結婚披露宴司会者「みずの歩」オフィシャルブログ

ブライダルを通じて感じた、かけがえのない出会いや感情を素直にお話しております。

披露宴はみんなでつくるもの

2017年05月23日 12時11分59秒 | 雑談
新郎は49歳、新婦は45歳。
ゲストへの思いも強かったのですが、
ご家族への思いも、とても強いお二人でした。

新郎が中学1年生のときにお父様が他界され、
それからは、お母様とお姉様が、
新郎を守ってきてくださったそうです。
「自分でもとても大事にされていたと感じています。」
とおっしゃるくらい。

新婦のご両親様は、
ずっとお嫁にいかない新婦を心配していました。
「いつになったら嫁に行くんだ!」
と、どなられたこともあったそうです。
だけど、自分がやりたい仕事をもう少しがんばりたい。
その気持ちを後押しして説得してくれたのが、
お姉様でした。

お二人ともお姉様に対しては、
すこし特別な思いがあるようでした。
そこで、お姉様と一緒に歩くシーンをつくることに。

色打掛で入場したあとは振袖へお色直しをした新婦。
この振袖は、今は亡き、おばあ様からの贈り物でした。
本当によく似合っていました!

新郎は紋付袴姿でお色直しがなかったので、
会場でお待ちいただいていました。

扉が開くと振袖姿の新婦が登場。
そこで、お二人のお姉様に、それぞれのエスコートを依頼。
新郎のお姉様が新郎の手をとり、
新婦のお姉様が新婦の手をとって、
お互いに歩み寄っていただきました。
そして、お姉様同士から、自分の弟を、妹を、託す。
4人でたくさん言葉をかけあって、手を握り合って、涙して。
最高のシーンとなりました。

ご両親様はどんなお気持ちでごらんになっていたのでしょうか。
それぞれの兄弟同士が手をとりあっている姿なんて、
なかなか見ることはできません。
安心してくださっていたらいいなと、思います。

新郎のお母様と披露宴中お話しする機会がありました。
お母様は、
「私ね、○○ちゃん(新婦)と本当の親子に見えるみたいなの!」
ととても嬉しそうに話してくれるんです。
「このまえも一緒にでかけたらお嬢さんとお母さんって言われてね!」
「二人で、”今は仲良しだよね”ってふざけているのよ。」
本当に無邪気な笑顔で話してくださる姿が私も嬉しくて!
ずっとずっと、このままでいて欲しいと願いました。

ご友人の皆様も盛り上げてくださり、
歌が上手な新婦を誘って「ららら/大黒摩季」を歌ってくださいました。
懐かしい!思わず一緒に歌う(笑)
本当は「愛をこめて花束を/スーパーフライ」を歌う予定だったのですが、
振袖のお色直し退場曲に新婦が指定していたんです。
それをお伝えしたら急遽変更して下さって・・・

しかしその後の、振袖お色直し退場でまさかの展開。
「愛をこめて花束を」にのせて二人で退場している途中、
突然スタッフがダッシュでマイクをとりにきました。
え?なに?なに?どうしたの??
聞く時間もなく走り去っていく先は新婦。
どうやら、新婦友人が「新婦に歌わせて!」とリクエストされたようです。
またタイミングよく、ちょうど扉の前でサビがくるところだったので、
私も思わず新婦へ
「○○さん(新婦)、ご友人からのリクエストです!
では、サビだけいきましょう!はいどうぞ~!」とか言ってました(笑)
新婦が乗ってくれてよかった。

それからドレスで入場したあとは、ご親戚からのカラオケ。
久しぶりに聞いた「いい日旅立ち」は心に染みました。
さらにその後、新婦のご両親様からも1曲。
「二輪草/川中美幸」です。
お母様、歌がとってもお上手でびっくりしました。
近くにお姉様もきてくださって、一緒に歌っていましたが、
お姉様もお上手で、きっと家系的な流れなんでしょうね。
よくわかりませんが、お姉様と一緒に私も盛り上がっていました。

歌い終わったあと、お母様がおっしゃっていました。
「私は肺を両方とも半分切除してから、はじめて今歌いました。」
声が出て、本当に嬉しいです。」
家族でひとつずつ乗り越えてきたことの重みを感じました。

おひらき後、私までもが、
とってもあたたかい拍手をゲストの皆様からいただくことができました。
本当に感謝です。
披露宴は、みんなでつくるもの。
出席される皆様、どうかご協力をよろしくお願いいたします!



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