二度目の仙台出張があった。前回は「担当者レベル」での集まりだったが今回はより重要になり、東北各地から部長や課長クラスの人ががたくさん来ていた。新聞社もいてパシャパシャ写真も撮っていた。超末端のペーペー職員である俺が出席していいレベルじゃない。
ド緊張で始まった会議、俺なんかには到底理解の適わない大局的な話や制度の話、国への陳述の話とかが飛び交いさすがに今回は爪跡を残すとかそういうことはできなかった。下手な話をして青森の顔に泥を塗ってはいけない。ていうか、来年は絶対課長に行かせるべきだ。
移動の新幹線は、今回結構車内が混雑していたので狭く快適とはとても呼べない状態だったので、2時間弱が長く感じた。特に、行きの時は隣の席が渋谷にいそうなギャル系の人がうちの娘くらいの子どもを連れて座っていて、まあしょうがないけど子どもが飽きて叫ぶもんだから大変だった。
ギャルママは申し訳なさそうに「しー、しー」と注意していたが泣き止まず、最後には「なに考えてんの、迷惑だろ!」と叱っていた。子どもにそういう話が理解できるはずもないから効果はないが、「放置しないで注意する」というポーズがあれば、周りの大人は納得するのだ。
俺は仙台で降りたが、ギャル母子は東京まで行くらしかった。まだあと1時間半くらいあったはずだが無事到着しただろうか。子どもとの長旅においてはおもちゃやおやつは必須だよ、とアドバイスしてあげたかった。
冷や汗ものの会合が終わって、帰りの新幹線まで時間が少しあったので今回は牛タンを食べた。前回食べずに帰ったら課長に「お前は何しに仙台に行ったんだ」と怒られたからな。出張には専らレポーターとしての役割も求められている。
仙台で塩焼きの牛タンとは、あまり食べた記憶がなかったけど食べたら美味しかった。平日にも関わらず街中は人で溢れていて、青森とは別世界。こういうところで住んだり仕事したりしたらどういう毎日になるだろうかな、としみじみ思った。
~完~