こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

クリスタ・ルードヴィヒは好きです。

2008年12月24日 00時01分04秒 | マーラー
私事でありますが、父が亡くなってちょうど二年になります。早いもんです。二年前のクリスマス・イブでありました。それで、今年は三回忌ということで、去年までは母が一切を取り仕切っていましたが、入院中ですので、私が、ということで何とか昨日無事終えることができました。次は七回忌ですから、しばらくはご無沙汰になります。
まあ、それはそれとして、今回はマーラーのリート。歌曲集『子供の不思議な角笛』です。演奏は、レナード・バーンスタインのピアノ伴奏で、ワルター・ベリーとクリスタ・ルードヴィヒが歌った、1968年4月24日のウィーンでのライブ録音です。マーラーは、交響曲の他にいくつかのリートを書いていますが、その中でも12~14曲からなるのがこの「角笛」です。1888年から1890年にかけて作曲され、交響曲第2~4番とも密接な関係をもつものですね。全部で14曲ですが、「原光」と「3人の天使がやさしい歌を歌う」は交響曲第3番の第4・5楽章に転用されているため、多くの場合この2曲は含めず、11曲から構成される場合が一般的です。この演奏では「原光」が含まれ、13曲となっています。まあ、他の誰でもないマーラーの音楽のエッセンスが凝縮されているような曲が多く、マーラー好きにはたまらないリートですねえ。
多くの場合、この曲は管弦楽の伴奏が多いのですが、この演奏はピアノ版。別に同じ顔触れでスタジオ録音の管弦楽版もあります。管弦楽の方が、色彩感があって受ける印象も豊富なので好ましいと思うのですが、このバーンスタインのピアノによるライブは、ライブ特有の緊張感とピアノ伴奏がステージで醸し出す静謐な緊張感が独特の雰囲気を作り上げています。バーンスタインのピアノ伴奏は基本的には管弦楽版とそれほどの違いはないようです。でも歌唱の方は粗い表現も耳につきますが、それがかえってリアルな印象を強く与えますね。
私は、クリスタ・ルードヴィヒがたいそう好きであります。オペラでも「トリスタン」のブランゲーネや「コシ」のドラベルラなど名演が光ります。リートでも、マーラーの歌曲はよく録音してます。特に暖かい声と表現力の凄さは特筆すべきものです。2曲目の「この歌を作ったのはだれ?」では素朴な民謡調の歌を愛らしい娘への歌として楽しく歌います。5曲目「美しいトランペットの鳴り渡るところ」は戦場に赴く恋人の悲しい別れの歌ですが、ゆっくり目のテンポでマーラー特有の旋律をふくよかな表現で歌い上げます。この悲しさをバーンスタインのピアノが増幅させますね。この曲はいいです。好きですねえ。そして、12曲目の「原光」。言わずとしれた交響曲第3番の第4楽章に転用された曲ですが、これはベストですねえ。バーンスタインのピアノも思い入れたっぷりですし、ルードヴィッヒも万感こめた歌唱です。力を込めてでなく、さらりと歌うことで高揚感があふれる。引き込まれる歌唱です。この曲は、この歌曲集には入れて欲しいですね。ベリーのほうでは「斬殺された鼓手」が緊張感あふれる盛り上がりを示す歌唱です。バーンスタインのピアノも凄みがあります。
管弦楽版とはひと味ちがったよさを確信させる演奏であります。

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