時事解説「ディストピア」

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シャルリーを自称した人々はどこへ行ったのか?(フランス・テロ事件のその後)

2015-01-17 23:33:49 | リビア・ウクライナ・南米・中東
フランスの三流週刊誌が一挙に世界的に有名になった。
日本でいうところの文春やPHP、WAC、産経が襲撃された事件。


何度も紹介したように、背景はフランス社会のムスリム差別がある。
差別的なイラストを是認・支援する政治家が多くフランス政界に君臨し、
ムスリムの女性服着用を禁じる法律など、数々の差別が国家によって保護された。

その不満(選挙に参加しようとしてもフランス的でない人間には参政権が
付与されない)がフランスがシリアにおいて支援するテロリズムと結びつき、
国内で猛威をふるったこの事件。まさにフランスお手製の時限爆弾だった。


事件の発端となった風刺画は、ムハンマドが「ゲスト編集長」として描かれ、
「笑い死にしなければ、むち打ち100回だ!」と笑いながらコメントしているものだった。




風刺というのは、物事の本質を突いているからこそ風刺であり、
大衆に誤解と偏見を生ませるものはプロパガンダというのである。



先日、岩波文庫版のコーランを急ぎ購入し読んでみた。

イスラームというと、やたらと厳しい教えのように思えるが、
実際に読んでみると、ムハンマドはむしろ妥協的な教えを説いている。


確かにアッラーを信じないと神罰が下るとは書いているのだが、
罪人を裁くのは神であって、人ではない。


信じないと非道い目に遭うぞとは書いているが、
非道い目に合わすのは神であり、それも死後の話である。


売春を禁じたり、やむを得ず女がした場合にも厳罰はやめよという記述もある。


私は聖書も読んだことがあるが、キリスト教のほうが教えが厳しいと思う。

コーランには性については、ラマダーンでも夜なら妻と交わってもよろしい、
アッラーはお許しだ、しかし朝が来たらまた断食するんじゃぞと書かれている。


これと比べてキリスト教では色欲は大罪の1つに数えられている。
無理をするなと語るイスラーム教とはずいぶん違う。


「笑死にしなければムチ打ち100回だ」という言葉は
 ムハンマドへの冒とく以前の問題で、イスラム教そのものへの偏見なのだ。




さて、このような小林よしのりや山野車輪も真っ青のプロパガンダ雑誌を
自称して自分たちが善良な市民であるかのように勘違いした連中がそれなりにいた。



彼らの応援に気を良くしたのか、件の雑誌は再び差別的な絵を掲載した。
そのため、世界中のムスリムがこの雑誌社に対して非難の声を露わにしている。



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フランスの週刊紙シャルリエブドがテロ事件にもかかわらず
再び風刺画を掲載し、全世界のイスラム教徒15億人の感情を傷つけたことから、
この週刊紙に対する大規模な反発が起こっています。



シャルリエブドは14日水曜、パリの事務所のテロ攻撃以来初の最新号を刊行し、
再び預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を掲載しました。



この風刺画は今月7日のテロ事件後、シャルリエブドに対する
大きな同情の影響で掲載され、全世界のイスラム教徒の怒りを引きこしました。



シャルリエブドが侮辱的な風刺画を掲載し、物議をかもすのは
これが初めてではありませんが、フランスのテロ事件のあと、
なおもこのような行為を繰り返したことは、言論の自由を口実に
ほかの人々が神聖とするものを冒涜するシャルリエブドの関係者への疑念を生じさせます。


イスラム教徒は今回もシャルリエブドの神聖に対する冒涜に無反応でいることはなく、
これを非難しました。しかし今回の反応は、自制を求める呼びかけも伴っています。


イランのザリーフ外務大臣は、シャルリエブド最新号の風刺画掲載に反応する中で、
さまざまな宗教的価値観を信じる人々への尊重を求め、
「ほかの人々の価値観を侮辱することはできず、
さまざまな文明や宗教がともに共存することが期待されている」と語りました。



世界各国では、このシャルリエブドの行動に対して、大きな批判が起こっています。
エジプトのアズハル大学やエジプトのジャーナリスト協会は、この挑発的行為を非難しました。


また、アルジェリア、トルコ、フィリピン、モーリタニア、
そのほか一部のイスラム諸国でも、この風刺画をを非難する抗議集会が行われました。



モロッコとセネガルの関係者は、このシャルリエブドの輸入を規制し、
トルコでもシャルリエブドの風刺画を掲載する4つのインターネットサイトを、
法令によりブロックしました。



この風刺画の掲載は、レバノンのシーア派組織ヒズボッラーや
パレスチナ抵抗運動ハマスからも非難されています。



西側の法律や価値観においても、
世界人権宣言の19条などの国際的な原則においても、
ほかの人々の権利を尊重しない場合、表現の自由は認められないとしています。



一方、西側で表現の自由を口実にほかの人々の神聖を
冒涜する行為が問題となったのは、これが初めてではありません。




これ以前にも、西側が表現の自由を悪用することで、
ほかの宗教や文明の原理や価値観に疑問を呈する行動が
繰り返されたことがありました。



しかし、パリのテロ攻撃の後、シャルリエブドが
この行為を繰り返そたことは、大変な問題となっています。


この風刺画は、シャルリエブドの事務所へのテロ攻撃に対して
多くの同情が寄せられた中で発表されました。すべての宗教的、
文化的集団は、テロに対して団結する必要性を訴えました。


しかしこの状況を悪用することで、この同情が薄れ、
過激派組織の利益になるのみという結果となる可能性があります。


http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A
5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/i
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私はシャルリーと自称した人々は、いま何をしているのだろうか?


在特会のメンバーがテロに殺されたからと言って、
私にはとてもじゃないが「私は在特会」というカードは持てない。


安易に持つべきではないプラカードを持った人々は
今どこに向かって、何を話しているのだろうか?私にはわからない。



このバカげたデモが300万を超える参加者によって決行されたその時、
フランス国内ではモスク(イスラム寺院)への放火が続発したようだ。


だが、モスクへのテロに対して、
「私はムスリム」というカードを掲げた群衆は現れなかった。



これこそが問題なのである。



せめて、「彼らもフランス」というカードを持って
デモを行うことぐらいはできたはずだ。なぜしなかったのか?



世界中から非難が殺到し、旗色が悪くなった今でも
彼らはシャルリーであり続けるのだろうか?疑問は尽きることがない。


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