ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「実は、東京は危ないということは報道できない」と、子供の健康問題を全面カットした報道ステーション

2014年04月14日 | 日本とわたし
今日、ツィッターで、わざわざわたしに、こんなふうに話しかけてきた人がいました。
「現在の日本はどこより安全な国である」

なるほど……今だにこんなふうに思っている人はやはり、実際に存在しているのだと、改めて知らされた57才直前の夜です。

じわじわ進行する内部被ばくを黙殺する、巧妙な安全キャンペーン
インタビュー 内部被ばくを考える市民研究会 代表 川根 眞也さん
人民新聞オンラインより

福島・関東で、放射能による子どもの健康被害が、増え続けている。
だが、国・行政による、情報隠しと対応の遅れは深刻だ。
特に関東は、意識されること自体が少ない。
川根さんは、中学校の理科の教員で、今回の地震後にすぐ、「放射線測定メール」を発信し、
友人と、「内部被ばくを考える市民研究会」を、2011年8月に立ち上げた。
日々接する、子どもたちへの被ばくの広がり、教育現場での困難、今後について話を聞いた。(園良太)


■子どもの内部被ばくと学校現場



川根:
事故直後に、「これは内部被ばくが大変なことになる」と思い、学校現場や身の回りを測定して、メールで発信し始めました。
「放射能が危ないと学校で言うな」と言われていましたが、どこかで子どもたちに説明しなければと思い
内部被ばくの講演会を、学校近くの公民館でやりました。
その時、お母さん方が複数参加され、「これは良い話だ」と、毎月4~5回の講演を、依頼されるようになりました。
最初の1年間で、43回やりました。

先生は、給食を食べるかどうかを選べますが、子どもたちは選べません
だから、保護者にも聞いて欲しいのですが、私の中学の保護者からは、講演依頼がありません。
授業で放射能のことを話すと、子どもから保護者に行き、保護者から校長に、「放射能のことだけで授業時間を使いすぎる」とクレームが行きます
校長・教頭からは、「授業で予定された時間以上に、放射能のことを話すな。ただし学校外で勤務時間外の活動には口出ししない」と言われています。

結局、学校というのは、国家権力の末端機関で、国が決めたことに従って動くものなんですね。
だから、自由主義の学校と違って、国が決めたとおりに授業をやらなくてはならない
第1次安倍政権の下で、教育基本法も改悪されています
その下で、愛国心教育や道徳教育もやらなきゃいけない。
同じく、「国が100ベクレル/㎏以下まで安全」と決めたら、それ以下の食材は「安全ではない」と言ってはいけない建前なのです。
学校が政府基準に逆らうことは、勇気がいることなのです。


■福島の子どもの甲状腺がんは、発生率が高すぎる


●定価(資料編・カルテ編セット)800円+税
●発行:「子ども救援基金」
●販売代行:垂井日之出印刷 出版事業部
(電話・0584-22-2140 FAX・0584-23-3832)


川根:
私は、福島市や郡山市は、人間が住んではいけないレベルの汚染だ、と思っています。
多くの子どもが、甲状腺がんを発症しているし、僕がそこにいたら、教師を辞めて避難しているかもしれません。

今年2月7日の「第14回県民健康管理調査検討委員会」の報告で、発表された数字というのは、
甲状腺がん、およびその疑いが75名という数字です。
そのうち、『甲状腺がん』と確認されたのが33名で、既に手術をして甲状腺がんをとってしまった子どもです。

残る「疑い」の41名(1名は手術して、良性腫瘍とわかっている)は、
実は、甲状腺がんの手術を受けるべきなのに受けていない、手術を待っている子ども、という意味
なのです。
その子どもたちの9割方は、調べたら良性腫瘍ではなかった、つまり、75名中70名近くは、甲状腺がんが確定した、ということです。
これは非常に大きな数字で、ベラルーシの甲状腺がんの発生割合を、大幅に超えています

福島原発事故前の子どもの甲状腺がんは、「10万人に0.1~0.2人」ですが、
今回の調査は、「10万人あたり72人」で、145倍です。
しかし、福島県立医大は、いまだに「放射能の影響とは考えにくい」と言い続けています

実際には、福島は、凄まじい土壌汚染があります
日本の人口密度は、ベラルーシの比ではないので、もっとたくさんの子どもが、甲状腺がんになる可能性があると思っています。


■「無いこと」にされている関東の子どもの健康被害

川根:
「放射能防護プロジェクト」に参加している、三田茂さんという医師がいます。
この3月に、小平市の病院を閉院して、東京から岡山へ、移住することを決断されています。
今年3月11日に、『報道ステーション』で、古舘伊知郎さんが、甲状腺がんの特集をやりました
古舘さんは三田先生にも取材に行っています

三田医師は、東京・関東の子どもたちの血液、特に、白血球の数値が低くなっている、と明らかにしました。
それは、柏市三郷市のようなホットスポットだけでなく、埼玉市川崎横浜相模原の子どもたちの数値も悪くなっている、と指摘しました。

話を聞いた古舘さんたちは驚いて、「先生の名前と顔が出るが、話していいのか」と聞きました
三田先生は、「大事なことだから、きちんとした良い番組を作ってくれるなら出して構わない」と、OKを出しました。
ところが、数日後に連絡が来て、「実は、東京が危ないということは報道できない」と、全面カットになったそうです。
福島だけの問題になってしまいました

三田先生は、他の医師にも、「甲状腺エコー検査機器を共同で買って、治療し直しましょう」と呼びかけているのですが、反応がない
多くのテレビ局や新聞社からも、「東京の子どもの健康問題はどうなっているんだ」と取材を受けていますが一本の記事にも番組にもなっていません
今のマスメディアは、「東京は安全だ、危険なのは福島だ」という情報操作がなされているのです。

実際には、関東の子どもたちの健康状態が、悪くなっています
具体的には、子どもたちの血液の数値が非常に悪くなっています
特に、白血球の中の好中球の数値が下がっている傾向があります
好中球が極めて少なくなると、風邪やインフルエンザにかかっても、病気が重篤化する可能性があります。
特に0~2歳児の子どもで非常に悪い子がいました
白血球のうち、好中球が0になった子どももいたそうです。


大学病院では、診断はできても治療はできませんでした。
三田先生は、そうした子どもの親には、「この子はここに居ちゃいけない、避難しないと良くならない」と話したそうです。
九州に避難したその子どもは、好中球が4000、5000台に戻ったと聞いています。
三田先生は今までに、3人の子どもを、東京・関東から西の方へ逃がしたそうです。

少ない例ですが、好中球が非常に少なくなった0~2歳の子どもはみな、2012年春以降に産まれた子どもたちです。
原発事故直後に産まれた子どもたちではありません
小さい子どもを持たれている方は、白血球の分画まで調べるべきです。
赤血球や血小板の数値と合わせた「末梢血液像」を調べて下さい、というとやってくれます。

血小板も下がっています
普段は20万ですが、10万や5万ならば、出血した場合に回復する力があります
しかし、2万を切ると、出血した際に血が止まらなくなります
まだそういう子どもは診ていませんが、血小板の数値が極端に下がり、デッドラインを切るようになると危険です。

放射線を受けると、骨髄細胞が白血球を作り出すことができなくなります
赤ちゃんは急に具合が悪くなって、重篤な症状になることがありうるので、急いで白血球の検査をする必要がある、と言っていました。


■関東でも、体調を崩す子どもが続出/ごみ焼却が原因か

川根:
2011年の末から12年までは、東京の江東区葛飾区千葉の柏松戸の辺りで、
異型リンパ球」(リンパ球が放射線の影響を受け、形態異常になること)の子どもが多かった
です。
柏や松戸で、子どもの健康被害に危機感を持った方は、すでに避難しました。

そして、2012年末から13年にかけては、東京の多摩神奈川・埼玉に広がっているのです。
これは、福島より低レベルの汚染地帯にいても、子どもたちの具合が悪くなっている証左だと思います。

いま症状が出てきた理由は、事故から2~3年たち、放射性物質が体内に入って、悪さをしているのだと思います。
問題なのは、ごみ焼却場で、放射性物質がついた落ち葉、木の枝、生活廃棄物が燃やされて、
その見えない灰やチリが、地域に拡散されていること
です。
それが、呼吸とともに摂取され、特に、赤ちゃんに悪影響を与えているのだと思います。

三田先生は、「東京・関東圏で、甲状腺がんの子どもは、まだ一人も診ていない」と言っていますが、
肺炎で亡くなる中高年の方が増えているとおしゃっていました。
ボランティアで、街路樹の剪定や落ち葉掃除、側溝掃除をされた後にです。

学校現場でも、「うちの子は風邪をひきやすくなった」という家庭は、多いと思います。
私の中学校の保健室は、年間、利用者が3700人を超えたそうです。
一昨年の倍くらいじゃないでしょうか。
ウイルス性胃腸炎に、年3回なる子もいますし、お腹をこわす子も多いです。

また、体育の授業で、1500m走の後に、33人中25人もの子どもが咳込み、うがいに行きました
初めてのことです。
外で激しい運動をした後に、子どもたちの調子が悪くなる」という感覚を持っています。
学校側は「放射能とは関係ない」を前提に、すべてのことを見ているので、対策のとりようがないのです。

関東でも、安全キャンペーンが張られています。
福島より意識されない形で、より巧妙に発動している
、と思います。
これを変えることが必要です。


■自分の記録を残し、行政に支援政策をやらせよう

川根:
《健康被害は、放射能とは無関係だ》とされています。
だから、松井英介氏ら「市民と科学者の内部被曝問題研究会 医療部会」では、
事故直後からの、自分の日常記録を書きこめる『内部被ばくからいのちを守る健康ノート』を作りました。
これを、多くの人に活用してほしいと思います。
また、マスコミは事実を報道しないので、地域で小さな勉強会を開くことも重要だと思います。
保護者は、健康診断の実施を求めるべきです。

保養のための、サナトリウム(保養所)も必要です。
社会運動に関わる方々にも、お願いしたいです。
ベラルーシには、50カ所の保養所があり、年間4万5000人の子どもたちが利用しているそうです。
自分のカルテを持ち、体内放射能の数や保養で、どれだけ下がったかがわかります。
親が、避難先で仕事を見つけられるよう、行政に支援政策をやらせる運動も必要です。
力を合わせて実現させましょう。

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54 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
白血球 (Unknown)
2014-04-16 11:57:45
45000は多すぎます、4500の間違いでは?
Unknownさんへ (まうみ)
2014-04-16 13:18:46
指摘してくださり、ありがとうございます。
わたしは、こういうことについては、本当に無知に近いものですから、ネットで確認してみました。
そうですね、文章の内容と数字が、一致していないように、わたしにも見受けられます。

今夜はもう遅いので、明日、直接記事を書かれた方に尋ねてみます。
Unknown (おいおい)
2014-04-16 16:16:14
>わたしは、こういうことについては、本当に無知に近いものですから

それは無責任では?
おいおいさんへ (まうみ)
2014-04-16 23:32:03
自身の知識の範囲を超えている場合は、出来る限りの調べをしてから記事を書かなければならないのですが、
転載をさせていただく際には、とりあえず、記載されている数値などについては、そのままを良しとして載せています。
今回の白血球の数値については、その前後の文章の内容を何度も読み返しているうちに、もしかしたら高血球や血小板などのものと混同しているのではないかと推測しています。
いずれにせよ、こういう医学の、特に血液についての数値に対して、明らかな知識を持ち合わせていないことは事実なので、このことを機会にまた、学びたいと思っています。
Unknown (Unknown)
2014-04-17 12:55:46
>授業で放射能のことを話すと、子どもから保護者に行き、保護者から校長に、「放射能のことだけで授業時間を使いすぎる」とクレームが行きます。
>校長・教頭からは、「授業で予定された時間以上に、放射能のことを話すな。ただし学校外で勤務時間外の活動には口出ししない」と言われています。

>結局、学校というのは、国家権力の末端機関で、国が決めたことに従って動くものなんですね。


いや授業は普通にやりましょうよ。放射能の危険性を伝えるのも大事ですけど、それで授業がガンガン潰れて遅れると子どもたちの成績が他県より下がり、子どもたちの将来に影響が出るでしょ。
そういった子どもたちの将来に関しては無視して自分たちが伝えたいことだけをやりたいってのはエゴでは?
いくつか質問させてください (山崎初一)
2014-04-18 12:17:26
友人に紹介され、本記事拝見しました。
不明な点を質問させてください。
情報源を公開いただきたく。
各種統計データは公開されてますか?
三田医師自らの情報発信はありますか?

>1500m走の後に、33人中25人もの子どもが咳込み
この後、親御さんからは学校への反応は?
Unknown (Unknown)
2014-04-18 13:07:43
校長教頭の意見が正論では?

授業は授業。放射能について話したいなら全体集会なりプリント配布なりでやればいいと思いますよ。
Unknown (Unknown)
2014-04-19 03:29:33
川根って人が根拠としているデータですが
約1か月後の3月8日に、東京電力福島第一原発事故後に福島県が実施している子どもの甲状腺検査の結果と比較するため、福島以外で行った調査結果(速報値)を発表して全否定されているわけですが?
チェルノブイリでも唯一観測された甲状腺がんが否定されて
原発反対派の最後の砦がなくなったわけです。

原発反対は自由ですが
デマを広めて被害者を苦しめているのは
放射能じゃなくて放射脳ってことに気付くべき。
初一さんへ (まうみ )
2014-04-19 11:54:27
ご質問にお答えします。

情報源の情報というのは、どのことをおっしゃっているのかが分かりませんが、
この記事の転載元ということでしたら、記事上部の紫色の文字をクリックしていただくと、元記事に移ります。
記事中の情報源ということでしたら、川根氏ご自身にお尋ねになるとよいと思います。
わたしもひとつ、確認したいことがあり、人民新聞の方に直接尋ねさせていただいたのですが、まだ返事をいただいておりません。

三田医師の詳しい情報は、彼の名前で検索してください。たくさん得られると思います。
約一ヵ月後ではなく、 (まうみ )
2014-04-19 12:07:44
約一ヵ月前に行われた調査結果のことをおっしゃっておられるのでしょうか。

それにしても、最後の砦という表現をこんなところで使われるのは、いったいどのような常識を持たれているのでしょうか。

たくさんの子どもたちが、もちろん子どもだけに限ったことではありませんが、
不快な症状や、恐ろしい兆候に苦しまされ、実際に、ケタ違いの数のガンを発症しています。
ガンだけではなく、心臓疾患、アレルギー、そして皮膚や内臓、神経の疾患、疲労感など、
様々な症状を抱えて辛い思いをしている方々の苦しみを、いったいわたしたちは、どこまで自分のことのように捉え、考えられるのか。

そういったことを毎日思う者を、放射脳を呼びたいのでしたら、どうぞご自由に。

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