歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

本拠は満室中で

2008-05-26 21:43:32 | Weblog
ODNホーム日記が満杯になり、削除しないと書き込みが出来ないため、しばしこちらへ・・・。
離れがあるというのは便利なものです。(笑い)

今年の給与ベースアップが決まった。
1%ときいていたのだが、10%アップしていた。
思いがけず過大評価(?)していただいて、感謝している。

本業の方が少し落ち着いてきたので、副業(趣味)にも力を割けるようになった。
副業=歌。2足目のワラジのことです。

広く浅く広げてきた多趣味の私ですが、
子供の頃から望んできても出来なかった歌の道を自分のお金で自分の時間を使うことが出来るようになってから続けて20年になります。


アマチュアであっても、望まれて歌わせていただける場があるのだから、
プロと言われる人にも勝る喜びを持って歌えています。
今年は数年ぶりに毎月のように歌う機会がある。
不思議なもので、歌に力を入れようかな、と考えはじめたら、
次々と話がまとまってしまう!


高齢者の歌のボランテイアを始めたのは、私の本業繋がりでもありますが、
介護職になり、まだ働き始めたばかりのころ、
ふと、キーボードを持ち出し、数人の方に鼻歌で歌ったところ、
「あんたの声は、心が安らぐ。また歌って欲しい。」
その場にいた方々に口々に言っていただいたのがきっかけになりました。
その方々のほとんどは、今は亡くなられました。

本業がシフト勤務で不規則なので、定期的に週末を休むのは実は難しいのですが、
今の会社との契約の際、
「音楽活動を続けるので、指定休日を多く出来ること。」
と言う条件をつけています。
うちの会社、無条件社員と条件付社員と言う制度があり、
無条件社員は手当が10000円つくのです。
私は、10000円よりも「歌うたい」をとりました。


来月末には、初めての施設を訪問します。
リクエストが来ました。
練習しなくちゃ!






出前コンサート

2008-05-19 00:17:58 | Weblog
数年前から「出前コンサート」と名づけて、老人ホームでのコンサートをしています。
もちろん依頼されれば、ですが。(笑い)
押しかけコンサートはいたしません。

そのときの名称は「オペラ・フアンタジック・アンサンブル」。
オペラ演奏活動をしていた団体名です。

スタンスとして、
アマチュア精神である。
演奏内容は依頼者の期待より高い内容にする。
コンサート会場に出かけられない人のために行うので、衣装もつける。
体力がない方が多いので、お話も含め1時間以内にする。


観客で一番正直な反応なのは、
子供とお年より、特に認知症の方。
つまり、嘘がつけない方々なので、つまらなければ落ち着かなくなる。
集中力として30分くらいのところを、1時間聞いていただくのだから演奏する私たちも真剣勝負です。

これまで途中で歩き始めたり声を上げたりする観客は一人もありませんでした。
別に日本の歌ばかりを演奏するわけでなく、
オペラアリアから重唱まで、原語演奏が主体です。
特徴としているのは、重唱を必ず入れること。
メンバーに男声がいますので、女声よりも男声に付き合ってもらいます。

歌は女性が歌うのは当たり前と思うでしょう?
そこへ、いかつい(ゴメン)男性が出てきて幅広い響きで歌ったら!
オドロキ、ですよね!

人前で何かをする、と言うのは「惹きつける力」も必要です。

演奏する私たちが楽しんで演奏する。
もちろんある程度の技量は必要ですが、演奏する側と聞いてくださる側の気持が一体になったとき、
一流の演奏にまけない感動を呼びます!(言いすぎかな?)
このコンサートに参加を呼びかけたメンバーは、
必ず次も一緒に活動してくれます。
誰でもよいと言うわけでもないので、今のところ伴奏者を入れ4人。

テノール、バリトン、ソプラノ(私)、伴奏者。
1時間ですので充分なメンバーです。何でも出来てしまいます(笑い)。
勤務する施設で歌った日の夜、留守電が入ってました。
友人の勤務する施設から「いつでも良いから来て欲しい。」と。
今、伴奏者の予定を調整中です。



だから、無償だと赤字になっちゃうんですよ。(笑い)


歌えば翼が生える!?

2008-05-12 00:28:09 | Weblog
勤務先の1周年記念コンサート。
元来がアクテイビテイの委員長なので、全てのアク企画をしています。
せっかくの1周年記念なので、きちんとした催しを企画したくて、
結果、手っ取り早く自分の仲間にきてもらえることになりました。

もちろん私も共に歌います。
普通のコンサートというと、ソロばかりが並ぶのですが、
私は重唱を多く入れます。
普段、聞けない声と音楽を聴いていただくのが目的です。

その上、私たちも重唱をすると、互いの声のよさが強調されるというメリットがあります。(無論、音程がきちんとしてないと、最悪になる!)


老人ホームですので認知症の方も半分はいらっしゃる。
かなり重度の方は、普通のコミュニケーションが取れません。
けれど、
良いものは良い!のです。
わたしはご入居者一人一人の表情を見ています。
30人でも100人でもそうします。
その方々は嘘や建て前では生きられません。
飽きたり、楽しくなければ、遠慮なく声が出たり落ち着かなくなります。
これまで何箇所かを訪問し、コンサートをしていますが、
45分~1時間のコンサートの間、動く方は1人もありませんでした。

今の会社の職員が以前こういいました。
「長くは持たないから、コンサートなんか出来ない」

そんなことありません。楽しければ聴いてくださる。
今日も重度の方が、娘さんと一緒に、まっすぐ顔を上げて目を開いて最後までいらっしゃいました。
この方、普段は視線が下向きで顔を上げない方です。
この方のコミュニケーションケア方法が少しつかめました。

転んで顔面にアザの出来た方、引きこもりで居室から出てこない方、
寝たきりに近い方々、進行性の神経症状の方、
今日のこの日に発作が起きて半身麻痺になった方とその家族、
残り少ない命の火を点している方と家族、
全身骨折6箇所、それでも歌い終わると手を大きく振ってくださいました。


ありがとう、私のお客様!
至福の時をありがとう、私の友達!!


きく薬

2008-05-06 22:30:57 | Weblog
ダメモトで取れたチケットでした。
小沢征爾指揮、新日フイル「フアストの劫罰」(ベルリオーズ)
ソリストも素晴らしく、特にマルゲリータを歌ったメゾは、これからが期待できます!澄んで聴きやすく、どこまでも通る響きで最高でした。
難解な曲のためか翻訳しての演奏でしたが、分からなくてもドイツ語で聴きたくなりました。

ソリストは4人とも絶頂期の二期会会員。
オケは、大編成70人。
合唱200人、少年合唱60人、
小沢さんはベルリオーズは全て頭に入っておられるのでしょう、
なんと、指揮台に総譜は置いてありませんでした!

背中を拝見していて、とても分かりやすい指揮をなさる方だなあ、と思いました。
合唱団はアマチュアの成城合唱団でしたが、おそらく振っていただいている時が最高の声が出せているのではないかと感じました。
小沢さんの出身校なんですね!
小沢さんというと、桐朋だと思ってましたが・・・。
ツイ、歌うほうの立場になってしまいますけど、
小沢さんの指揮で歌えるなんてことは天変地異があってもありえないでしょう。(笑い)

ベルリオーズはあまり聞いたことがなく、飽きるかな?と思っていましたが、
2時間の演奏時間を充分楽しみました。
主題が変わるとテーマになるフレーズが変わる。
そのフレーズが繰り返される。
繰り返しによって登場人物、
「マルゲリータ・フアウスト・メフイストフイレス・黄泉の王」の心理を表現しているのかと感じましたが、これは私の主観です。


意外と1人で(私みたいに)気軽く来ている人が多かったようです。
私など、ジーンズですから!(笑い)
すごいドレッシーな女性ももちろんいらしてて、両極端です。
でも、着る物は時代と伴に変わる、ですものね。



観客でいるのは楽しい!

2008-05-02 23:35:09 | Weblog
友達が「クルツイオ」で出演している「フイガロの結婚」を観てきました。

平日の6時開演なので、仕事を切り上げて飛び出しました。
小編成のオケ版。オペラ形式、字幕付き。

友達が出ているといっても脇役なので、単なる観客。
2日公演のメインキャストの方です。

劇場内では、まわりに関係者がいる可能性が高いので口はつぐんで、帰りの車の中で一緒に行った友達と盛り上がったこと!(笑い)
たがいに自分のことじゃないから!

それにしても、地方公演の名前が知られた歌い手なみのチケット代でした。
わたしたちは「B」席。1000円引いてもらって5000円。
友達の言うこと「S席なんて買わなくて良かったね!」
払ったチケット代が、安いか、高いか、は演奏によりますからね。(笑い)

お客様は怖いんです。
私がいつも最も心していることです。
例え無料でも、大切な時間を使ってきてくださるのです。

プロと自覚している演奏者ばかりですので、
次につなげて欲しいです。
耳で聞くのは、立派なプロフイールではありませんのでね!

大好きな第4幕のフイナーレのアンサンブルが・・・チガウ・・・。
でも、クルツイオは良い響きで聞こえてきたのが嬉しかった!