RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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モネ、風景をみる眼 - 19世紀フランス風景画の革新 (その1)

2013-12-27 21:30:00 | 美術
見てきました

国立西洋美術館

会期は2013年12月7日から2014年3月9日。

待望のモネ展です。
今回の展示は国内有数のモネ・コレクションを誇る国立西洋美術館とポーラ美術館の所蔵品をベースに構成されています。
もう、すごい期待。
「モネ展」の都内開催は久しぶり。
回顧展としての展示はたぶん、2007年の国立新美術館開館記念「大回顧展モネ」以来なんじゃないかなぁ。。。
国立西洋美術館が私立美術館と組むことも初めてだそう。
この展示は先にポーラ美術館で開催。
そのときからとってもいい噂が流れていたのですが、なかなか箱根には行けず。
上野に来るのを待っていました。
そしてウキウキで行ってきました!!
平日会社休んで。笑

そして予想以上に素晴らしい展示でした!!!
滞在時間4時間と今まででも最長クラス。笑
メモも多いので2つにわけます。
展示は5つの章に分けられていたので、今日は《I. 現代風景のフレーミング》と《II. 光のマティエール》を書いていきます。

"モネは眼にすぎない。しかし何とすばらしき眼なのか。"

最初に書かれていたこのセザンヌの言葉を見て、胸が震えます。
モネに相応しい賛辞。
そして今回の展示に相応しい。
今回はモネの作品の光や色彩、筆触分割などから、「眼」の軌跡を辿る展示となっています。

《I. 現代風景のフレーミング》
ここではモネがバルビゾン派の影響下に制作した初期の作品やパリの鉄道や駅など1860年代から1870年代の絵画だ展示されています。
また、若きモネに大きな影響を与えたブーダン、マネ、コロー他ピカソやシスレーといった印象派の仲間たちの作品も。
伝統的な遠近法を出発点としつつ移ろう光の下の変化と動きに満ちた19世紀の風景を独自の視線で切り取り、素早い筆致と鮮やかな色彩で描き出しています。
"私の眼はしだいに開かれた。自然を理解し、愛することを知ったのだ"
これはブーダンとの出会いを回想するモネの言葉。

クロード・モネ「並木道(サン=シメオン農場の道)」
モネが24歳のときの作品。
木漏れ日が道に注いでいる情景。
光の様子とか、描いている主題が、コローの「ヴィル・ダヴレー」に似ています。
この場所は芸術家がある集まる場所になっていたようで、ブーダンに誘われ作品を制作していたそう。

カミーユ・コロー「橋のたもと」
と思っていたらコローです。
画面手前から奥へ続く道、そこを歩く人物。
大きな樹木が印象的です。
やはりコロー作品は光が見えますね。

クロード・モネ「セーヌ河の支流からみたアルジャントゥイユ」
川遊びをしているのか、ボートには立派な服を着た人が3人。
ボートが波立つ水面に映っています。
揺れるポプラの木々も光を浴びて美しい。

ウジェーヌ・ブーダン「トルーヴィルの浜」
モネの師であるブーダン。
よく空を描いたことから"空の王者"と呼ばれました。
青空がとても綺麗です。
浜辺には着飾った人々が集っています。
ここはパリの上流階級の人々に人気の行楽地だったそう。

クロード・モネ「散歩」
草原を散歩する日傘をさした女性と子供。
遠くにはポプラ並木。
手前の女性は樹木の大きな影の中に入っていて暗いです。
光と影の色のコントラストが目立ちます。
また空の色の微妙な加減が美しいです。

クロード・モネ「グランド・ジャット島」
ここを描いたものはスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」が有名ですね。
ここはパリ北西にあるセーヌ河の川中島だそうで、幅200メートル、長さは2キロ。
当時の身近な行楽地として人気だったそう。
左手には蛇行する水とそこに沿った道を歩く人々。
河にはボートも浮かんでいます。
自然溢れる景色ですが、対岸には工場地帯も。
自然と人工物を対比させているというよりも近代パリの溶け込んだ景色といった感じで自然に表現されています。

ポール・セザンヌ「ポントワーズの橋と堰」
なんて色が美しいんだろう。
静かな色ですっきりとまとめられています。
左に道がかかれ中央には大きく川が。
その両岸は木々が並び、橋が架かっています。
橋の向こうには町の景色も。

シャルル・メリヨン「『パリの銅版画』:ル・プティ・ポン」
1853年にオスマン男爵によりパリは劇的に変わります。
ここには改造前の古い町並みが描かれています。
味があっていいじゃないか。

クロード・モネ「貨物列車」
白い煙を吐きながら走る列車。
画面左から右へ向かっていきます。
向こう側には同じく白い煙を吐き出す工場たち。
手前には日傘をさす婦人と男性。
日々近代化していくパリの日常が描かれています。

カミーユ・ピサロ「冬景色」
ゆるやかに曲がる丘陵地帯の道。
そこを歩く2人の人。
全体的に茶系で寂しい印象。
脇には電柱が見えたりとここでも近代化の影響が見られます。

クロード・モネ「花咲く堤、アルジャントゥイユ」
こちらは全体的に明るいです。
手前に咲く花々。
奥には川が見え、そのさらに向こうには煙を吐き出す煙突。
空は夕暮れの光で優しいオレンジ。
のんびりとした日常が伺えます。

フィンセント・ファン・ゴッホ「ヴィケラ運河にかかるグレーズ橋」
明るく強い色彩が目をひく作品。
川で洗濯する人々が描かれています。
これはゴッホがアルルに到着してしばらくしてから描かれた作品。
運河の目の覚めるような青が強烈です。
また、ボート、洗濯をする女などで赤が使われていてとても目立ちます。
ゴッホの作品はいいなぁ。
強い光を表現しようとしていた様子が伺えます。

ピエール=アルベール・マルケ「ポルト=ヴェルサイユの雪景色」
雪積もる景色です。
灰色の空に煙を出す煙突。
薄暗い景色が冬の昼の情景をよく表現しています。

クロード・モネ「サン=ラザール駅の線路」
蒸気機関車の煙がもうもうと立ち込める駅。
着いたところなのかこれから出発するのか。。
建物は濃い青でシルエットで表現されています。
煙が画面を覆いつくすため、人物などはぼんやりと描かれているのみ。
白とグレーの世界で近代化のパリを幻想的に描いています。

《II. 光のマティエール》
1880年代、モネは身近な田園風景を描く一方、より力強く原始的な自然の姿をもとめて旅に出ます。
"要するに私は海に夢中になっているのです。しかしいうまでもなく、本当に海を描こうと思ったら、海を毎日あらゆる時間に同じ場所で見なければ、そこでの海の生命を知ることはできません"
新しい着想源を求めて、ノルマンディーやブルターニュの海岸へ向かいます。
モネの光への追及は深まっていきます。
ここでは印象派としての活動に区切りをつけた1880年代から1890年代の作品を中心に展示されています。

クロード・モネ「ラ・ロシュ=ギュイヨンの道」
建物の遠景を背景に手前から奥に続く道。
夕陽のピンク色の光と青い影が画面を覆います。
この作品は初個展開催で出品した18点のうちの1点。

ギュスターヴ・クールベ「狩猟者のいる風景」
森の中の川に水を飲みに来た2頭の鹿。
手前の大きな岩には狩猟者が隠れています。
静かな緊張感の漂う空間。
水面に映る景色までも美しい。

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー「森の中の少女」
森の川辺に立つ少女。
牛は川の中。
森や空は淡く描かれ、コローっぽい空気が漂います。

カミーユ・ピサロ「エヌリー街道の眺め」
筆触分割で描かれた緑いっぱいの景色。
これ好きです。
木々は細かく、手前は大きく置かれています。
光が明るく眩しい作品。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「木かげ」
かなり細かい点描で描かれています。
葉の茂る木々、地面に落ちた葉。
ずっと奥へ続く道。
柔らかい印象の作品。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「エッソワの風景、早朝」
ザ・ルノワールなタッチの作品。
並木道には仕事に向かう農民が歩いています。
淡い色が優しく美しいです。

カミーユ・ピサロ「エラニーの花咲く梨の木、朝」
点描で描かれた作品。
青い空が印象的です。
背の高い木々が並び、奥には赤い屋根の家。
そして風にそよぐ梨の花。
色彩が明るく朝の爽やかな感じがよく出ています。

ピエール・ボナール「ミモザのある階段」
明るい黄色の景色です。
青い空に黄のミモザがよく映えます。
大きめの筆致で描かれた作品。

クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら」
積みわらを描いた連作の一つ。
ポプラ並木を背景に、日を照り返す牧草地、そして積みわらが描かれます。
積みわらは逆光となり、日差しの明るさがよく伝わってきます。

クロード・モネ「セーヌ河の日没、冬」
真っ赤な太陽が照らす水面は赤から黄へとグラデーション。
川には解氷が浮かんでいます。
光の変化の表現が素晴らしい。

ギュスターヴ・クールベ「波」
さすがクールベといった印象の作品。
荒々しいタッチで迫りくる波を描いています。
力強さが伝わってきます。
岩に当たり、砕ける様子も迫力満点。

ジョルジュ・スーラ「グランカンの干潮」
砂浜に傾く船が描かれています。
傾いた船のバランスなどが絶妙です。
色彩も青をメインに落ち着いた色合い。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「ムール貝採り」
ルノワールらしい暖かい色で描かれた作品。
海も日の光があたりきれいな色に変化しています。
描かれている子供の顔も可愛らしく幸せな気持ちになれる作品。

今日はここまで。
かなりの量書いた~。
明日、残りを頑張って書きます。



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