時事解説「ディストピア」

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ローマ法王、反シャルリーデモに理解を示す

2015-01-19 22:01:28 | リビア・ウクライナ・南米・中東
シャルリーを巡る暴動は、キリスト教とイスラム教との衝突ではなく、
欧米先進諸国のイスラモフォビアと第3世界への軍事政策の反映とみるべきだ。


その証拠というわけではないが、ローマ法王も
今回のシャルリーの傍若無人な振る舞いに苦言を呈している。


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現在、アジアを歴訪中のローマ教皇フランシスが、
フィリピンから第2の訪問国であるスリランカへ移動する機内の中で、
「私だってパンチするだろう」というコメントをした。


これは先日起きた、パリの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」
襲撃事件をきっかけに、世界中で巻き起こっている、
「表現の自由はどこまで許されるか」という議論に対して語ったもの。


機内にはこの歴訪を運営している友人のアルベルト・ガスパリ氏がいたが、
彼に対してローマ教皇フランシスは、次のように語ったと言われている。



(表現の自由に対して)暴力的に振る舞ってはいけないのは当然だ。
 しかし良い友人であったとしても、あなたがもし、
 私の母親に対して呪われた言葉を言ったとしたら、
 あなたにはパンチが飛んでくるかもしれない


そういうとローマ教皇は茶目っ気たっぷりに、
ガスパリ氏の方へ、軽くパンチを繰り出すそぶりをした。



ローマ教皇は、パリにおけるイスラム過激派の襲撃事件について、
「表現の自由」を擁護している。しかし同時に、
彼はそのような自由にも制限はあると、公の場で指摘した。



「私は宗教の自由と、表現の自由は
両方とも人間の基本的な権利だと考えています。
全ての人が自由と権利を持っているだけでなく、
多くの人に有益なことをいう義務がある」



また教皇は次のように発言もしている。

(特定の宗教を)挑発したり、他の人の信仰を侮辱したり、
また他の人の信仰をからかうことはできない。表現の自由には、限度がある


さらにカトリック教会が公認した十字軍のイスラム諸国への遠征のような、
過去の宗教的な戦争を引き合いに出して、次のように語った。


「私たちの歴史を考えましょう。どのくらい多くの宗教戦争を人類は経験したのか。
たとえ犯罪者であっても、神の名の下に人を殺してはいけない。これは正道を外れている」



もっともフランス法でも「表現の自由」に一定の制限が設けられている。
名誉棄損や侮辱、憎悪や暴力の扇動、テロリズムの擁護については違法とされている。


フランスの「出版自由法」は、名誉棄損や侮辱を禁じており、
これには人種、宗教、性的指向などに基づく誹謗中傷も含まれている。



しかし2006年2月に2つのイスラム教団体が、
預言者ムハンマドの中傷漫画をデンマーク紙から転載したとして
「シャルリー・エブド」を告訴したが、2007年3月22日、パリ裁判所で敗訴している。


http://irorio.jp/daikohkai/20150117/196413/
http://www.mirror.co.uk/news/world-news/pope-francis-ill-punch-anyone-4987451

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オランド大統領は、ムスリムがシャルリーを非難するのは、
彼らが表現の自由という西欧の本質的な考えを知らないかだと言ってのけた。


彼の理屈に従えば、ローマ法王も西欧の価値観を理解できないようだ。
法王が述べるように、人間には信教の自由というものがあり、
これを侮辱する行為は慎んでしかるべきだろう。カルト宗教でもない限り。


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