歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

2009年、残すところ・・・

2009-12-30 18:22:02 | Weblog
勤務先は「終の棲家」、希望されれば看取りまで。
静かに逝かれた方、
お通夜に参列し、ご家族のご挨拶で当施設の手厚い介護を感謝していただき、本当にありがたさでいっぱいになる。
親族席に座らせていただいた。
ご家族もスタッフのことを子供や孫のように可愛がってくださった。

看取らせていただけて感謝である。
生あるときから仏様のような方だった。
若いスタッフたちのアイドルのような存在でもあった。
自分たちの辛い時、関わることで救われたスタッフもいるだろう。
「もう来れなくなると思うと寂しいね」

ご入居者あっての関係だが、
お別れした後も顔を見せてくださる元家族もある。
おなかにいた赤ちゃんを見せに来てくださったお孫さんも。
それをきっかけに体調が戻った方もいる。


年末に入り、体調を崩す方が続いている。
転倒も増えた。
1年は、高齢の方にとって、持病のある方にとって短い月日ではない。
勤務先は若いスタッフが多い。
若さは自分が元気なだけに、高齢の方への配慮が欠けていることもある。
いつも元気だから、
しっかりしているから、
少し先のリスクが見えてこない。

転倒し骨折すると、
戻ってこられた時の危険リスクは3倍になる。
特に認知症の方は。
自分で危険を察知できないし、痛みの感じ方も鈍くなるのだ。
85歳を超えて転倒すると、認知症の方は90%骨折している。

江戸・明治では信じられない年齢だろうなあ。
人生50年の時代だもの。

政権交代があり、
当社の人事制度も変わる。
若い世代には悪いが、まだまだ現役でいたい。
私くらい世代が違うと、厳しい評価をしても受け入れ易い利点もある。
目の前の後輩たちは、まだ成長途中である。

介護保険制度が始まって9年になる。
介護を職業と志して就職する人も増えている。
また、転職しやすい職場として応募する人もいる。
現実の介護現場は生易しいものではない。
当社など恵まれている方だと思う。
他社に変わった時、続けられるスタッフはいるだろうか?
はなはだ疑問に思っている。


【自分の頭で考えてケアできるように育てる】
専門職に評価を求めて、それから実行する。というのが当社のケア。
では、入居者が求めていることを
専門職の評価が「危険だから実行してはいけない」になったとしたら?
入居者の意思を否定することになるのではないだろうか?
自分で実行してみているのだろうか?
依頼された評価時のみ関わる専門職に正しい評価ができているのだろうか?

意地が悪い見方をすれば、
責任を問われたくないからか?
安全策をとっているというが、本当のリスク管理なのだろうか?
スタッフのスキルが追いついていかないのか?
などがいえる。

いささか歯がゆい。


さてさて、残すところは大晦日。
年明けも早朝の神社で厄除けのお守りを、まわりの分も頂くことになる。
自分のクル年は、
期待することはなく、維持できれば上出来だろう。


みなさま、どうぞ良い年をお迎えください。

自立支援ってなんだろー?

2009-12-28 01:11:25 | Weblog
介護保険改定で自立支援が主に取り上げられるようになった。
でも、自立支援ってどんなことをするんだろう?
そんな疑問、ありませんか?

その人が今出来ることを維持していく。
そして、
ほんのチョットだけ前向きになれるように努力してもらう。

お年寄りには、
這えば立て、立てば歩け、は通用しないのです。

政治ではないが、介護保険の冒頭に掲げられているのは自己責任。
維持するために努力しないといけないのです。

施設で生活する方は持病があっても長生きです。
生活リズムはイヤでもつけられるし、
カロリー計算された食事、
適度なご近所付き合い(?)=刺激
わが母も既に入居7年。

意地があって、負けん気の強いタイプは自立してます。
「忙しいのに、こんなこと、頼んだら悪いでしょ」
車椅子で、男性の入浴介助で平気だった人が、
杖歩行、男性なんかとんでもない!
と、言う事例も目の当たりに・・・。

排泄介助が必要なのに関わらせてくれないツワモノもいます。
「とんでもない!」
自分でどうにもならなくなって、やっとという人も。
私たちから見ると、介護拒否。
本人のプライドを傷つけないように関わっていくのは難しい。
これができれば、自立支援だと私は思う。

食べること、寝ること、排泄すること。
そして次に、移動手段。
自立で歩く、杖歩行、車椅子自走、歩行介助車(バギー)、歩行器、車椅子介助。
小規模施設でも、これだけある。

認知力や体調が急激に変化すると、スタッフが付いていけない。
少し先が読めないのだ。
つまり、リスク管理ができない。
「あれ?今までと違う」
変化を、どのように受け入れてケアするかが、その人の支援になる。

自立支援はレベルアップだけとは限らない。
レベルダウンしていても自立を高める要素がある。

話すこと、聴くこと、箸が使える、スプーンで食べる、
笑える、泣ける、手が動く、声がでる、
うなづく。

その方のいるところ、笑い声が耐えない!
なんて、いいですねえ。

年末は退院、そしてお別れも

2009-12-25 23:22:47 | Weblog
何年も忘れていた心の温まりを感じたイヴ。
明けてみれば、仕事に追われる。

年末になると入院していた方が退院してくる。
超高齢で骨折した方。
持病の悪化するたびに出たり入ったりするしかない方。

病院もお休みするスタッフが多いので、退院させる方向になる。
ホームは、休業するわけには行かない。
家だから。

退院を受け入れなければいけない内心は、
不安とハラハラ紙一重。
ナースコールに振り回されなければならない。

気管切開をしなければいけない方は、
私のところでは受け入れられない。
医療依存度のリスクが高すぎる。
療養型への転居を勧められた方もいるが、
救急搬送病院と、うちの施設との繰り返しで、他へは行きたくないと言う。

35人という小規模施設だが、
医療依存度の高い入居者の多いこと。
おかげさまで、状態変化も多く、臨時の面談も多い。
家族とはケアプラン外でも気になる変化が感じられたら、面談をすることにしている。
当社はケアマネの存在をそこまで買ってはいないので、
ケアマネ専任の勤務ができるようになってはいない。

いや、当社に限らず有料老人ホームの勤務形態は現場と半々がけっこうあるらしい。

現場にいると、現場を抜けると他のスタッフに負担がかかるのでやりにくいし、スタッフからも嫌味を言われることもある。
こういうことは携わっていないものにはワカラナイだろう。


私がほっと一息ついていた、イヴ。
103歳の方が、静かに息をひきとった。
ばあばを大好きだったスタッフに看取られて逝かれた。

「最後まで誰にも迷惑をかけないで逝ってしまった」
今日お会いできた家族からの言葉。

最後の息ざしのことを聞いて、
「苦しんだのかしら」
「肩で息をするなんて」と不安そうなので、
「ご本人は苦しくないそうですよ。体の反応なので」
と、説明すると安心された。


「もうここに来れなくなるのが寂しいよ。」と。




OH!サンタクロース? 

2009-12-23 23:46:52 | Weblog
思いがけないプレゼント。

まわりの人がパーテイで「お節」が当たったという!
大晦日に届くようだ。
私はお仕事、除夜の鐘までには受け取れるだろう。

年賀状も書かず、お雑煮の用意もせず、
もちろん、お節など何年も作ったことがない。
チョット嬉しい。

宝くじでも買っとけばよかったかな?(笑い)

同業他社の友達から結婚式の招待状が届いた。
年が明けて、寒い最中だなあ。
式にも参列してほしいとある。
介護に転職を志し、ハローワークで講習を受けたときからの付き合い。
ヘルパー講習を受けても、実際に介護職になる人は少ない。
実習を受けた時点で「出来ない」といったメンバーが殆ど。
何事も新しい仕事に就くには生活が懸かっていないと無理。
数少ない転職組みの一人である。
「いい歌があるんですよ、『傍にいるね』って」
夏には「これからを伴にしたい人が出来た」と。
公私共に前進しようとしている。

これからは奥さんになる人とも付き合いたい。
幸せ、分けてよね!(笑い)

10年来、年末年始は家にいたことがない。
なんと、2日から3連休じゃないか!
エ?ほんとにイ~のかなあ?
不安になってしまった。(笑い)

良く働いた1年のお年玉か。

新型インフルで修学旅行が12月になった友達からお土産を貰った。
「お土産買ってきてエ」
とメールしたら、ほんとに買ってきてくれた!
帰ってきてから胃腸炎で寝込んだらしい。
付き添いはタイヘンなんですよ。

歌のお仲間と伴奏者からもクリスマスプレゼント。

今年は私は何も用意しなかったなあ・・・。

明日の夜はお土産の友達のコンサートに出かける。

なかなか素敵なクリスマスの過ごし方。


わたし、けっこうシアワセなんじゃない?

楽しい事も辛い事も

2009-12-21 21:58:16 | Weblog
地元では毎年、イルミネーションを華やかに行っている。
おかげで、わざわざ出掛ける必要が無くなった。
夜桜と同じで、そぞろ歩きが楽しい。

ご入居者は変わらず年を越せそうだが、
1年目のスタッフのお母さんが亡くなられた。
白血病で闘病中だった。
まだ45歳くらい。
スタッフが長女で、弟が二人、下の子は中学生だという。
背負うには重いけど、しっかり地面を踏みしめて歩んでほしい。

個人的なことは【聞かない、話さない】を徹しているし、職場で甘えは通してはいけないというのが私のスタンスだ。

お年寄り相手の仕事なので、つい若い子は甘えてしまいがちになる。
それとなく教えてはきたが、本当に理解するのはずっと後になるだろう。

身内を看取って、初めて家族の気持が分かるようになるものだ。
彼女は、いち早くその立場にならせられてしまったが、
せっかく介護を仕事に選んだのだから、続けてほしい。

直ぐ泣き顔になる子だけれど、
強くなれ!頑張れ!
人前ではなかないで!