう。
いずれにしても、自分たち国民が自衛隊に与えてこなかった能力を発揮せよなどと言うのは、全くの
暴論という他はない。今までそのような能力を整備してこなかった責任は自衛隊にはないし、今後そ
のような能力を整備せよというのならもっと他に言うべき相手はいるだろう。
- TSUNAMIが残した傷跡 -
突然の投稿、お許しください。
臨時企画のお知らせです。
写真報道を通じて、スマトラ沖地震・津波被害の現状をお伝えしています。
URL → http://bosai.exblog.jp/
1月10日までの期間限定と致しますので、ご了承ください。
この写真展は、関西の学生で構成する南海地震学生防災ネットワークが運営しています。
お問い合わせはSNDR代表(sndr_pre@yahoo.co.jp)までお願いします。
produced by 南海地震学生防災ネットワーク(SNDR)
web site(http://www.geocities.jp/sndr_pre/)
ブログと違って一方的に言いたい放題を言えるマスコミがこれじゃ日本はどうなってしまうのか心配でなりません。
少なくとも今の形のモノは。
デジタル放送とかで双方向メディアとかいって自滅路線突き進んでますから。早晩論評能力は無くなるかと。
八紘一宇、まさに憂国の士ですねー(棒読み
休むだけ休んでから動きだしておきながら、あたかもすぐに対応したように嘘垂れ流すインチキ自慰隊!!!!
氏ね税金泥棒!!!!
過労死するまで奉仕しろ!!!!
組織を動かすには準備が必要なのはあたりまえだと思うのだが。そして我々日本国民はその準備をさせないようにしてきたのだが。
自衛隊の動きが遅いと批判するのは自衛隊が動けないようなシステムを是認してきた我々日本国民全体への批判と同義。自己批判できてよかったね。
できて早々、晒されているようです。
注目度抜群ですね。誇らしいですかホルホルホル......