九州に帰ってきたなら、早いうちに登りたいと思っていた、九重山。
生憎と、天候不順で延び延びになっていたが、今日は天気も良さそうだ。
いつもの牧ノ戸登山口より、出発である。
しばらく登りが続く。
アザミには、たくさんの蝶や蜂が舞っていた。
でも、なかなか上手く撮れないんだよね。
やっと収まった一枚がこれだが、もっと大きな派手な蝶もいたんだけどなぁ。
イブキトラノオ?
山紫陽花
今回は、星生山から攻めてみる。
急登を喘ぎながら登る。
去年、深山霧島の季節に来たときは、何度も立ち止まって、休憩しながら登った事を思い出す。
あの時に比べれば、少しは体力がついたかな。
なんて、この時点では、少しいい気になっていた。
後で、ヘロヘロに為るのも知らずに・・・
山頂到着。
去年は、牧ノ戸方面に戻る登山道を通り、ここから帰った。
今日は、久住山と稲星山に行くつもりだ。
先に進みたい。
この尾根沿いを、久住山近くの避難小屋まで行けるルートがある筈である。
山頂にいたベテランらしきおじさんに聞いてみた。
「私、途中まで案内しますよ。」
親切にも道案内してくれるという。
歩きながら、色々教えてもらった。
硫黄山の噴煙が東に靡いているときは、九重の天気は安定するとか、他にも九重のマイナーな山の楽しみ方とか。
無論、今回初めて登る稲星山の事も聞いてみた。
「ルートは、久住山からこう行って、あー行って。山頂は虫がメッチャ多いよ。」
ほほう。
眼下に避難小屋が見えてきた。
「そんじゃ、私はあっちから降りますから、ここで分かれます。」
アザッス!
避難小屋を過ぎ、久住山に取りかかる。
暑い。
何だか、足が動かん。
先月ここに登った時は、こんな疲労は感じなかったけどなあ。
ヒーヒー言いながら、山頂到着。
今日は何故か登山客が少ない。
いつもは平日でも混雑しているはずの山頂だが、私の独り占めである。
遙か向こうに目指す稲星山が見える。
いったん、御池まで降りてきて、御池避難小屋を超えて、稲星山を目指す。
この時点で、疲労困憊である。
太陽の日差しが容赦なく体力を奪っていくのだ。
何度も休みながら登る。
カメラを構える余裕など全くない。
なので、その間の画像は一枚もない。
山頂に登りついたというのに、この苦しげな顔。
何はともあれ、食事にする。
おじさんの言うとおり、のっぴきならぬ虫の量である。
なにもこんな環境で昼飯を食べる必要はないのだが、今の私は、エネルギー補給を一刻も早くしないと帰れる気がしないのだ。
虫を払いのけながらの食事である。
さすがに、飯を食ったら、少し元気が出てきた。
カメラを構える余裕が出てきたくらいである。
青く霞む、平治岳と大船山。坊がつるも見える。
中岳と天狗が城。
本当はここも登る積もりだったが、すっかり心が折れた。
パス!
阿蘇五岳。
今日は、根子岳と高岳ぐらいしか見えない。
そんじゃ、帰るベ。
飯の後少しだけ元気であったが、すぐにヘロヘロになった。
この辺りを行く私は、少し押されただけでも倒れそうな、心細い歩き方をしていたと思う。
やっと沓掛山が見えてきた。
もう少しだ。
牧ノ戸に着いて、私の車が見えたときの嬉しさといったら・・・
もう、歩かんでよかぞーーーー!!
でも、また登りたくなるんだよね。きっと。