時事解説「ディストピア」

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北朝鮮問題に関する人権活動家の責任について

2014-05-01 00:44:21 | 北朝鮮
朝鮮新報のコラムより。

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「補助金は適法」

「朝鮮学校への補助金は適法」。
4月22日、神戸地裁でこのような判決が下された。
朗報には間違いないが、解決されるべき課題はまだまだ多い

▼訴訟を起こしたのは「救う会兵庫」のメンバーら。
朝鮮学校への補助金支出は違法として
兵庫県と神戸市に支給取り消しなどを求めていた。

「偏った教育を強制するなど、受ける資格はない」

と主張した原告側に対し、裁判長は

教育課程や運動、文化面をみても、日本の小中高校と同様の活動

公認の教育施設として行政による規制や監督の下に置かれており、
他の外国人学校と同等に扱ってはならないという事情はない


と述べたという


▼一方、兵庫県側は2014年度から、朝鮮学校に対する補助金を減額する方針。
兵庫県は補助基準を見直し、検定教科書の使用など日本の教育課程に
準じた教育を行っているなどを要件に加えた。

そして、朝鮮学校は支給基準の要件を満たさないとしている。
見直した基準とは、朝鮮学校を外すためだけの基準だと言わざるをえない

▼差別や排外主義に右倣えするのが今の日本の現状。
多くの自治体が朝鮮学校への補助金を打ち切ったり
予算を計上しながら支給を見送っている。

政府は「高校無償化」制度から朝鮮学校だけを除外している。
その理由が生徒とは何ら関係のない拉致問題や朝鮮の核実験。
この不条理に各地の朝校生たちが立ち上がり訴訟を起こしている。
厳正な判決を願ってやまない。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/il-259/

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救う会という名前から察するに、
拉致問題の解決を目的に結成された団体だったのだろう。

今では、朝鮮学校を高校無償化制度の対象から除外させるという
拉致問題とは全く無関係の問題に着手している。


本人たち曰く、これで戦っているようだ。
いったい、誰と戦っているのだろうか・・・?


これに限らず、拉致問題の解決を目指すといいながら、
実際には、単に総連や朝鮮学校といった
拉致問題の解決とは全く関係のない組織
ただ北朝鮮と関係があるからというだけで攻撃している連中が実に多い。


「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」もその一つで、
 名前を読む限り、日本から北朝鮮へ渡った人間を支援しているように見える。

 しかし、実際には救う会兵庫と一緒になって、
 朝鮮学校を弾圧することに躍起になっている。


例えれば、アメリカよ、アフガンから兵を撤退させよ!と言いながら、
日本にあるアメリカ人学校に圧力をかけている状態。



反戦を訴えるなら、アメリカ政府に訴えるべきで、
私立の教育機関を攻撃する必然性も正当性も全くないのは明らかだ。



冷静に考えれば、拉致を計画したのも実行したのも朝鮮学校ではない。
朝鮮学校を潰しても、拉致された日本人が帰ってくるわけでもない。



純粋に、拉致被害者を北朝鮮から救い出すことを考えても、
これほど意味のないことに時間を割く情熱が全く理解できない。



 朝鮮学校を弾圧することで、
 帰国者の生命と人権がどれだけ守れるのだろうか?



次のように考えると、よくわかると思う。


「琉球民族の生命と人権を守る会」という団体が、
 君が代を強制する学校機関を経済的に圧迫し、
 その結果、それら学校機関が経営難に陥り、廃校したとする。


さて、そのことで沖縄の基地問題は解決されるだろうか?
米軍は沖縄基地を放棄して撤退するだろうか?


そういう学校を潰すことで、オスプレイをはじめとした
危なっかしい機体が事故を起こさない=沖縄県民の生命を守れることに
なるというならば、すべきだが、そんなバカな話はありえない。


客観的に見れば、こういう連中は、拉致を口実に人種差別を正当化して
行動しているだけにすぎず、百害あって一利なしと言っても過言ではない。


私は君が代の強制には反対しているが、それを理由に
東京都の学校が無くなればいいだなんていうことは全く思わない。
ましてや、仮にも人権を掲げる団体が学校と交渉もせずに、
金の力で叩き潰そうとするなど言語道断
だ。


こういう極端な思考を持った連中と懇意の仲になっている
有田芳生氏や辛淑玉氏などは一体全体、何なのだろうか?


彼らは、朝鮮学校への差別は許せないが、
北朝鮮バッシングのために共闘したと説明する。

しかし、冷静に考えれば、朝鮮学校への差別を行おうとしているのは、
まぎれもない、この手の人権団体であって、どうしてこういう連中と
つるむ必要があるのだろうか?

私も今では反米主義者とも言えるほどアメリカを批判しているが、
だからといって、テロリストとつるもうなどとは思わない。

それと同様に、有田氏や辛氏のような人権活動家が、
差別主義者と結託して行動することは本来ならありえないことだ。


こういう矛盾を犯している連中が日本の北朝鮮の専門家なのである。
とても信用できたものではない。


最後に、こうしてみると、日本の知識人は右も左も北朝鮮を攻撃し、
結果的には、小泉~安倍政権の日本の軍拡路線を支持していったと言える。

なぜならば、この時期の軍拡の口実は、ほかでもない北朝鮮の脅威なのだから。

「脅威など初めからない」と否定するのではなく、
「対話を」と一応の体裁を保った上で徹底的にバッシングを行い、
 北朝鮮は危険な国だ、悪い国だと大衆に認識させる土壌を着実に形成させていった。

この責任はあまりにも重いのだが、これに応える人間を私はまだ見たことがない。

※高嶋伸欣氏や浅井基文氏のような、行き過ぎたバッシングに異を唱える人物も
 いたが、彼らは元から北朝鮮バッシングを行っていない。

 「私は北朝鮮バッシングを行ったが、それが結果的に日本の軍拡に
  御墨を付けることになってしまった」という反省を行った人物はまだいない。




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