見てきました
国立西洋美術館
会期は2013年3月2日から2013年6月2日。
ルネサンスを代表する画家、ラファエロ・サンツィオ(1483-1520年)
ルネサンス絵画を完成させ、後の画家達の手本となった人です。
美術の才能に秀で、美男子でモテモテだった、37歳の若さで亡くなった、、、
とか断片的な情報は知っているけれど。
そして他の展示でいくつかの作品を見たことがあるけれど。
本格的な展示は初めてかな。
今回、ラファエロの作品23点に、ラファエロの周辺で活動した画家たちや、彼の原画による版画、それを図案化した工芸品等に至るまで、計約60点の展示です。
ラファエロ作品はイタリアに行った際にヴァチカンで見ているのですが。
今ほど美術に興味が強くなくて……
また絶対行こうとは思っています。
ので、今回の展示で勉強です。
ラファエロ・サンツィオ「自画像」
一番最初に展示されていました。
20代はじめの頃の自画像です。
黒いベレー帽を被り、ちょっと長めの髪のラファエロが振り返っています。
涼しげな顔立ち、って感じかな。
知性はありそうな雰囲気。
全体的に柔らかな印象です。
穏やかな性格で、一様に皆に褒め称えられる人物だったそう。
「ラファエロという人物には、優しさ、勤勉さ、美しさ、謙虚さ、品の良さを通して魂のあらゆる美点が光が輝いている」
後世の画家、ヴァザーリはラファエロをこう評したそう。
ラファエロ・サンツィオ「若い男の肖像」
赤い帽子をかぶった男性の肖像です。
長い髪でちょっと微笑んでいます。
最初の自画像にもちょっと似ている。。
優しそうな感じとか。
ラファエロ・サンツィオ「無口な女(ラ・ムータ)」
口を結んでいるので無口な女と呼ばれるそうです。
これは手を組んで座る女性の肖像。
あら、このポーズ、、モナ・リザ??
ラファエロは1504年にフィレンツェに進出。
この頃のフィレンツェではレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティが政庁舎の壁画の注文を受けて下絵を制作していて、ラファエロは2人の芸術から大きな刺激を受けたそう。
モナ・リザのような優美なポーズもこの影響があるそう。
ラファエロ・サンツィオ「聖家族と仔羊」
仔羊に跨る裸のキリストと、それを支えるマリア、その後ろに杖をつくヨセフ。
仔羊と幼いキリストという組み合わせはよく見かけますが、この構図はレオナルド・ダ・ヴィンチによって試みられたそう。
この作品もダ・ヴィンチ作品を参考にしているのでは、とのこと。
仔羊はキリストのその後の受難を示すもの。
ヨセフの表情が曇って見えるのはそうゆう理由かな。
ラファエロ・サンツィオ「大公の聖母」
ラファエロの数ある聖母子像のなかでも最も有名で、今回の目玉!!!!!
ポスターにも使われている作品です。
黒い背景に、青と赤の衣のマリアが裸の赤ん坊のキリストを抱いている姿。
マリアの優しそうな眼差しや穏やかな様子がとても気品あり素敵です。
服の鮮やかな青も爽やか。
背景が黒だと色が映えて美しすなぁ~と見ていたところ、ラファエロが描いたときは窓が描かれていたそう。
後世になって、背景が黒の聖母子像が流行り、そのときに黒く塗りつぶされたのだとか。。
なんかがっかりエピソード。。
あと、聖母子像ってよくあるのに、なぜ"大公の"なのか。
ときは18世紀末。
ナポレオンはフランス軍を率いてトスカーナ地方に進軍。
ときのトスカーナ大公であったフェルナンド3世の治世はこの進軍で一度終わります。
フェルナンド3世は亡命先のウィーンに送り届けられた「大公の聖母」をことのほか大切にし常に身近に置いたそうです。
こうしてこの聖母像は「大公」の聖母と呼ばれるようになった。
というこちらはぐっとくるエピソード。
ラファエロはキリスト教世界の中心都市ローマで働く機会を伺っていたようで、1508年についにその機会が。
当時の教皇ユリウス2世が居室の装飾のため同時を代表する画家をローマに呼び寄せたそうで、その中にラファエロも。
当初はチームの一員だったものの、やがて全体の装飾を任されることになったようで、大きなプロジェクトをいくつも手がけていたそう。
その後1514年にはサン・ピエトロ寺院の造営主任になったり。
古代遺跡の保護などにも携わったり。
ヴァチカンでは多くの人文主義者と交流したそうで、ラファエロほど貴族や学者と交流した画家はそれまでいなかったとのこと。
しかし、1520年に37歳の若さで熱病によって亡くなります。
ラファエロ・サンツィオ「友人のいる自画像」
2人の男性が描かれています。
後ろに描かれている人物がラファエロ本人とのこと。
手前に描かれている男性のモデルが誰かは分かっていないそうですが、一番弟子のジュリオ・ロマーノではないか、とのこと。
すっごく仲がよさそうで本当に友達のよう。
師弟関係って幹事ではないな~。
ラファエロはこの作品を描いた年に亡くなったそうです。
最後にはラファエロから影響を受けた作家達の作品がありました。
ジュリオ・ロマーノ(本名:ジュリオ・ピッピ)「聖母子」
一番弟子の作品。
ラファエロは熱心に指導をしたそうで、その中でもジュリオ・ロマーノはマントヴァの宮廷画家を務めるほどの腕だったとか。
この聖母子像は今まで見た中でも一番、柔らかい印象があります。
マリアと幼くてやんちゃな印象のキリストが頬を寄せて微笑んでいます。
手には花も持っています。
とっても仲のよい親子、といった印象。
色鮮やかで綺麗だし、肉体の柔らかそうな感じもすごく素敵でした。
マリアの服が赤と白、そして緑が使われていることもおもしろい。
会期末も近いということで、かなりの混雑のようです。
最終週は閉館時間が20時まで延びるそう。
日本でこれだけのラファエロ作品が見れる機会はそうそうない。
現地で見るにしても大変なはず。
この貴重な機会にぜひぜひ行ってみて下さい。
おまけに。
こんなのありました。
ここでポーズを決めたなら、あなたも聖母の輝き(笑)
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国立西洋美術館
会期は2013年3月2日から2013年6月2日。
ルネサンスを代表する画家、ラファエロ・サンツィオ(1483-1520年)
ルネサンス絵画を完成させ、後の画家達の手本となった人です。
美術の才能に秀で、美男子でモテモテだった、37歳の若さで亡くなった、、、
とか断片的な情報は知っているけれど。
そして他の展示でいくつかの作品を見たことがあるけれど。
本格的な展示は初めてかな。
今回、ラファエロの作品23点に、ラファエロの周辺で活動した画家たちや、彼の原画による版画、それを図案化した工芸品等に至るまで、計約60点の展示です。
ラファエロ作品はイタリアに行った際にヴァチカンで見ているのですが。
今ほど美術に興味が強くなくて……
また絶対行こうとは思っています。
ので、今回の展示で勉強です。
ラファエロ・サンツィオ「自画像」
一番最初に展示されていました。
20代はじめの頃の自画像です。
黒いベレー帽を被り、ちょっと長めの髪のラファエロが振り返っています。
涼しげな顔立ち、って感じかな。
知性はありそうな雰囲気。
全体的に柔らかな印象です。
穏やかな性格で、一様に皆に褒め称えられる人物だったそう。
「ラファエロという人物には、優しさ、勤勉さ、美しさ、謙虚さ、品の良さを通して魂のあらゆる美点が光が輝いている」
後世の画家、ヴァザーリはラファエロをこう評したそう。
ラファエロ・サンツィオ「若い男の肖像」
赤い帽子をかぶった男性の肖像です。
長い髪でちょっと微笑んでいます。
最初の自画像にもちょっと似ている。。
優しそうな感じとか。
ラファエロ・サンツィオ「無口な女(ラ・ムータ)」
口を結んでいるので無口な女と呼ばれるそうです。
これは手を組んで座る女性の肖像。
あら、このポーズ、、モナ・リザ??
ラファエロは1504年にフィレンツェに進出。
この頃のフィレンツェではレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティが政庁舎の壁画の注文を受けて下絵を制作していて、ラファエロは2人の芸術から大きな刺激を受けたそう。
モナ・リザのような優美なポーズもこの影響があるそう。
ラファエロ・サンツィオ「聖家族と仔羊」
仔羊に跨る裸のキリストと、それを支えるマリア、その後ろに杖をつくヨセフ。
仔羊と幼いキリストという組み合わせはよく見かけますが、この構図はレオナルド・ダ・ヴィンチによって試みられたそう。
この作品もダ・ヴィンチ作品を参考にしているのでは、とのこと。
仔羊はキリストのその後の受難を示すもの。
ヨセフの表情が曇って見えるのはそうゆう理由かな。
ラファエロ・サンツィオ「大公の聖母」
ラファエロの数ある聖母子像のなかでも最も有名で、今回の目玉!!!!!
ポスターにも使われている作品です。
黒い背景に、青と赤の衣のマリアが裸の赤ん坊のキリストを抱いている姿。
マリアの優しそうな眼差しや穏やかな様子がとても気品あり素敵です。
服の鮮やかな青も爽やか。
背景が黒だと色が映えて美しすなぁ~と見ていたところ、ラファエロが描いたときは窓が描かれていたそう。
後世になって、背景が黒の聖母子像が流行り、そのときに黒く塗りつぶされたのだとか。。
なんかがっかりエピソード。。
あと、聖母子像ってよくあるのに、なぜ"大公の"なのか。
ときは18世紀末。
ナポレオンはフランス軍を率いてトスカーナ地方に進軍。
ときのトスカーナ大公であったフェルナンド3世の治世はこの進軍で一度終わります。
フェルナンド3世は亡命先のウィーンに送り届けられた「大公の聖母」をことのほか大切にし常に身近に置いたそうです。
こうしてこの聖母像は「大公」の聖母と呼ばれるようになった。
というこちらはぐっとくるエピソード。
ラファエロはキリスト教世界の中心都市ローマで働く機会を伺っていたようで、1508年についにその機会が。
当時の教皇ユリウス2世が居室の装飾のため同時を代表する画家をローマに呼び寄せたそうで、その中にラファエロも。
当初はチームの一員だったものの、やがて全体の装飾を任されることになったようで、大きなプロジェクトをいくつも手がけていたそう。
その後1514年にはサン・ピエトロ寺院の造営主任になったり。
古代遺跡の保護などにも携わったり。
ヴァチカンでは多くの人文主義者と交流したそうで、ラファエロほど貴族や学者と交流した画家はそれまでいなかったとのこと。
しかし、1520年に37歳の若さで熱病によって亡くなります。
ラファエロ・サンツィオ「友人のいる自画像」
2人の男性が描かれています。
後ろに描かれている人物がラファエロ本人とのこと。
手前に描かれている男性のモデルが誰かは分かっていないそうですが、一番弟子のジュリオ・ロマーノではないか、とのこと。
すっごく仲がよさそうで本当に友達のよう。
師弟関係って幹事ではないな~。
ラファエロはこの作品を描いた年に亡くなったそうです。
最後にはラファエロから影響を受けた作家達の作品がありました。
ジュリオ・ロマーノ(本名:ジュリオ・ピッピ)「聖母子」
一番弟子の作品。
ラファエロは熱心に指導をしたそうで、その中でもジュリオ・ロマーノはマントヴァの宮廷画家を務めるほどの腕だったとか。
この聖母子像は今まで見た中でも一番、柔らかい印象があります。
マリアと幼くてやんちゃな印象のキリストが頬を寄せて微笑んでいます。
手には花も持っています。
とっても仲のよい親子、といった印象。
色鮮やかで綺麗だし、肉体の柔らかそうな感じもすごく素敵でした。
マリアの服が赤と白、そして緑が使われていることもおもしろい。
会期末も近いということで、かなりの混雑のようです。
最終週は閉館時間が20時まで延びるそう。
日本でこれだけのラファエロ作品が見れる機会はそうそうない。
現地で見るにしても大変なはず。
この貴重な機会にぜひぜひ行ってみて下さい。
おまけに。
こんなのありました。
ここでポーズを決めたなら、あなたも聖母の輝き(笑)
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