ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「未来の歴史家は、昨年今年の選挙で、日本国民がなぜこんな狂気の選択をしたのか理解に苦しむだろう」

2013年07月29日 | 日本とわたし
ほぼ毎週読ませてもらってる、メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』。
本来ならば、みなさんそれぞれのところに届いて欲しいものですが、いろんな大事なことが書かれてあるので、ここでちょっと、今回だけ紹介させてもらいます。
すんません!兵頭さん!
みなさんも、ぜひぜひ、直接送ってもらって読んでください。お勧めです!

◆ 敗戦の怨霊考 ◆
━━━━━━━━━━
未来の歴史家は、2012年の衆議院選挙、2013年の参議院選挙で、日本国民がなぜ、こんな狂気の選択をしたのか、理解に苦しむだろう。

しかし、わたしたちは、答えを明確に理解している。
それは、次の2点である。

1 日本人(政治家を含む)の政治的民度の低さ。

2 既得権益支配層が、マスメディアを使って、絶えず国民を愚民化し続けた結果。



現在、大詰めを迎えたTPPの本質は、米国系グローバリズムによって構想された、新植民地主義である。
農業をカモフラージュに使いながら、真のターゲットは、わが国の郵貯マネー約270兆円、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円の、米国による奪取である。

参議院選挙後、早速、かんぽ生命が、アフラックと代理店契約を結ばせられた。

現在、米系外資アフラックが、日本のガン保険の、70%以上のシェアを抑えている。
これからアフラックは、放射能被曝による日本でのガン多発を見越して、現在、1000の郵便局で取り扱っているアフラックのガン保険の販売を、全国2万の郵便局に拡大
させる。

日本郵政は、これまで、国内の大手保険会社と組んで、ガン保険を、みずから開発することを目指してきた。
それも許されず、今後は、傘下のかんぽ生命保険が、アフラックと共同で、ガン保険を開発させられる

除染作業にも、米国からの参入の申し出があったが、まさに、宗主国にとっては、植民地のピンチはチャンスなのだ。


TPPの正体が、次第にむき出しになってきている。

交渉はすでにできないし、日本は、新植民地主義の取り決めを、丸のみするだけである。
それを、ネイティブの最高権力者である、官僚がやっている。

これからわたしたちは、遺伝子組換表示もない、原産国表示もない食料を買って、食べることになる。

安倍晋三は、批判されると、その逆のことをいって、「反論」したつもりになる、暗愚な男である。

現在の景気には実体がない、と批判されると、
「実体がある」と「反論」する。

「TPPで、米国と交渉する力がない」と批判されると、
「日本の優秀な交渉力」と「反論」する。

原発事故を起こし、日本の技術神話と安全神話とが解体すると、
「事故を起こした日本だからこそ、世界一安全な原発を提供できる」と「反論」する。

しかし、これは、日本民族に、根深く巣くっている体質でもある。
先の敗戦も、「終戦」とごまかして、体制保持に務めるのだからどうしようもない。

「終戦」なのだから、戦争の過去は、反省されないのだ。


若い読者には、想像もつかないだろうが、敗戦後に、小学校に入学したわたしたちの世代は、多くの引き揚げ兵士の教師に教わることになった。
もちろん、小学生であるから、教壇の教師が、戦地から帰国した陸軍の兵士であるとか、そんなことは考えたこともなかった。

教室を、敗戦の怨霊が徘徊していたのだが、その足音を聞き分ける力は、まだなかった。

ある小学校の教師は、生徒の家から古銭をもってこさせ、それを授業で使うこともなく、また返すこともしなかった。
生徒の中には、旧家があり、古い蔵の中から、貴重な古銭を多数提出した者もあった。
これは、教師による窃盗である。

中学校の社会の教師は、
「俺の顔がこうなったのは、戦争に行ったからだ」と、鬼気迫る顔でしゃべり、チャイムが鳴るまで、説教に費やした。
敗戦の恨みを、子供にぶつけていたのだと思う。

どの教師も、よく生徒を殴った。
本当によく殴った。
生徒がひとり、掃除をサボって帰れば、連帯責任というわけで、掃除をやっていた生徒全員が、平手打ちを食う。
無茶苦茶だが、戦場でも、そのような「教育」を受けていたのだろう。

後に、わたしは教師になって、体罰が連鎖することを知った。
教師に殴られた生徒は、親になって必ず、自分の子供の躾を、暴力で行う。

高校の日本史の教師は、やたらと詳しく、縄文時代と弥生時代とをやった。
こんなに縄文弥生をやっていたら、とても現代まで進まないことは、教科書の厚さから、すぐに想像できた。
年が明けて、3月になる。
その日本史の教師は、江戸時代で、日本史の授業を打ち切った。
「明治、大正、昭和は、読めばわかるから」
そのときの教室の、静まりかえった光景と、ちらと見た教科書の、残りの分量の厚さとは、今でも、昨日のことのように覚えている。

読めばわかるのは、むしろ縄文弥生で、読んでもわからないのは、太平洋戦争になぜ、日本が突き進んだか、であり、
どうして、広島、長崎に、原爆を落とされるまで戦争を続けたか、米軍はなぜ、まだ日本にいるのか、であった。

その教師は、戦中体験に触れる昭和を、やりたくなかったのだ。

後で知ったが、これは、日本全国の、多くの日本史の教師がやったことだ。
教師がこうなのだから、戦中体験のある政治家が、敗戦など認める筈がない。
「終戦」、と呼ぶ
わけである。


このような敗戦の怨霊が、戦前に、日本を引き戻し始めた
核武装の軍事国家として、である。
その先頭に、安倍晋三が立っている

ところで、今日の日本の窮状は、既得権益支配層によって作られてきた。

それは、米国を頂点とし、その下に、官僚、財閥、政治、報道の順に、支配のヒエラルキーを形成している。

今から思うと、09年の、政権交代のマニフェストは、このすべてについて触れており、相当に、根源的な革命を、日本にもたらす筈であった。

その全てを裏切ったのが、菅直人である。

そしてその後を引き継いだ、野田佳彦である。

このふたりに共通しているのは、政治哲学がなく、また、理念もないことだ。
それで、簡単に、マニフェストを裏切り、ふたりは、上に述べた日本支配のヒエラルキーに、隷属を誓った。

かれらは、民主党を潰す気であり、それは、菅直人が、東京選挙区で、党の公認候補以外の立候補者を応援して、分裂選挙に持ち込み、両者を落選に導いたことでもわかる。

わが国の支配層が考える政府は、小沢一郎の考える二大政党制ではなかった。

現在できつつある小沢なき民主党、つまり、民主党壊滅のA級戦犯たちに指導された民主党、それにみんなの党、日本維新の会などが、野合してできた政府なのである。
それは、第二自民党による政府なのであり、実態は、自民党なき自民党政府なのである。

両者に違いなど何もない。
そうでなければ、支配層は安心できないのだ。


さて、消費税税収は、2010年までで、累計で、224兆円もあった。
しかし、法人三税(法人税、法人住民税、法人事業税)等の減税が、累計で、208兆円もあった。

つまり、大企業のために、国民の消費税が回されたのである。

今度もそうなるだろう。

政府は常に、増税の名目を、福祉や社会保障、とりわけ年金のためと嘘を吐く。
明日はわが身であるから、お人好しの国民は、反対できなくなる。

このカラクリを、見破らないといけない。

この自民党の悪政を、公明党が支えている

一部の政治評論家のいうように、公明党は、自民党のブレーキ役ではない。
アクセル役なのだ。

2012年衆議院選挙、 2013年参議院選挙で、公明党は、憲法改悪を唱える自民党を、1人区で勝たせ、政権奪回を果たさせた。

これでなぜ、公明党が、改憲のブレーキ役になるのか。
不思議でならない。
論理的に説明してほしいところだ。

公明党があるから、自民党は、選挙をさほど怖がらずに、悪政を実施できる。
消費税増税に、最後は賛成したように、最後は、改憲にも、公明党は賛成する
ことになろう。


原発を再稼働する。
TPPに参加する。
消費税増税を実施する。
辺野古沖に米軍基地を作る。
憲法を改悪する。
日本核武装の軍事国家建国に突き進む。



第一自民党にやらせても、第二自民党にやらせても、政策は、宗主国と官僚とで作られているので、同じことである。

日本支配層の究極の理想は、自・公に投票した全有権者の16%で、政治をやることだ。
おそらくかれらは、自余の国民はいらないのである。

グローバル企業の経営者によって語られた、「年収1億円と100万円」の分岐は、良い悪いは別にして、日本の未来を、正確に剔抉したものである。

グローバルエリートの政治には、「国家」「民族(同胞)」「国益」「民主主義」といった価値軸はないのだ。


年収100万円で文句をいう日本人は、日本から出てゆけばよい。
国民など、幾らでも作れる。
外国から移住させてきて、帰化させたらいいだけの話だ。
これが、かれらの答えだ。


帰化の条件に、原発作業への従事や、出兵を義務付けたら、文句をいう日本人などよりも、はるかにマシなのである。


最近のメルマガで、わたしは、亡国のトライアングル、というキーワードを提案した。

これは、三角形の頂点に、
東電が嘘をついているのを利用して、手を打たない政府をおく。
東電が嘘をついているのを知っていて、そのまま嘘を書くヒラメ記者(マスメディア)と、
政府もマスメディアも何もいわないことに、つけあがる東電を配置する。


このトライアングルで、日本は滅んでいく。


この滅亡は、確実にやってくる。

ひとつは、地球的規模の環境汚染である。

もうひとつは、原発の廃炉と、使用済み核燃料管理が強いる、天文学的な経済負担である。

しかも、呆れたことに、核廃棄物のごみ処理場がないのだ。

加えて、輸出先の原発の廃炉費用と、使用済み核燃料の処理と、管理の費用がある。

山田正彦によると、(平岡秀夫から聞いたとしての話だが)輸出した原発の使用済み核燃料は、日本が引き取る契約になっている、という。

暗愚な安倍晋三は、世界の核のゴミ捨て場に、日本をしてしまうつもりらしい。
この契約のツケも、将来の世代が、払うことになる.


繰り返すが、核廃棄物のごみ処理場が、日本にはないのだ。

原発輸出を契約した、官僚と政治家、経営者は、第二の原発事故が起きたときは、もう、現役を退いている可能性が高い。

いずれにしても、将来の世代は、国内外の、

1. 廃炉費用

2. 使用済み核燃料管理費用

3. 事故処理費用


とで、世界一の増税に、苦しむことになろう



この亡国のトライアングルは、

1. 政府(現在は自・公政権だが、将来、第二自民党の政府になっても、重要な政策は、米国・官僚とによって作られるので、同じことである)

2. 東電(正確には、復活した、財閥を中心とする経済界)

3. マスメディア(ヒラメ記者とヒラメ編集幹部)


といった、既得権益支配層であることから成立している。

三者は、利害の共同体なのである。

三者の関係は、次の5点で説明できる。

1. 現在の破滅的な状況に対して、三者とも、加害者としての責任を負っている。

2. 嘘と隠蔽が、三者に利益をもたらす。

3. 三者が、嘘と隠蔽が可能な立場にある。

4. 三者に、モラル・ハザードが起きている。

5 三者とも、グローバルな市場原理主義者であり、個人的な利害を、国家的な利害に優先させている。
つまり、「日本なんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」の精神である。


ここまでは、米国は許容していた。
むしろ、売国には、都合がよかったのである。


ところが、この「5」が分岐し、もうひとつの、大きな流れが混在してきた。
つまり、

1. 市場原理主義のグローバリズム
に加えて、

2. 敗戦の怨霊
の流れが出てきたのである。


米国も最初は、「2」の流れを見落としていた。
最近になって気付き、安倍晋三との距離を、おくようになった。

今では、米・韓・中の3か国が、日本の「敗戦の怨霊」を警戒し、日本は孤立してきた

米国が好むのは、従順で明るいポチである。
それが意外にも、「敗戦の怨霊」を引きずる、暗いポチが出てきた。
それが、戦前への復帰を、模索し始めた。
この、「敗戦の怨霊」は、日本民族のなかに、相当に根深く残っている。

世界が見守るなかで、8月15日の靖国参拝がくる。

これまで違っているのは、中国・韓国ばかりか、米国も、深刻に見守っていることだ。

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6 コメント

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世襲議員、世襲官僚 (じゅんこ)
2013-07-30 13:48:53
 まうみさん、こんにちは。

日本を壊す人たちは、戦前から繋がってる人たちばかりですね。
おざわさんの父上は、戦後初の衆議院選挙で国会議員になったんですよね。だから、同じ世襲といっても敗戦の怨霊をまとってないですね。
わたしたちも日本とニッポンの違いがわかってないですね。未だに臣民の気分です。
どなたかは忘れましたが、日本国という国名はおかしいと言っていました。国名というのは国体を表すらしく、共和制なら共和国、王制なら王国というのが国名に付けてあるということです。例えばフランス共和国、スウェーデン王国という具合に。
戦前は大日本「帝国」と国の形を表してたけど、今はただの日本国。本来なら敗戦後、民主憲法を持ったのだから、「日本民主共和国」とかになってるべきでしたね。
ドイツ・イタリアは敗戦後国旗国歌を変えたということですが、ニッポンは自民改憲案第3条で日章旗・君が代を定め国民に尊重しなけらばならないと強制してますね。
それを受け入れようとする、曖昧なままのニッポン人です。
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日本人の本質 (sarah)
2013-07-30 23:54:11
一行一行、暗澹たる思いで読ませていただきました・・・、ため息・・・。
死者に鞭打つようですが、こちらも読んでいただきたいです。

『騙された者の罪』・・・伊丹万作

・・・だますものだけでは戦争は起らない。
・・・だます者とだまされる者とがそろわなければ戦争は起らない。

http://denik-bise.blogspot.jp/2009/02/blog-post_23.html?m=1

・・・「だまされていた」と言って平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。
・・・いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。

日本に未来はあるのでしょうか。
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じゅんこさんへ (まうみ)
2013-07-31 01:24:10
日本民主共和国。
いいですね、その名前。
日本戦争放棄国っていうのもいいなあ。
今ではあろうことか、放射能汚染産出国になってしまいました。

そのことをいったい、どれだけの人が、真剣に考えているのでしょうか。
核武装ついでに、核廃棄物の処理国に成り果てようとしているのに……。

大日本帝国の仰々しい旗から、シンプルな日の丸になった国旗は、わたし的には好きですが、誰もが同じ気持ちでいるなんてことは想像もつきません。

日本をここまであからさまに壊そうとしている人間を、ボーッと眺めている人がこれほど多いのなら、それはもう時の運だと腹を括るしかないのでしょうか?
そんなふうにわたしたちまで諦めてしまうと、日本の未来を生きる子どもたちに、申し訳が無さ過ぎます。
諦めませんよ!
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sarahちゃんへ (まうみ)
2013-07-31 01:28:33
ありがとうsarahちゃん。
読ませていただきました。

心にしみました。
そして、目に浮かぶようでした。
その頃の日本の、人々の様子が。

日本に未来はあるか。

わたしは、なんとしてでも、未来を無くさないようにと願っていますが、
この、なんともいえない、へらへらとした流され様に、かなりショックを受けてもいます。
けれども、先に選挙で見られたように、今までには見られなかった光が現れてきました。

ヘドロのようにたまった無気力に怒るより、その光を支えることに、気持ちを注ぎたいと思っています。

未来は、今生きてるわたしたちがしっかりしないと、本当に無くなってしまいますもんね。
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旭日旗 (じゅんこ)
2013-07-31 16:00:45
 まうみさん、こんにちは。
まうみさんのイメージしてる、大日本帝国の「仰々しい旗」というのは、旭日旗だと思います。
旭日旗は、帝国陸軍・海軍の軍旗として使われてたみたいですね。大日本帝国の頃から、国旗は日章旗(日の丸)ですよ。
最近(安倍政権になってから?)では、サッカーの試合とかで、日の丸と一緒に旭日旗をよく見かけます。
新大久保・鶴橋のヘイトデモや選挙の時の安倍さんの応援団でも旭日旗がたなびいてましたね。
サッカーの韓国戦で、韓国のサポーターが「歴史を知らない民族に未来はない」とかいう横断幕を掲げてたのを、マスコミでは非難してましたが、実際サポーターの中で、戦争の歴史を知ってる若者がどのくらいいるか知りたいところですね。
マスコミが情報操作をするのはわかるけど、知ってたら恥ずかしくてとても非難することなんかできませんね。
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じゅんこさんへ (まうみ)
2013-07-31 23:11:24
そうでしたっ!なにをバカなこと言ってんでしょか、わたしは……。

あの旭日旗が、安倍氏の応援にたなびいていた……ほんまですか?
歴史を、その国その国の都合の良いように、ゆがめられた話を信じ込まされているのは、なにも韓国や中国だけではありません。
どこの国でも、戦争に参加した国の歴史教育は、大なり小なり、自分達に都合の良いように行っているのですね。

前にも話しましたが、わたしのピアノの生徒で10才の子が、今日は真珠湾攻撃のことを学んだと言ってきて、身構えたことがあります。
すると、「あれは、米軍が事前に知ってたのに、戦争を起こさせたくて黙ってたんだよね」と言うので、「どうしてそんなこと言うの?」と言うと、「先生が教えてくれた」と。
そして、戦争など、一部の、そういう愚かな人間が起こし、市民同士が殺し合い、奪い合い、壊し合う、どうしようもなく愚かな物事だと。

世界がひとつになって、戦争などまっぴらだ!と叫ばないといけません。
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