ミリ屋哲の酷いインターネット

上まぁ特段語るような内容はないようだがコメント不可のブログ等に突っ込み入れたいが為のものである訳だろうか(苦笑

江畑氏への哀悼と、氏への誹謗中傷に対する批判

2009-10-13 21:19:12 | 軍事関係

氏の著作に最初に触れたのはいつだったか覚えていないが、少なくとも当時の私はかろうじて戦車と自走砲の区別が付く程度の知識しか持ち合わせていない、軍事初学者であり、主として兵器関係の本を色々読んでいた頃には氏の著作も結構な数読んでいたのだけは記憶にある。
ある程度の知識がついてくると、氏の言説、特に情報に対する姿勢(私の誤解かもしれないが、氏は「情報は活用できない者に教えても無意味、むしろ有害」という考えに批判的であるように思う。)、コストに対する姿勢(コストを重視するあまり、兵器に汎用性を求めすぎるきらいがあるように思う。これも誤解している可能性がある。)、安全保障環境の変化に対して過剰に適応を求めているように感じられる(自衛隊の重戦力演習への懐疑的発言。これも誤解しているかも?)といった部分で同意できないなぁと思うことがしばしばあったが、少なくともその分析力、特に兵器に関するインフォメーションをインテリジェンスに変換する能力には敬意を抱いていたつもりだ。
戦術的観点や政戦略観点から語れる軍事評論家は幾分か存在するが、兵器知識をそこまで昇華させる能力は余人を以て代え難い逸材であったと思う。(もちろん、兵器の知識だけではないが、少なくとも個人的な感想としては兵器関連から紡いでいく手法が最も際だっていたと思う。)残念ながら、兵器正面から語る人々には「物凄い知識の兵器オタク」の域を出ない人が多く(全てとは言わない)、日本の軍事評論・ジャーナリズムに大きな打撃だと言えるだろう。

本来であれば、氏への哀悼で終わらせるべきで、これから語るような内容は氏への冒涜と言うべきものだが、ここで後に残る形で発言をしておかないと、いつしか氏の評価が「単なる兵器オタクだった」と言うことになりかねないので、敢えて語らざるを得ない。これは、決して大げさな言い方では無いと思う。今回、そのような不当な評価を定着させてしまうだけの社会的地位を持った人物が氏を誹謗しているのだ。
民主党議員の首藤信彦氏である。どのような発言かはここを読んでいただくとして、一番許し難いのは、江畑氏を「一応、擬似専門家としての役割を果たしたのが江畑さんだった。」と評していることだろう。
冗談ではない。江畑氏はれっきとした「本物の」専門家である。およそ、軍事に関する情報を入手する際、様々な観点から情報資料を入手することは当然であるが、兵器に関する情報資料は最も重要なものの一つである。一例を挙げれば、警察の装備が軍隊なみ(いわゆる武装警察)の国でクーデターが起こった場合、現地から送られてくる映像を見て「軍の装備があるか」を調べるのは極めて重要である。「軍がクーデター側か権力側か、警察はどちら側か」を判定する直接的な情報になるからだ。江畑氏は、そのような観点からの情報を提供する能力に非常に長けており、軍事オタク扱いするのは冒涜と言える行為だ。
かつて、首藤氏は米国のストライカー旅団を取り上げて「戦車は時代遅れ」などと的外れな発言をしたことがある。(米国のストライカー旅団は、軽歩兵と重装備部隊のギャップを補完する存在であり、戦車部隊の代替品ではない)この程度の知識しかない首藤氏に、江畑氏を「疑似専門家」などと評する資格が果たしてあるのだろうか。「互いに専門家として尊重しあい」などと言うことができるのだろうか。ましてや、江畑氏の経済事情について憶測で語るようなことが許されるのだろうか。

はたして、このような人物が「選良」として「江畑氏の評価を後世に残す」事が許されるのだろうか。

追記
今回の件で、J-CASTが「首藤ブログ炎上」的記事を出しているが、そこでの田岡氏のコメントについて。以下引用

「江畑氏は本来、政治色がなく、技術的に精密でデータの豊富な記事を書かれ、 感服することも多かった。 (中略)江畑氏の記事、論評はあくまで理科的であり、社会科的(歴史、民族性、政治、経済など)な観点で戦争を見る首藤代議士は不満だったのだろう。 実際には、理科、社会の両面からの観察が必要なのだ」
以上引用終わり。
江畑氏が「理科的」立場で発言していた、そのこと自体に意義はない。しかし、江畑氏はそのような自己のスタンスをしっかりと自覚しており、意見を求められるときは「『理科的』見地から分析した一意見」であることを明確にしておられた。そして、当然ながら「社会科」的見地からの意見の重要性も認識し、それら意見を総合的に判断して決断を下す責任は国民にある、という事を常に口にしていた。このような態度が、彼を「良く」知る人々が「知的誠実さを持ち合わせていた」と評する所以だろう。



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14 コメント

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Unknown (名無しサン)
2009-10-13 22:42:14
ただでさえ、偉大な軍事評論家の死で悲しいというのに、あんな莫迦に、あんな下種に、あんな侮辱を、よりにもよって死が公表された日に受けるだなんて・・・

もう、怒りや悲しみやら、とにかく泣きたくなりますわ・・・
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Unknown (Unknown)
2009-10-14 18:31:32
Unknown (名無しサン)
2009-10-13 22:42:14

同感です。
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け、軍オタが仲間内でほめてるよ (yamazaki)
2009-10-15 12:12:08
平気で炎上を楽しむ倫理観のなさ、
け、軍オタが軍オタの江畑謙介を仲間内でほめてるよ
本当にここのブログ主とか
なんで日本人はこんな恥知らずなのだろうか?
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Unknown (anto)
2009-10-15 13:05:35
だから、「単なる軍オタ」って評価が江畑氏を貶めてるってるんだよ。
「炎上」したって何だ。江畑氏はもう反論する事さえ出来ないんだ。

そもそも生前、論客として論争した事も軍事問題に対して「専門家」として意見を戦わせた事も無いのに死んだ途端、上から目線で批判する奴が倫理とか何を寝言を言ってるんだ。

それが首藤氏の「危機管理」とでも言うつもりか?
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Unknown ( )
2009-10-15 13:25:10
炎上=楽しんでいる。こう思考するのはその程度の論理観を育んでいるからだろうな。

そんな論理観はなくてあたりまえ。
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なんなの、この基地外は? (Unknown)
2009-10-15 22:35:12
なんなんだろう?
このyamazakiとか言う基地外は?

>平気で炎上を楽しむ倫理観のなさ、

一体、誰が炎上を楽しんでいると言うのだろう?
江畑謙介氏の死を哀しみ、もはや反論が出来ない氏を中傷する、首藤というクズへの怒り以外になにを読み取れると言うのか?

>け、軍オタが軍オタの江畑謙介を仲間内でほめてるよ

江畑氏は間違いなく真の軍事評論家だ。
しかし、百歩譲って氏が軍事オタクだったとして、それを褒める事の何が問題だと言うのだろうか?
同業者を褒める事の何がいけないと言うのか?

>本当にここのブログ主とかなんで日本人はこんな恥知らずなのだろうか?

恥知らずとは、きっとこのyamazakiと称する輩の類を表す為の言葉なのだろう。
本当にどこから湧いてきたのだろう、このクズは?
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Unknown (Unknown)
2009-10-16 05:11:47
軍事オタク(笑)にとって、江畑氏が自己同一化の対象として大事な存在だったのだということは十分理解できますが、オタクと専門家は違いますよ。
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Unknown (Unknown)
2009-10-16 06:42:10
>オタクと専門家は違いますよ

そうだよ、だからだれも「自己同一化」なんてしていない。
本文でもコメントでもな。
なにが「十分理解できます」だ。
軍事以前に日本語読解能力と社会常識を身につけろ。
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Unknown (管理人)
2009-10-16 20:33:52
なんだか突然アクセスが多くなってきた件。
どうせ荒れるなら※数1000超えるぐらい炎上させてくれよw
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Unknown (Unknown)
2009-10-17 07:03:22
かつては2ちゃんの軍事版にその人有り、といわれたミリ哲が、いまでは過疎ブログで炎上を待ちわびる・・・くやしいのうw

首藤、燃料を投下しましたな

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