二年に一度のイベント。

2010-03-29 00:12:25 | 歯のこと
日曜日、月曜日と続けて、診療報酬改定に関する説明会に出席してきました。
辛酸を舐め続けてきた歯科ではありますが、今年は2%を越える、近年まれに見る大幅アップかと思いきや、実際はマイナス改定ではないのかと思うような内容でした。
正直な話、この程度の改定であれば、今まで2年間慣れ親しんだ算定方法を、そのままにしておいてくれた方が、どれだけ良かったかと思います。
現場の状況を全く鑑みないこの二年に一度のイベントは、いったいどんな形で終焉を迎えるのでしょうか。
その日を待ち焦がれます。

安定第一。

2010-03-22 10:07:39 | 歯のこと
昨日の日曜日は、仙台に講習会に行ってきました。
今回の講習会の内容は、主に高齢者の歯科治療に関してのことでした。
「現在は騎馬戦、2055年には肩車」などと揶揄されるように、今後元気な高齢者は増えていくことは論を待ちません。
そんななかで、歯科がどう高齢化社会に寄与していけるかは、歯科の活性化という部分だけでなく、社会的な価値としても、重要なことであると思います。

今回の講演で、トピックスとして取り上げられたのは、主に「インプラントオーバーデンチャー」に関してです。
これは、人工の歯根(インプラント)の上に総入れ歯(場合によっては部分入れ歯)を乗せ安定させるというものです。
歯科医であれば、おそらくほとんどの人が悩んだ経験があると考えられる、下顎の総入れ歯は、とかく安定が悪いことで知られます。
安定させるには、結構な名人芸が必要なのですが、比較的簡便な方法で安定させるのが、このインプラントオーバーデンチャーです。
もちろん、インプラント自体が相当に高度な技術が必要ですので、安易にやるわけには行きませんが、成功すれば生活の質の向上につながりますので、入れ歯に悩む方にとっては、福音といえるでしょう。

いつも思うのですが、現在僕が学んでいるようなことは、大学時代に教わったことのはるか上を行く知識・技術です。
歯科医という仕事に就いた者にとって、一生が勉強であることを思い知らされます。

ご結婚おめでとうございます。

2010-03-15 09:02:11 | 歯のこと以外
今週の日曜日は、以前の職場で一緒に働いていたスタッフの、結婚式に参加してきました。
とても真面目に働く方だったので、幸せそうな彼女を見て、本当に感無量でした。
寿退社の際には、年上で独身のスタッフの羨望の眼差しを一身に浴びて、プレッシャーがあったとかなかったとか。
旦那さんも実に実直で温和な青年で、誰からも好かれる夫婦になることでしょう。

式は終始和やかに執り行われ、とても楽しひひと時を過ごすことができましたが、いつも出席する結婚式と今回の結婚式で一つ違っていたことがあります。
今回の結婚式では、お祝いのスピーチを頼まれていたのです。
実はこういった経験は、僕自身初めてでしたので、上手くできるか不安がありました。
いつも結婚式に出席すると、長い割につまらない内容のスピーチを聞かされることが多いので、僕のときは二の轍を踏まないようにしようと常々考えていましたが、実際に自分がやるとなると、なかなか難しいものです。
僕が「ここはウケるだろう」と思っていた部分も、列席者からはなんの反応もなく、僕のスピーチデビュー戦は、いまひとつの結果に終わりました。
式のあとに新婦さんから「親戚からの評判は良かったです」というメールを頂いたのが、唯一の救いといった感じです。

なにはともあれ、若いお二人の幸せを祈念するばかりです。

計画的に。

2010-03-08 09:14:03 | 歯のこと
今週の日曜日は、東京で歯周外科・インプラント関係の講習会がありました。
一昔前のインプラントのトピックスというと、フィクスチャーの形やボーンアンカードブリッジによる全顎補綴の上部構造についてなどだったような記憶がありますが、最近は軟組織のマネジメントや骨の造成などが盛んに論議されているように思います。
今回は、その中の軟組織、つまり歯肉や粘膜に焦点が置かれた講習会でした。
我々歯科医は硬組織、つまり歯や骨などの扱いに関しては、それなりに大学で教えられますが、こと軟組織に関しては、あまり各論的な事を習った記憶がありません(僕が勤勉でなかったせいかもしれませんが)。
硬組織は削ったり足したりして、比較的容易に形を整えることが出来ますが、軟組織の形態というのは個人差がありますし、治癒の早さや度合いなども千差万別です。
しかし論拠に基づいて適切に扱えば、相当の予知性を持って施術できるというわけです。

なんだか難しい話になってしまいました。
今週のブログは、僕のメモ程度に思ってください。

幸福追求の権利。

2010-03-01 18:49:30 | 歯のこと
今週の日曜日は、郡山で講習会でした。
東京やら仙台やらですと、電車や車で向かわなければいけませんが、同じ郡山市内ですと、普段なかなか乗れないバスなどで移動できるので、ちょっとうれしいです。
それはさておき、今回の講習会の趣旨は、医院の経営分析に関することでした。
税理士さんから話を聞いたのですが、歯学部ではこういった話を一切聞くことができなかったので、とても新鮮でした。
ちなみに、亡くなった僕の祖父も税理士でしたので、存命していたら色々話を聞くことができたのに・・・などと考えてしまいました。
孫の医院をじいちゃんがマネジメントするなんて、ちょっと面白いですよね?

閑話休題、今回の講習会の主催は、情報提供ソフトのメーカーだったのですが、その社長さんも講演されました。
そのなかで紹介されていたのが、東京ディズニーランドの創始者の堀貞一郎氏のお話しです。
いまや医療をサービス業でないと位置づける人は少ないかと思いますが、日本のサービス業のさきがけとも言える氏の言葉の中には、現在の歯科でも通用するような事が散見されるため、それを紹介していただきました。
例えば、1980年ごろを境に工業化社会が終焉を迎え、コミュニケーション社会に移行してきましたが、それは人々の関心が「モノ」から「心」へシフトしてきたことにほかなりません。
ディズニーランドは、そうした変化を敏感に察知し、お客さんに「ハピネス」(彼は実際にこう表現したそうです)を与えることでリピーターを増やし、現在の成功を収めたそうです。
つまり、物的なサービスのみでなく、患者さんの心の満足・幸福を追求することは、患者・医療従事者相互の利益となり、これはディズニーランドの考え方とも通ずるところがあるいうことです。
こうして文章化すると、実に陳腐に見えますが、日々の診療に忙殺され、初心を忘れがちな僕にとっては、大変に興味深い内容で、有意義な一日を過ごしました。